ちょっと前に、Twitterで「すぐ否定から入る人」の話が盛り上がっていた。
ある教授の話
学生 「面接がうまくいきません。どうしたらいいですか?」
教授 「君にやって欲しいことがある。君は人から『晴れてるね』と言われたら『雨の日もあります!』とすぐ返すでしょ。その前に『そうですね』と言ってくれないか。」
学生 「…それは無理です!」
— やるやん (@IPA_law) November 4, 2023
彼らはいったい何を考えているのだろうか。
実は、「正しいことを言いたい」と思っているのではない。
一言で言うと、
「取られてもいないマウントを、勝手に想像して反発しているだけ」と言える。
話の中身はどうでもいいのだ。
*
例えば、昔こんなことがあった。
新規営業の獲得数が累計10社になった新人を、チームのリーダーが祝福した。
「このスピードで10社は素晴らしい」と。
すると、同じチームの先輩が祝福するのかと思いきや、
「まあ、あのエリアは簡単だから。これからはそんなに甘くないよ。」
と言った。
私は「ん?」と思った。
エリアがカンタンとか、そんなことは別に誰も聞いていない。
新人なのだし、実際に頑張ったのだから、素直に祝福してあげればいいはずだ。
そう、この先輩は単に
「お前は大したことない」
「そんなにすごいことでもない」
と言いたかっただけだ。
世の中には、何か言われるたびに、あるいは勝手に想像の中で
「マウントを取られた!むかつく!なんか言ったれ!」
と勝手に負のスパイラルに陥る人が、死ぬほどたくさんいる。
彼らは気にくわない「権威」「業績」「忠告」に対してはもちろん、「提案」や「おすすめ」、時には「優しいことば」すら、「マウントを取られた」と思い込むため、「そうですね」が決して言えない。
コンサルタントをやっているときにも
「コンサルタントを雇っているのに、とにかく、アドバイスされたくない人」
を大勢見たが、全く同じだ。
*
こういう人の言動は、非常に特徴的だ。
例えば、ネットのマンション掲示板に次のようなスレッドが建てられた。
若くしてお金持ちになった人の話のようで、
「2億の物件を買った人の収入構造と感想を教えてくれ」
とのことだ。

もちろん、釣りやネタかもしれない。
が、書き方はニュートラルで、別に煽っている感じはしない。
(これを煽りと感じたら、「否定から入る人」の気がある)
しかし、諸兄のご想像の通り、このスレッドには「とにかく、なんか反発したい」人が群がった。
「釣り」だったとしたら、狙い通りだ。
とりあえず「2億の物件は大したことない」と言いたい人。

「身の丈に合ったことをしろ」と説教する人。

これこそまさに、「取られてもいないマウントを、勝手に想像してしまっている」状態であり、会社でも、こういうシーンには事欠かない。
もちろん、「こんなところで相談するのは自慢したいからだろ」と言う人もいるだろう。
まあそうかもしれない。
が、それなら黙って去ればいいだけだ。
だが、「そうですね」が言えない人は、それができない。
何とか反論をひねくりだしたり、「大したことない」と言ってみたり、しまいには「配慮が足りない」と言い出す。
本質的には、例えば「タワマン住民の不幸」などの記事を嬉々として読む人々は、こういう性向がある。
「タワマンに住むようなやつは不幸であって欲しい、そいつらに何か言いたい!」
という願いが具現化したのが、ああいう記事なのだ。
*
と、いろいろと書いたが、すぐに否定から入る人の気持ちは、わからなくもない。
上昇志向が強くて、なかなか結果が出ない時には、そういう気持ちになるのも仕方がないと思う。
誰かが褒められるだけで、自分が貶められているように感じる時もあるだろう。
それはとても人間的な感情だ。
ただ。
つまらない反論をしても敵を増やすだけだし何にもならない。
そしてなにより、「すぐ否定から入る人」は、すぐに誰からも必要とされなくなってしまう。
それが「人間的な弱さ」の象徴だとみなされてしまうからだ。
反発するなとか、プライドを捨てろ、強い人になれ、とか、そのような必要は全くない。
ただ一言「そうですね」というか、余計なことを言わず、黙っていればいいだけだ。
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(2026/3/10更新)
【著者プロフィール】
安達裕哉
元Deloitteコンサルタント/現ビジネスメディアBooks&Apps管理人/オウンドメディア支援のティネクト創業者/ 能力、企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働、格差について。
◯Twitter:安達裕哉
◯Facebook:安達裕哉
◯有料noteでメディア運営・ライティングノウハウ発信中(webライターとメディア運営者の実践的教科書)














