ピーター・ドラッカーは著書の中で「現代の知識社会は、人類史上最も競争的な社会」と述べた。

知識社会は、われわれが知るいかなる社会よりも競争の激しい社会である。知識は普遍であり、成果をあげられないことの弁解ができなくなる。

恵まれない国というものがありえなくなる。あるのは無知な国だけである。

このことは、あらゆる企業、組織、産業について言える。一人ひとりの人間についていえる。

知識社会においては、シェアリングエコノミーや仮想通貨など、「先駆者」が新しい知識を用いて既存の枠組みの破壊を試みるが故に、「古い知識の側の人々」は、否応なしに厳しい競争にさらされる。

 

我々は常に知識をアップデートし、仕組みを再構築し、自己のネットワークを強化せねばならない状況に置かれてしまった。

 

これは決してオーバーな表現ではない。

「店舗」と「Amazon」の競争もその一つの現われだ。

本屋、電気屋、八百屋、文房具屋、雑貨屋、百貨店……数々の実店舗は、Amazonの物流網に敗北しつつある。

店舗側は知恵を絞って、Amazonにできないことを探らざるを得ない。

訪問サポート、御用聞き、提案、イベント、……。知恵が尽きれば、即「市場からの退場」が待っている。

 

もちろんこれはAmazonだけではない。様々な既得権への挑戦が世界中でなされている。

Airbnbとホテル旅館業界の競争しかり。

Uberとタクシー業界しかり。

 

だが、この状況を望んでいるのはもちろん、われわれ「消費者」である。

より便利なサービスを。より安いものを。より楽しいものを求める我々が、自分たちを競争に追い込んでいる。

もう後戻りはできない。

 

では、現代の競争的な状況に適応するために必要なことは一体何か。

ソウルドアウト社の代表、荻原氏は「大競争時代」に適応する鍵は、「マーケティング」にあるという。

マーケティングは「とりあえず販促」ではない。

「マーケティング」と言うと、以前は単なる「販促」という意味で使う人が多かったと思います。

つまり、「とりあえずチラシ」とか「ダイレクトメールを送ってみよう」という、手法の話が中心でした。

 

たしかに少し前の商売は、あまり「マーケティング」を意識しないで済みました。

「古くからのおつきあい」

「近所付き合い」

「友達付き合い」

といった、狭いマーケットでそれなりにお客さんが満足してくれていましたから。

でも、今の消費者や企業は目が肥えています。

もちろんそれはインターネットの影響でもあります。

 

webサイトを見れば、今の勤め先よりも、良い条件の会社が目に飛び込んでくる。

ECを見れば、古くから付き合いのある納入業者よりも遥かに安く、おなじ物が手に入る。

クラウドソーシングでは、付き合いのあった翻訳者よりも、安く、質の高いアウトプットが得られる。

 

だったら、「今までのしがらみ」に拘る必要なんかなんにもない。

そう思う人が増えているのです。

ですから、現代のマーケティングはもう少し広い意味で使わなければなりません。

 

今はだれもが「全国大会」「ワールドカップ」で戦わなければならない

スポーツに例えてみましょう。

これまで皆、「町内大会」や「地区大会」であれば、大した苦労もなく試合に勝てていました。

まあ、時には隣町のチームと練習試合をして負けることもありましたが、大勢は安定していた。

 

ところが突然、インターネットの出現により、あらゆる国の、あらゆるチームと試合が組まれるようになった。

「全国大会」と「ワールドカップ」しかなくなってしまった。

もちろん、試合には勝たなければ、もう大会に出ることができない。これが現代です。

 

では、「全国大会」「ワールドカップ」での勝敗を分けるものは何か。

それが「マーケティング」です。

実際、ドラッカーは「企業の成すべきことはマーケティングとイノベーションのみ」と言っています。

マーケティングの下手な企業、個人はますます負け、マーケティングの上手な企業、個人はますます勝つ。

これが現在の状況です。

 

こういう話を聞くと、ではもう「グローバル企業」に勝つすべは無いではないか。マーケティングでグローバル企業に勝つのは無理ではないか。

そのように言う人がいます。

本当に、個人商店、零細企業、中小企業にはもはや勝つすべは残されていないのでしょうか。

 

まさか。そんなはずはありません。知識は万人に開かれており、利用の仕方によっては巨人を打ち倒すこともできます。

それが「知識社会」です。

 

知識を使って「巨人」に勝つ。

例えば、インターネット広告に関する知識を使えば、「顧客を知ること」がより手軽に、簡単にできるようになりました。

つまり、知識があれば「なぜお客さんがウチの商品を買ってくれるのか」についての情報を得ることが確実にできるのです。

 

意外に思うかもしれませんが、「買ってくれるお客さんが、なぜうちの商品を買ってくれるのか」を知ることは、インターネットの出現前は難しいことでした。

例えばパン屋さんを想像してください。

パン屋さんには毎日大勢の人がパンを求めて来店しますが、

レジで、いちいち

「今日はなんのために買っていますか?」

なんて、聞けません。

 

朝食用なのか?

昼食用なのか?

おつまみとして?

贈答用として?

お客様がパンを買う理由は様々ですが、それを余さず知ることはそれほど簡単ではありません。

「リアルな店舗」であっても、お客さんのことはなんとなくしか知らない、というのが多くのお店、会社での実情です。

 

それに対して、インターネット広告は「なぜうちの商材を買ったか」が明確にわかるようにできます。

「どんなキーワードで来たか」

「どの商品に興味を持ったか」

「どのフレーズに反応したか」

「何と比較をしたか」

そういったデータが可視化されます。

 

これは以前であれば、大資本を持つ企業しか入手できない貴重な情報でした。

でも今は違います。

 

テクノロジーの進化に伴うマーケティングの進歩を、我々は「マーケティングの民主化」と呼んでいますが、今はだれでも小さな資本で、「誰が」「なぜ」「どのように」買ったかの情報を利用しながら、事業が展開できるのです。

参考:リスティング広告をたった5万円の費用で効果的にハックする手法

私は、リスティング広告業界13年のキャリアの中で、3,000社以上の中小企業のリスティング広告アカウントを運用・研究してきました。

その結果、たどり着いた結論は「まず5万円でスモールスタートする」方法です。1万円でもなく、100万円でもなく、5万円です。現時点では、これが多くの中小企業にとって、最も効果的なはじめ方だと確信しています。

いまは「大資本」や「グローバル企業」を恐れる必要はありません。

ツールと知識は誰もが使えるように用意されています。Amazonと戦うなら、GoogleやFacebookの力を借りればいい。逆も然りです。

 

逆に、マーケティングにテクノロジーを適用する知識さえあれば、どんな小さい企業でも、個人でも巨人と伍して戦える。

そう考えれば、現代は「昔よりも遥かに、努力が報われやすくなった」と言えないでしょうか。

 

 

 

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