「わかりにくい」デザインのものが、街を見渡すと結構あります。

そして、その中でも特に「カッコいいのに、わかりにくい」デザインについて、『デザインの敗北』というインターネットミームで表現されることがあります。

 

この言葉は「セブンイレブンのコーヒーマシン」の操作が分かりにくく、マシンに説明のシールがベタベタ貼られていたことから、広く知られるようになりました。(現在は改善されているようです)

これは、カッコいいことと、使いやすいことは全くべつの概念であることを、我々に教えてくれます。

 

また、さまざまな顧客が訪れ、時間をかけずに購入するコンビニエンスストアで、そのデザインはあっていたのか、という事も議論になりました。

 

なぜ、デザインは敗北するのか

しかし、不思議なことに、こうした数々の「デザインの敗北」は、デザインのプロ中のプロである、著名なデザイナーが関わっていても発生するのです。

でも一体なぜ、こんな事が起きてしまうのでしょう。

 

その大きな理由の一つに、デザインへの誤解があります。

デザインとは「カッコよくすること」だと思っている方が、デザイナーにも依頼者にも、相当数、存在しているのです。

 

実際、デザイナーに依頼する際、指示書のみ丸投げで「とりあえず、カッコよく!あとはよろしく!」と丸投げするケースも少なくありません。

その結果として「一見カッコよさそうだけど使いにくいデザイン」が生まれやすいのです。

 

デザインとは本来、「目的」を達成するための「手段」

東京都中小企業振興公社でデザイン相談員も務める、ポロロンデザイン事務所代表の廣田氏は

『デザインとは「色や形」を整えたり「カッコよく」したりすることではなく、「目的」を達成するための「手段」

だと述べています。

 

ですから、「よいデザイン」に触れた人は、

「パッと見て、スッとわかって、キリっと動ける」

 

例えば、ファミリーマートのコーヒーメーカーは、セブンイレブンの事例と対照的です。

廣田氏はこのデザインについて、「コーヒーをスムーズに入れるという機能面の目的を達成している。」と述べ、「この機械を使う際のポジティブな演出をプラスするともっと素敵になる。セブンイレブンのコーヒーメーカーは演出を優先し機能面が控えめになりすぎたのだろう。」と分析しています。

 

また、無印良品の製品デザインも、評判が良いようです。

こちらも、「目的」を達成するという目線から見ると

・「これがいい」ではなく「これでいい」というコンセプトの基、ユーザー視点で考えぬかれている

・パッと中身から目に入るようになっており、どこに何が書いてあるかも統一されているので見やすい

パッケージの改良があったとしても基本コンセプトは変更せず少しずつ変更しているため、ブランド認知のやり直しにならず「あ、無印の商品」となる

・店頭で選びやすく、家にあっても素敵というのはすごい

と、高いデザイン性を実現しています。

 

ですから、無印良品のデザインは、パッと見て、ローソンPBと似ているようにも感じますが、実は似て非なるもの、むしろ対照的なのです。

 

要は、ユーザーが

「どうイメージするか」

「どう行動すればいいか」

を、説明抜きに直感的に「わかる」ことで、人の役に立つ。

それが、デザインの本来の姿です。

 

デザイナーへのうまい依頼の方法

したがって、「目的」を達成できるデザインにするためには、以下の2点を押さえなければなりません。

 

1.事前資料で、会社のできることよりユーザーのこと

・誰が使うのか?

・どこで使うのか?

・何をさせたいのか?

・何がメリットか?

・どう感じてほしいのか?

など

を箇条書きで用意する

 

2.デザイナーがイメージでき、腹落ちするよう、デザイナーに直接ヒアリングをさせる(※詳細は、ページ下部のダウンロード資料からご覧ください。)

 

目的を達成できるデザインになれば申し込みや長期的な売り上げにも結果が出てきます。

 

デザインは問題解決の領域に広がっている

海外のデザインファームなどでは、近年、目的を達成するための手段であるデザインの手法を基に、「問題解決」を要求されることが増えました*1

医療機関からは組織の再編の依頼を受けていたし、創業一〇〇年のメーカーからは顧客をより深く理解するためのアドバイスを求められていた。とある一流大学からは、学習環境の転換を求められていた。

デザインファームであるIDEO会長のティム・ブラウンは、「デザイナーの仕事は、ピーター・ドラッカーの見事な表現を借りれば、「ニーズを需要に変える」ことだ。」と述べています。

 

実際、バンク・オブ・アメリカ、スターバックス、ナイキ、Oral B、ソニー、良品計画、そして先述したAppleなど、世界の名だたる企業が、デザインを競争力の源泉であると捉え、リソースを割いています。

 

さらに「デザイン」の価値が高まる現在、企業幹部たちは「デザイン」の本質を理解し、つかいこなすことを求められているのかもしれません。

 

 

本記事は「パッと見てわかるデザインへ」をコンセプトに経営を支援する『ポロロンデザイン事務所』のスポンサード記事です。

デザインで問題解決をする方法を基に『ブランディングや新製品企画』などの上流工程から企業を支援しており、2023年5月から新製品の企画コンセプトを支援する『新製品コンセプトデザインコンサルティング』というサービスを開始しました。

 

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【著者プロフィール】

安達裕哉

元Deloitteコンサルタント/現ビジネスメディアBooks&Apps管理人/オウンドメディア支援のティネクト創業者/ 能力、企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働、格差について。

◯Twitter:安達裕哉

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◯有料noteでメディア運営・ライティングノウハウ発信中(webライターとメディア運営者の実践的教科書

image:Tim Mossholder

 

 

【参考文献】

・デザイン経営 鷲田祐一 有斐閣

・UXデザイン図鑑 荻原昂彦 Bow Books

・銀行とデザイン 金澤洋 インプレス

・動機のデザイン 由井真波 株式会社ビー・エヌ・エヌ

・デザイン思考が世界を変える ティム・ブラウン 早川書房