昔から、子どもと一緒に公園や児童館に遊びに行くのが大好きでして、子連れ公園やり込み勢だと自負しております。
半径3km内の公園についてはほぼ行き尽くしましたし、その内幾つかの公園については4桁近くの回数遊びにいっている筈です。
子どもたちお気に入りの公園をピックアップして、
「んーー、きょうはぐるぐる遊びしたい気分」
「じゃあ〇〇公園でぐるぐる回る遊具で遊ぼっか」
「今日はごっこ遊びがしたい!」
「じゃあ××公園のジャングルジムで宇宙船遊びしようか」
といった公園ソムリエとしての任務もこなしてきました。
元々私自身公園の遊具が大好きだということもあり、他に遊んでいる子がいない時など、大人げなく率先して遊具で遊び倒してきたわけです。大筋、大人が全力で遊んでいた方が、子どもも楽しんでくれるものです。
さすがに子どもたちも大きくなってきたのと、コロナの何やかやでここ1,2年はあんまり行けてないんですが、長女次女については今でもたまーに一緒に公園に行くことがあります。
遊びにいくと暗くなるまで帰りたがらないので、毎度連れて帰るのが大変です。
早く本邦の状況も落ち着いて、また子どもたちと一緒に公園できゃっきゃ遊びたいなーと思うところ大なわけです。
ところで先日、「育児の様々の場面からの男性の排除」というテーマが話題になっていたのを観測しました。
発端はヨッピーさんのこちらのツイートだったのでしょうか。
僕、「よーし、育児ゴリゴリやるぞ~!」ってな意気込みだったんですけど、育児教室の先生や助産師さんがみんな「ママが~」「ママは~」ってママ主体で話をするし、男性が参加出来ないものもたくさんあったりするので、僕自身は別に気にしないけどあれで心が折れる父親もいると思うから改善して欲しい
— ヨッピー (@yoppymodel) 2022年2月8日
これについては、恐らく人それぞれ見える景色も全く違えば置かれた環境も違うと思いますし、一般化出来る話でもないのですが、「そういえば」と思った点もあったので、ちょっと個人的な体験と心象について書いておきたいと思います。
特に斬新な結論には着地しないのでご承知おきください。
上述したように、数年前まで、私は子どもたちを連れて公園に遊びに行く頻度が非常に高かったのですが、その際5,6回に1回くらいの頻度で、「知らないお婆ちゃんに話しかけられる」というイベントが発生することがありました。
大体、私が一通り子どもたちと遊んで、ベンチで休憩しているタイミングでのことでした。
当たり前ですが、話しかけてくるお婆ちゃんは毎回違う人です。
なのに、その際の話題の進み方が、毎回毎回ほぼ判を押したように同じだったので、途中から会話のパターンが予測できるようになってしまいました。
多少のバリエーションこそあれ、大筋の流れはこんな感じでした。
・無難な世間話
・連れていった子どもについての軽いやりとり(あの子お姉ちゃん?え、双子ちゃんなの?そうなんだ、あんまり似てないわねえ、など)
・父親なのに公園に連れてきていることについての褒め言葉
この時、3番目の「褒め言葉」が、当時から居心地悪いなーと思っていまして。
つまり、「お父さんなのにちゃんと子どもの相手してえらいわねえ」「お母さん休ませてあげてるの?大変ねえ」的な言葉を頂くことが、当時大変多かったのですよ。
時として、「なに、お母さんは連れてきてくれないの?」「お母さんもいた方がいいでしょうにねえ」的な、妻がいないことを責めるようなニュアンスの言葉が混じることもありました。
確かに、当時は専業主婦だった妻が、日中一人の時間がとりにくかったことは事実でしょう。
その為、私が子どもを連れて公園に来ることで、妻が一人の時間を確保できることも確かであって、それは結構なことです。
ただ、私自身はごくごく単純に「子どもと公園で遊ぶのが楽しいから」公園に来ているのであって、別に妻を休ませる為に来ているわけでも、育児参加だと気合を入れて来ているわけでもない。
主要な目的は自分の娯楽です。つまり褒められるようなことをしているわけではなく、まして私の楽しみで妻が責められるようないわれなど、本来どこにもないわけです。
大体「お父さんなのに」ってなんだよ、公園に連れてくるのは別に母親専門の仕事じゃねえだろ、と。
むしろ体力勝負で言えば父親が連れてきた方がいいまであるだろ、と。
そんなわけで、そういう「褒め言葉」には閉口することが多く、とはいえまあ善意で言ってくれているのだろうとも思いましたので、適当に流すことがもっぱらだったわけです。
***
ところでしんざきは近所の町内会というものに所属しておりまして、もう40過ぎなのに町内会では若手の部類です。
