しんざき家の長女と次女は双子なのですが、性格や好みはまるで違います。
長女はママ大好き、次女はパパ大好き。
長女は甘いもの好き、次女はしょっぱいもの好き。
長女は怖いお話を集めた本が好きで、次女は恋愛要素もある児童小説が好き。
長女は勝ち負けが絡まないゲームが好きで、次女は勝ち負けが絡むゲームが好き。
次女はやや社交的、長女はやや内向的。
タスクに対してやや気をそらしがち、要領の良さで勝負をする次女に対して、長女は何かに集中し始めると他人の声も聞こえない程没頭します。
細かくちまちました作業が大好きな長女に対して、注意力が必要な作業はちょっと苦手な次女、といった違いもあります。
ただし、片付けが苦手なのは二人とも同じ。
まあ、二人とも健やかに育ってくれているのは本当になによりというべきで、公平に接しながらもそれぞれの得意分野を伸ばしてあげられるといいなあ、と思っていたんです。
長女も次女も超可愛いです。長男も可愛いけど。
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ものすごーく細かい話なんですが、先日、長女と会話する中で反省することがあったので、今日はそれについて書いてみます。
まず前提として、これも長女と次女の違いの一つなんですが、「言いたいこと、感じたことの言語化が得意かどうか」という差異があります。
次女は比較的「思ったことをすぐ言葉に出来る」性格でして、イヤなことはイヤだ、やりたいことはやりたい、とするっと言葉に出来ます。
何か悪いことをしてしまった時も、それ程逡巡せずに謝ることも出来ます。
一方の長女は、何か感情が盛り上がった時、それを言葉にするのが苦手でして、先に手が出てしまったり謎言語が口から迸ったり、あるいはしばらく言語化を待ってあげないといけない場合が多いです。
元々がやや内向的で恥ずかしがり屋ということもあり、言葉という形で自分の希望や感情を整理するのもちょっと苦手らしいんですね。
学校の担任の先生からも、「言いにくいことを言語化するのがちょっと苦手かも」と言われていました。
しんざき家の家訓は
「察してもらうのを待たないで、とにかくどんなことでも言葉にしよう」
なので、なるべく言葉にできるようにゆっくり練習しようね、とは言いつつ、のんびり成長を待つ構えだったわけなんです。
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ところでしんざき家には、「プリントチャレンジ」という制度があります。
主に算数の計算プリントなんですが、基本的な問題20問くらいのプリントを解いて、満点をとったらポイントゲット。
一定数ポイントが溜まったらお菓子を買ってもらえる、という制度です。
大変ありがたいことに、フリーで使える計算プリントをwebで公開してくださっている方々がいまして、そういったプリントを印刷してですね。
単元的には少し前に終わった分野の簡単な問題を、毎日2,3枚くらい印刷して解かせてあげる。
もちろん答え合わせはこちらでしてあげないといけないんですが、これをやると「もう3年だけど、繰り下がりのある引き算がまだちょっと苦手だね」とか、「二けた×二けたの掛け算をする時に、たまに筆算の桁をずらして書いちゃって間違えることがあるね」みたいな、「しっかり抑えられていない弱点」を早めに発見してリカバリさせてあげられるから凄く有用なんですよ。
以前から何度か書いている通り、算数ってものすごーく「積み重ね」が重要な教科なんで、曖昧な部分を残したまま先に進んじゃうとリカバリが大変なんです。
だから早めに「抜けてる部分」を発見するの、大事。勉強の習慣や見直しの習慣もついていいことずくめです。
長女も次女も、「問題が解けると気持ちいい」「いい点がとれると嬉しい」という形での達成感は持ってくれているので、なかなかいい習慣になっているなーと。
ただ、たまーに夜寝る直前までプリントを引っ張っちゃうことがあって、就寝が遅くなる原因になっていたので、「夜はプリントに手をつけるのはやめよう」「やるなら学校から帰ってきたらすぐやろうね」とは話していたんですが。
ある夜のことです。翌日分の計算プリントを印刷する前に、今日の分は終わったのかな、と思って長女に聞いてみました。
「今日の分の計算プリント、もうやった?」
こちらとしては、まだプリントが終わっていなければ今日の分を明日に回すから、明日の分のプリントは印刷しなくていいな、という程度のつもりでした。
ところが長女は、
「んーーーーー…えーと……」
