長男が生まれて11年経ちました。

現在、しんざき家は5人家族でして、私、しんざき奥様に加えて、子どもが3人在籍しています。うち1人は小5男子、2人は最近小学生になった女児双子です。

 

私は、育児はエンターテインメントだと思っています。子どもと接するのはとても楽しいし、妻と二人で育児の色んな問題に対処するのも、成長した子どもと色んな話をするのも滅茶苦茶楽しい。

人生にこんな楽しいことがあったとはなーと思いますし、家庭それぞれ事情があることは当然のことながら、もし出来ることなら全ての親が「育児はエンターテインメント」だと実感出来ればいいのにな、と思ってもいます。

 

ただ、それはそれとして、育児がとにかく工数を食うイベントであることは間違いないので、やはり時間の使い方とか、普段の過ごし方というものは昔と随分変わりました。

そんな中、一番大きな変化は、「ゲーマーとしての立ち回り方」「ゲーマーとしての在り方、ゲームの楽しみ方」だったのではないかなあ、と最近は思っています。

 

今日は、育児を始めたゲーマーにはどんな変化があったのか、ということの一例を書いてみたいと思います。一般化する気はないのでその点ご了承ください。

 

子どもが生まれる以前のしんざき

しんざきがガチゲーマーなのかというのはちょっと難しいところなのですが、多分世間一般の価値観からするとだいぶガチゲーマー寄りの時間の使い方をしていたと思います。

1日20時間くらいぶっ通しでダライアス外伝をやったこともありますし、本気で全国スコアを狙ったことも、格ゲーの全国大会出場に血道をあげたこともありました。

 

しんざきは比較的趣味の種類が狭い方で、特に学生時代にケーナを始める以前は趣味の9割方をゲームが占めていましたので、空き時間のリソースは極めてゲームに偏っていました。

時期によってゲーセンか家庭用かの差はありますが、大方、しんざきに石を投げればゲームをやっているところの後頭部にぶち当たる、と思って頂いて良かったと思います。

 

私が人生で得られるありとあらゆるリソースをゲームに突っ込んでいた時期の話は、以前寄稿させていただきました。気が向いたら読んでみてください。

「人生の息抜きにゲーム」ではなく、「ゲームの息抜きに人生」を送っていた時期の話。

幸いなことに、しんざき奥様も昔からゲームを遊ぶ人で、特にパズルゲームにかけては私よりもよっぽど強い、という程度のパズルゲーマーです。私は妻にパズルボブルで勝てたことがありませんし、ぷよぷよで勝った記憶もありません。

 

それもあって、結婚後も二人で日がな一日ゲームをしていたこともありますし、休日にゲームにのめり込んで文句を言われたこともありません。

この辺、ゲームに理解のある配偶者を得たことは、私にとって重要極まる幸運だったと言えるでしょう。

二人で出かけるタイミングもしばしばあり、流石に「20時間くらいぶっ通しで同じタイトルをやる」などということは無くなりましたが、概ねゲーマーとしての基本スタンスは変えずに済んでいたと思います。

 

子どもが生まれた後のしんざき

ところで子どもが生まれました。その結果、まず「可処分時間における、子どもと過ごす時間」の割合が激増しました。

当たり前のことなのですが、育児は夫婦共同作業ですので、夫婦ともに人智を尽くして子どもに対応しなくてはいけません。

私が仕事をしている関係上、どうしても平日日中は妻に育児タスクが偏り気味になってしまう傾向はあったのですが、それでも可能な限りの知力・体力を育児に突っ込んできたと思います。その点は自信をもっています。

 

ただ、それよりも何よりも、子どもと過ごすのは面白いのです。ついこの間までぎゃんぎゃん泣いては乳を飲むだけだった生き物が、四つん這いで移動するようになり、立ち歩くようになり、色々言葉を発するようになり、自分の意思で色んな行動をし、自分の意見を持つようになっていく過程は、とんでもなくスリリングであり、軽い恐怖を覚える程に神秘的でした。そんじょそこらの育てゲーの比ではありません。

 

それに伴って、「休日一日ゲーム漬け」というようなことは殆ど無くなりました。まとまった休みがあれば子どもと遊びたいですし、妻にも一人の時間を作ってあげたいので。

ただ、そうは言っても私はゲーム大好き人間ですので、仕事、家事、育児、音楽という大きめの敵と戦う間、隙を見てはゲームをやる時間を見つけていました。

 

私とゲームの接し方は、大体下記のように変わっていきました。

・ゲームプレイは携帯機やノートPCが主体になった

・プレイ時間は移動中か、あるいは夜、子どもが寝た後の夜間に偏るようになった

・一つのゲームを思い切りやりこむよりは、短い期間で効率よく目標を達成する方向にシフトすることが多くなった

・それに伴って、長時間のやりこみを要求されることが明確なゲームには手が出しにくくなった

これはゲーマーとしては堕落なんでしょうか。私自身は、「堕落ではなく進化だ!」と強弁したいところなのですが、とはいえ堕落ととられても仕方ないところだとは思います。

 

