こんにちは。翔栄クリエイトの河口です。
弊社は「オフィス空間を使った社員の意識・行動改革・組織マネジメント等」を生業とする会社です。
「ところで皆様のオフィスでは、BGMは流れていますか?」
最近、この質問をすると、「あ~ BGMね…」と、あまり良い反応が得られない場合が目立ちます。
オフィスでのBGM運用が上手くいっていない企業が多いという事ですね!
しかし、BGMが流れているオフィスで働いた事が無い方に「BGMを聴きながら仕事をする!」って、どういう印象を持ちますか?!と尋ねると、
・素敵な音楽を聞きながら、ゆったりと仕事をする。
・テンションの上がる音楽を聴きながら、楽しく仕事をする。
等、どちらかというとポジティブな印象に持つコメントを頂く事が多いのです。
ではなぜ、実際にオフィスでBGMを流すと上手く行かない事が多いのでしょうか?
一般的に、オフィスにてBGMを流す時、なるべく”良い感じの曲”を流そうとする傾向があります。
それはそうですよね!!!せっかく流すなら素敵な曲がいいでよすね!!
だから……うまく行かないのです……
なぜなら、音楽には”好み”があるからです。
自分の好みの音楽が流れている時は、心地良さを感じるかもしれませんが、聴きたく無い曲が流れると、
「この曲、好きじゃない・・・」
「誰が、選曲したの?!」
「そもそも、なんであの人が選曲の権利を持っているの?」
等、色々不満が溜ってしまうという事です。
では、どのようにBGMを流せば良いのでしょうか?!
前回の記事の中で、『オフィスの最適な音環境』を創るには『暗騒音』が鍵を握る事を書かせて頂きました。https://blog.tinect.jp/?p=43316(←まだ、読んでいない方は是非!)
この記事からもお判りの通り、仕事の妨げにならず、集中力を高めるBGMは、『暗騒音』である必要があるのです。すなわち、BGMを聞いて、“気が散ってはいけない”という事です。
”気が散る”と言うと、好みに合わないウルサイ音楽が流れる事を思い浮かべるかもしれませんが、「あ! この曲いいな~」と興味を惹かれる事も、しっかり気が散っていると言えます。
この事から、聴きたいとも、聴きたく無いとも思わないような『聞き流せる曲』を流すのが、暗騒音としてのBGMには適しているという事なのです。
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昨年秋、当社にて、どのようなジャンルの音楽が仕事に集中しやすいのかを検証する実験を行いました。
【検証実験概要】
・期間 : 2017年9月~10月中旬
・場所 : 当社ワークスペース内(在席人数、約25名)
・実施内容: 定期的に音楽ジャンルを変え、ワークスペース全体にBGMを流しながら仕事をする。
(週の前半・後半で各1ジャンルずつ、それを6週間で、約12ジャンル)
・結果確認: 実験対象者全員に、アンケートを実施、ジャンル毎の印象を5段階で評価。
【実験結果】
アンケート回収率:85%
以下、5段階評価の平均点が高い順
1位: ボサノバ
2位: Jazz・Hiphop
3位: レゲエ・R&B・カントリー
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4位: Pops・Rock
5位: アンビエント・エレクトロニカ
6位: クラシック
1位~3位
ボサノバ、Jazz、レゲエなどのジャンルが、仕事をしていて気が散る事が少なく、自然に聴き流す事ができ、『暗騒音』として適しているという結果になりました。
4位
気が散るというコメントが多く寄せられました。J-Popは、やはりダメですね。ついつい聴いてしまいます。Rockも、知った曲が多いので、同じようなコメントがありました。
5位
特にアンビエント(環境音楽)は、ヒーリング効果が高すぎて、仕事の集中力を阻害されるという意見が多くありました。
6位
以外だったのは、6位のクラシックです。
クラシックを聴きながら仕事をされている方も多いようで、この話をすると驚かれる方も多いのですが、やはりクラシックは、抑揚が激しい曲も多く、人の心に強く影響を与える音楽なんだと思いました。
この事から、より自分が聴きたい曲を聴かないと、気が散ると同時にストレスを感じてしまうのだと考えられました。
また、午前中は、アクティブな音楽より、ボサノバ系のゆったりした音楽の方が良いという意見が目立ち、逆に夕方は、ゆったりした音楽より、アクティブな方が良いという意見がありました。早く帰ろうと、仕事のスピードを上げているからかもしれないですね!
当然、この実験結果は万能なものでは無く、当社の場合は、たまたま1位~3位のジャンルに詳しい人がいなかったから、”知らない聞き流せる音楽”になりました。
しかし、もしボサノバに詳しい方がいたら、それは、”知った曲”が流れ、気が散る事になりますので、そこで働く方々に、ある程度合わせる必要があると思われます。
その他、BGM運用を成功させるポイント その1
音楽配信サービスの指定したジャンルが流れ続ける機能を利用する。
CDやプレイリスト等を流す場合、同じものを繰り返し再生すると、すぐに”知った曲”になってしまい、『暗騒音』としての効果が薄れる事になります。
そこでspotifyやamazon music等の音楽配信サービスの、”ジャンルを指定すれば、ずっとそのジャンルの音楽が流れ続ける機能”の利用をお勧めします。流しっぱなしで良いので運用も楽です。
その他、BGM運用を成功させるポイント その2
wi-fiスピーカーを利用する。
音楽プレーヤー等で、音楽再生をすると、スピーカーに近い人は”うるさい”と感じ、遠い人は、”聞こえない”という事になってしまい、これでは快適な『暗騒音』とは言えません。
かつては、オフィス全体に満遍なく音楽を流す為にはスピーカー配線工事等が必要でしたが、今は便利なwifiスピーカーという物があり、配線をしなくても、同じ音楽をwi-fi経由で複数スピーカーで同時に鳴ならせる事ができます。
そうする事で、スピーカーの数を増やし、各スピーカーの音量を下げる事で、オフィスのどこにいても、小音量でBGMが聴こえる『暗騒音』として適した音環境を作る事がでるのです。
いかがでしたでしょうか?
BGMは流し方によって、仕事の妨げにも、集中力を高める事にもつながるのです。皆様のオフィスでも是非、仕事の集中力を高めるBGM運用を、試してみてはいかがでしょうか?
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(Photo:Björn Engqvist)