世間の空気に不穏さを感じ始めたのは、一体いつの頃からだったろう。
ただ、
「その辺に居るごく普通の主婦たちが、キラキラ起業やスピリチュアルにかまけて散財していられるうちは、世の中が平和で豊かな証拠だ。それどころではなくなる方がよっぽど怖い」
と、ずっと前から思っていた。
キラキラに憧れたり、スピリチュアルに踊らされたりしている女たちの姿は、真っ当な社会生活を営んでいる者の目には滑稽に映る。
だからこそ、近頃キラキラ女子やスピリチュアル女子はいくつものWeb漫画のネタにされ、散々にいじり倒されているのだろう。
それを見て笑っていられるのも、まだ平和な証拠だと言えるだろうか。
キラキラ起業とスピリチュアルビジネスは、お手軽でインチキなところがよく似ている。
SNSやブログに加工した自撮りと粉飾した日常を乗せて、「輝いている私」を装いキラキラ自慢。
「朝活」「ランチ会」「お茶会」などの名目で、お洒落なカフェや高級ホテルのラウンジに寄るとさわると集まって、朝っぱらから安いシャンパンで乾杯したり、美味しくないけど映えるアフタヌーンティーセットを囲んで人脈作り。
「優雅で充実した暮らしを送っている素敵な私」を演出する為には、毎月かなりのコストがかかる。
ビジネスの極意を教えてくださる先生方のご指導代(セミナーやセッション)は高額だし、売れっ子になるためには見た目が大事だから、美容院やエステに行かなきゃならないし、マツエクをつけてネイルにもこだわった方がいいし、コンサバティブなワンピースとエレガントなハイヒールはマストアイテム。
それらにかかる経費は全て自分への投資。お金は循環させるもの。
払えば払うほど大きくなって、自分に返ってくるようになる。
自分も仲間もみんな自称:起業家だけれど、実力、実績、実態が無い人ばかり。
だけど、そんなものは無くたってちっとも構わない。
中身がなくても上辺を取り繕って、何となく稼いでいそうな雰囲気を出してれば、そのうちファンがついて、大金を払って商品や商材を購入してくれる。
それが「稼いだ」実績となって、それまで嘘だったことも本当のことに化けていく。
インチキや詐欺なんかじゃない。これが新しい時代の新しい働き方なのだ。
だって、先にそういう働き方を始めた先生や先輩たちがそう言うのだから、そうに決まっている。
その証拠に、彼女たちはこの手法で実際に成功して、眩しいほどキラキラ輝いているじゃない。
成功のコツは、素直になって、言われたことを鵜呑みにすること。
先生方の言うことをよく聞いて、先輩たちの真似をしていれば、自分も新しい生き方をする新しい人間になれる。
キラキラしている人たちの仲間入りをして、思い通りの人生が歩めるようになる。
以上が、キラキラ起業女子やスピリチュアル女子たちの思考回路だ。
キラキラ起業やスピリチュアルビジネスには、
・世間知らずで
・承認欲求が強くて
・何の才能もスキルもなくて
・そのくせ地道な努力を嫌い
・手っ取り早くお金が欲しい
女たちの夢がこれでもかというほど詰まっている。
夢中になるのは必ずしも主婦とは限らない。
若い独身女性もいれば、稀に男性が混ざっていることもあるけれど、メインターゲットとなるのはやはり子持ちの主婦たちだ。
何故なら、彼女たちには自由と稼ぎがないのだから。
子持ちの主婦は不自由だからこそ自由を夢見て、ろくに収入がないからこそ大きく稼ぎたがる。
誰に褒められることもなく無償労働(家事育児)に明け暮れていれば、承認欲求が高まるのは人情だろう。
キラキラ起業に踊った主婦たちの「何者かになりたい」という焦りは、今思えば牧歌的な時代の贅沢な悩みだったのではないだろうか。
自分には居場所がないとか自分は何者でもないとか、そんなアイデンティティクライシスは、差し迫った危険や危機のない時代の病理である。
一部の恵まれたエリートや、生きていくことのリアルにまだ直面していない学生ならばともかく、その辺にいるごく普通の主婦たちが「自分の強み」だの「魂の使命」だのについて延々と思いを巡らせていたのだから、これを平和ボケと言わずして何というのだろうか。
しかし、世情が変わり、自分たちの生活が脅かされるようになってくると、何者にもなれない焦りなどはどうでもよくなる。
そんな事より日常を守る事が大事だからだ。
これから現実の環境が厳しさを増せば増すほど、女たちは腹をくくり、日々の暮らしに必死になるだろう。
そうなればもう、浮ついたキラキラ虚業家やスピリチュアル詐欺師がつけ込む隙は無い。