まず第一に携帯機への傾斜ですが、そもそも子どもが小さい家は、据え置き機を自宅に置くこと自体が苦しいんですね。すぐ引っ張り落されますしケーブル抜かれますし、比較的簡単に壊れます。

ある程度大きくなってからはその点多少マシになったんですが、やはり「まだゲームにはちょっと早い」時期というものはあるものでして、そんな時期に親がリビングでゲームやってたら、超やりたがりますし止めるとギャン泣きされます。

 

その為、「時間の有効利用」という意味もあって、ゲームは携帯機中心になりました。PSPとかDSとか3DSとかPS VITAとかです。私自身が元来レトロゲーマーで、ゲーム機のスペックにこだわりがないということもあり、これはそれ程苦でもありませんでした。

 

そして、時間の有効利用という要素は、私のプレイを「短期間目的達成型」に変えていきました。

全てをやり尽くすというよりは、短期間で達成可能な目標を自分で決めて、その目的を達成するのに集中するプレイスタイルです。

元々、私は「自分の行動を最適化していくこと」に気持ちよさを感じる性質ですので、これについては悪くない変化だったと思います。

 

とはいえ、「やり込みが主要な楽しさを占めている」とか、「数百時間のやり込みが要求される」みたいなゲームには、流石に手を出しにくくなりました。

私積みゲーってあんまり好きではないので、「これはやり切れる」と確信してからゲームを購入することの方が多いです。といっても買っちゃう時には買っちゃうんですが。
こうして書いてみると、「出来なくなった」「失った」というものも流石にそこそこあるなあ、とは思わざるを得ません。育児というでかい要素が人生にぶち込まれた以上、それ自体は仕方ないことなのかも知れません。

ただ、単純にゲーマーとして、単に無くしたものの方が大きかったのかというと、私は「そうでもない」と考えています。

 

育児ゲーマーが手に入れたもの

「子ども視点」という、ゲームに対する新たなチャンネル。

3,4年前から、長男もゲームをするようになってきました。時間を区切ってメリハリつけて、どうせ遊ぶなら集中して遊べ、といったことは言い聞かせているんですが、食事や就寝に支障が出ないようならあまり制限はせず遊ばせています。

 

ところで、自分でも驚いたんですが、「自分の子どもがゲームする」というのが、これが滅茶苦茶面白かったんです。自分がゲームを遊ぶのとは、また別種の面白さ。全然別種の楽しみ方。

例えば、長男がゼルダを遊ぶようになってから、長男と散々ゼルダ話をしました。今どんなところを探検している。ジャストガードが難しい。カースガノンが滅茶苦茶怖い。ライネルが倒せるようになった。イワロックが見つからない。ほこらの謎が分からない。

で、例えばゲームの攻略法について話したり、長男のゲーム語りを聞いていると、まるで「ゲームを知らなかった頃の自分が、初めてゲームを楽しんでいる頃をもう一度体験している」ような、不思議な感覚にとらわれることがあるんです。

ファミコンで初めてゼルダを遊んだ時の、あのワクワク感。初めてダンジョンに潜った時の、あのドキドキ感が、ものすごく新鮮に私の頭の中に突っ込まれるのです。

 

これは多分、根っこにあるのは子どもへの共感、子ども視点への同一化なんだと思います。

長男の目を通して、長男の気分で、もう一度ゲームを体験することが出来る。以前も何度も感じたことがあります。

例えば、通い慣れた公園が、子どもと一緒にいってみるとキラキラと輝いて見えたり。なんてことない街並みなのに、子どもと一緒に散歩すると無暗とワクワクしたり。

 

つまり私は、自分一人で120%ゲームを遊ぶことは出来なくなったものの、子どもの分も合わせてゲームを2倍以上楽しむことが出来るようになったのです。これは、ゲーマーとしての私が、ゲームを楽しむ為に手に入れることが出来た、とてもとても貴重な一つのチャンネルだと思っています。

 

これは多分、「ゲームを遊ぶ」こととは全然別種の楽しみなんだと思います。勿論今でも、私にとって「ゲームは自分で遊ぶもの」であり、自分で遊んでこそゲームが一番楽しめる、ということは変わっていません。

私はゲームを遊ぶのが大好きであり、今後も出来るだけの時間をひねり出して、ゲームを遊び続けようと思います。

 

けれど、それはそれとして、「自分でゲームを遊ぶ」以外にもゲームを楽しむチャンネルが出来たのであれば、それはそれで素直にその楽しさを享受しようと、今の私はそう思っているわけなのです。

 

長男に続いて、最近はぼちぼち次女もゲームをやりたがり始めました。ゲーム機の取り合いだとか、視力への影響だとか、色々と難しい面も勿論あるのですが。

それでも、自分自身がゲームを食べて成長してきた身としては、子どもたちにもゲームとの素敵な関係を作って欲しいし、それが私にとってはどんな体験になるのかが楽しみで仕方ない。

育児ゲーマーなりの「ゲームの楽しみ方」を今後も探し続けようと、そう考える次第です。

 

今日書きたいことはそれくらいです。

 

【プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

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