町内会の「青年団」の平均年齢が50をだいぶ越えてまして、「これのどこが青年団なんだ……?」と疑問を持ったりもしています。
で、ある時、その町内会の知り合いの年配女性に、上のような話をしてみたんですよ。
「ちょくちょくこんな感じで褒めて頂くんですけど、なんですかねえ」と。
で、その女性、あっさりとこうおっしゃるわけです。
「ああ、それ、見ない男の人ってことで警戒されてたのかも。私も、「この人大丈夫かなー」って人には声かけすることあるし」と。
「ええええええ!?」となりまして。
元々私、鈍感でもありますし察しも悪いので、正直上記のような声かけが、「見知らぬ男への警戒」だとは全く気付かなかったんですよ。
ただ、確かに上記の会話のパターンって、よくよく考えてみると「身元確認」及び「それに対するフォロー」なんですよね。
まず、世間話によって相手のコミニュケーションのスタンスを確認する。
で、「今さっきこの男が遊んでいたのは、本当にこの男の子どもなのか」ということを確認する。
その上で、褒め言葉によって「気を悪くしないでね、偉いと思ってるんだからね」とフォローしている。
場合によってはその勢いで妻を批判して、相手の溜飲を下げる。
正直言って、私はあまり身なりを気にする方ではないので、公園に行くときなど部屋着に毛が生えた程度の服装であることが多く、客観的に考えれば「怪しい見知らぬ成人男性」以外の何者でもありません(特に夏場から秋にかけてはほぼタンクトップであることも影響したかも知れません)。
一方、いつも通っていた公園でそういった声掛けをされることはそれ程なく、確かに「あまり普段はいかない公園」で遭遇するケースの方が多かったような気もします。
なるほど、「こいつは父親の振りをして紛れ込んでいる不審者ではないのか」という疑いをもたれたとしても、それ程不思議なことではありません。
そして、これは恐らく、私が女性なら起きなかったことでもあるでしょう。
そういう意味では、私もある種の「男性に対する排除」に晒されていたのかも知れない、とは思わないでもありません。
***
とはいえ、上記のようなエピソードを下敷きにした上でも、「社会自体が男性を育児から拒絶している」とは決して思わないんですよ。
まず、個人的なレベルで言うと、上記のような「声かけ」が行われたのが、ほぼ「ご高齢の女性」に限られていたこと。
恐らくはもう育児を終えられている方々ばかりで、しかもある程度昔からの育児観を保持しているだろう方々だと考えると、むしろ「現役で育児をしている人たちは、成人男性が子連れで公園にいてもそれ程違和感を抱かない」という観方も出来ます。
ここ10年くらいのスパンでも、「おひとりで子どもを公園に連れてくるお父さん」というのを目撃する機会はどんどん増えている実感がありますし、時にはそういう方々と世間話をすることもあります。
「パパの為の育児教室」というようなイベントもちょくちょく見かけるようになっており、時にはそういうイベントにお呼ばれしてなにがしかお話をすることもあります。
卑近な例で言うと、以前は「何で女子トイレにしかオムツ換えスペースがないねん……」などという状況に突き当たって困り果てる、なんてこともあったんですが、それもある程度古い建物ばかりの話で、ここ10年程で経った建物で多目的トイレを見ないことなどほぼありません。
飽くまで社会全体の流れとしては、「男性の育児参加」ってどんどん一般的になってきているし、それを許容する流れも出来ている、あるいは出来つつあると思うんですよね。
時には「育児は女性の仕事」的な旧来の価値観に突き当たることもあるとはいえ、まあ適当に受け流しながら、あまり深刻に受け取らずに育児にまい進出来る程度の頻度かな、と。
つまり、「個人レベルでは「やりにくいなあ」と感じることも時にはあるけれど、まあそれはそれで無難に流しながら目いっぱい育児をしましょう」というのが私のスタンスであって、それについては育児を14年やってきた現在でも保持出来ている、と、そういう話なのです。
同じパパとして育児に励まれている皆様には、もちろん共感を抱くところ大ですし、「色々大変ですが、お互いめげずに頑張りましょう」と思うばかりなのです。
今日書きたいことはそれくらいです。
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【著者プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城
Photo by Wei Chang