だからなのか、主婦を相手にしたインチキな商売も、近頃では随分下火になった。
ただ、普通の主婦たちが詐欺師に騙されにくくなったからといって、キラキラ起業やスピリチュアルビジネスが消えた訳ではない。
かつてキラキラ起業やスピリチュアル界隈で破竹の勢いがあったインフルエンサーたちは、今も結構元気そうだ。
だが彼女たちの活動を追いかけてみると、以前より集客と集金に苦労している様子が見受けられる。
コロナの影響も大きいのだろうが、開催するイベントの規模が以前に比べて格段に小さくなり、セミナーは少人数制で、その分単価がとんでもなく高くなっている。
あるインフルエンサーの「お金の神様に愛されて、豊かさを受け取れるようになるセミナー」は、8年前は5万円〜10万円の価格帯だったのが、現在はオンライン講座で90万円。対面セッション付きの講座だと150万円だ。
課金してくれるファンが減っているのに華やかな生活と収入を維持しようとすれば、当然一人当たりのファン(カモ)から徴収(搾取)する金額を上げせざるを得ないのだが、ここまで来るともう普通の主婦に払える額ではない。
初期に比べて一桁から二桁も価格が上がっている講座やイベントの代金を払えるのは、この程度の出費など痛くも痒くもない資産家か、とんでもない破滅型のバカかのどちらかだ。
後者の場合、いずれ多額の借金を抱えて破滅するのは火を見るより明らかなのだが、ここまで救いようのないバカは一般の人にとって身近ではない為、もはや同情も救済もされなくなりつつある。
今後どんなに悲惨な末路を迎えたとしても、自己責任として見捨てられていくのだろう。
単価を釣り上げた界隈のインフルエンサーたちは、このさき顧客が減って自滅するのを待つばかりとなっている。
現時点ではまだコアなファンたちに支えられているけれど、このままではファンの財布も長くは持ちこたえられそうにない。商品と商材の価格を上げ過ぎたせいだ。
では、もっと多くの人が購入しやすくなる価格まで下げればいいのかというと、そう単純な話でもない。
この手の商材は値段が下がると洗脳効果が激減してしまうのである。
人間の基本的な心理として、何かを得るために払ったコストが大きければ大きいほど、間違いを認められなくなる。
まるで中身のないセミナーを受講して、大いに期待外れだったとしても、このために大金を費やしたと思うと、無理やりにでも価値を見出して元を取ろうとするものだ。
しかし、受講料が下がればそうした思い込みの力が弱くなるため、騙されたと不満が出やすくなるのである。
つまり、高額商材の売れ行きが鈍くなったからと言って、むやみに価格を下げると墓穴を掘ることになる。
高値ではこれ以上売れないのに、安く売る事も出来なくなれば、身動きが取れなくなってオワコンになる。
かつて隆盛を誇ったキラキラ系やスピリチュアル系インフルエンサーたちがオワコン化するまでには今一歩という状況だが、「女性として輝きながら簡単に稼げる」を提唱する情報商材ビジネスや、神秘を都合よく利用した荒唐無稽なスピリチュアルビジネスは、これからも人を変え形を変えながら残っていくだろう。
不安に寄り添うふりをして不安に付け込む商売が撲滅されることは、残念ながら決してない。
何が不安の種になるのかはその時々の世情によって変わるけれど、不安そのものが人の心から消えることはないのだから。
これからも一部の女たちは踊り続ける。それを見て私たちは笑い続ける。
キラキラ起業や欲望追求型のスピリチュアルが全盛期の頃、
「あんなバカげたものが流行るなんて世も末だ」
と多くの人が思ったことだろう。
けれど、踊り子が一人もいなくなり、誰も笑えなくなった時こそが、本当に世も末なのだ。
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奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
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(2026/01/19更新)
【著者プロフィール】
マダムユキ
最高月間PV40万のブログ「Flat 9 〜マダムユキの部屋」管理人。
Twitter:@CrimsonSepia
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