とか、いまひとつ要領を得ず、もじもじしています。
私のスタンスは基本、「言語化出来なそうだったら急かさずに待つ」なんですが、この時は寝る時間が迫っていたので、早めに助け舟を出しました。
「いや、明日分印刷するかどうか考えてるだけだから」
と言ったのですが、その時しんざき奥様が横から、
「それは、最初に質問の意図を全部説明してあげた方がいいかも」
と言ってくれました。
この時、長女が「正直に言うと叱られるかも」「質問ではなく、叱られる前兆かも」と解釈している、その為言語化をためらってしまっているんだ、ということを明確に理解しました。
何せこちらには叱る意図が一切なかったので、長女がなんで逡巡しているのか、なんとなくは分かっていたものの、明確には認識していなかったのです。
その後、
・プリントは必ずやらなきゃいけないものじゃないんだから、その日出来なかったプリントは明日に回せばいい
・今日分が終わっていないのに翌日分を印刷すると散らかる元だから、今日分がまだ残っているか聞いただけで、叱る意図は全くない
という話からしてあげたところ、今度はちゃんと「今日は帰ってきて友達と遊んじゃったからプリント出来てない」「今日の分は明日やる」と言語化することが出来ました。
つまりこの案件は、そもそも「私が質問の意図をきちんと説明出来ていれば解決する案件」でした。
長女ではなく、むしろ私の方が言語化出来ていなかった。
で、下記のような話を思い出して、ちょっと反省したんです。
先生「どうしてそう思ったの?」→生徒「あ!やっぱりちがう」間違いを恐れて思考停止する現象の原因と対策「叱られていると認識される」
これ、受け取る側の問題というよりは、どちらかというと「質問する側のスタンス」と「それが正しく伝わっているかどうか」の問題かも知れないなあ、と思ったんですよ。
もちろんそれだけで解決する問題ではないにせよ、そういう側面は間違いなくある。
教師としては、「生徒が何故間違ったのか」を知って、その要因をリカバリしたい。
間違って覚えているところ、間違った考え方をしている部分があればそれを修正したい。
本来それが「どうしてそう思ったの?」という質問の意図なわけです。
「分かんないからあてずっぽうで答えた」ならそれはそれでいいわけです。
しかし、生徒の側は、「どうしてそう思ったの?」と聞かれた時点で、「あ、これ違うんだ」と思って、正解を答えなきゃ、答えを変えなきゃ、という思考になってしまっているわけですよね。
もしかすると、「間違ったら叱られる」と思っているのかも知れないし、「どうしてそう思ったの?」という聞き方がちょっとトゲトゲしくて、先生がイライラしていると読み取ってしまっているのかも知れない。
だとしたら、きちんと
「その答えは間違っているけれど、勉強はそもそも「何で間違ったか」を見つける為にすることなので、間違っているのは全然悪いことじゃない」
「けれど、どうして間違ったのか、分かっていない部分はどこか、ということを確認しないとそれを直せないから、どうして間違ったのかだけちゃんと教えて欲しい」
という、自分の質問の意図を説明してあげないといけないですよね。
それが伝わっていないと、上記リンクのようなディスコミニュケーションが発生してしまうわけです。
で、偉そうに言っている私もその点は全く同じであって、「質問の意図」をきちんと説明出来ていなかったなあ、と。
自分では「全部言葉にしよう」と言っている癖に、自分自身がそれを出来ていなかったなあ、と。
それによって、長女に「正直に答えると叱られるかも知れない」という誤解を与えてしまっていたとしたら、それは反省して修正しないといけないなあ、とつくづく思った次第なのです。反省。
言葉にするの、本当に大事ですよね。
しかも、自分ではちゃんと言葉にしているつもりでも、案外出来ていなかったり、あるいは全然言葉が足りなかったりする。
細かいところに気付いてくれるしんざき奥様には感謝しかないわけですが、今後もその辺は随時修正しつつ、子どもたちにも「言語化」を身に着けていって欲しいなあ、と考えるばかりなのです。
今日書きたいことはそれくらいです。
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【著者プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城
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Photo by Jac Alexandru