ちょっと前に、Twitterで「すぐ否定から入る人」の話が盛り上がっていた。

 

彼らはいったい何を考えているのだろうか。

実は、「正しいことを言いたい」と思っているのではない

 

一言で言うと、

取られてもいないマウントを、勝手に想像して反発しているだけ」と言える。

話の中身はどうでもいいのだ。

 

 

例えば、昔こんなことがあった。

 

新規営業の獲得数が累計10社になった新人を、チームのリーダーが祝福した。

「このスピードで10社は素晴らしい」と。

 

すると、同じチームの先輩が祝福するのかと思いきや、

「まあ、あのエリアは簡単だから。これからはそんなに甘くないよ。」

と言った。

 

私は「ん?」と思った。

エリアがカンタンとか、そんなことは別に誰も聞いていない。

新人なのだし、実際に頑張ったのだから、素直に祝福してあげればいいはずだ。

 

そう、この先輩は単に

「お前は大したことない」

「そんなにすごいことでもない」

と言いたかっただけだ。

 

世の中には、何か言われるたびに、あるいは勝手に想像の中で

「マウントを取られた!むかつく!なんか言ったれ!」

と勝手に負のスパイラルに陥る人が、死ぬほどたくさんいる。

 

彼らは気にくわない「権威」「業績」「忠告」に対してはもちろん、「提案」や「おすすめ」、時には「優しいことば」すら、「マウントを取られた」と思い込むため、「そうですね」が決して言えない。

 

コンサルタントをやっているときにも

「コンサルタントを雇っているのに、とにかく、アドバイスされたくない人」

を大勢見たが、全く同じだ。

 

 

こういう人の言動は、非常に特徴的だ。

 

例えば、ネットのマンション掲示板に次のようなスレッドが建てられた。

 

若くしてお金持ちになった人の話のようで、

「2億の物件を買った人の収入構造と感想を教えてくれ」

とのことだ。

もちろん、釣りやネタかもしれない。

が、書き方はニュートラルで、別に煽っている感じはしない。

(これを煽りと感じたら、「否定から入る人」の気がある)

 

しかし、諸兄のご想像の通り、このスレッドには「とにかく、なんか反発したい」人が群がった。

「釣り」だったとしたら、狙い通りだ。

 

とりあえず「2億の物件は大したことない」と言いたい人。

 

「身の丈に合ったことをしろ」と説教する人。

これこそまさに、「取られてもいないマウントを、勝手に想像してしまっている」状態であり、会社でも、こういうシーンには事欠かない。

 

もちろん、「こんなところで相談するのは自慢したいからだろ」と言う人もいるだろう。

まあそうかもしれない。

 

が、それなら黙って去ればいいだけだ。

 

だが、「そうですね」が言えない人は、それができない。

何とか反論をひねくりだしたり、「大したことない」と言ってみたり、しまいには「配慮が足りない」と言い出す。

 

本質的には、例えば「タワマン住民の不幸」などの記事を嬉々として読む人々は、こういう性向がある。

「タワマンに住むようなやつは不幸であって欲しい、そいつらに何か言いたい!」

という願いが具現化したのが、ああいう記事なのだ。

 

 

と、いろいろと書いたが、すぐに否定から入る人の気持ちは、わからなくもない

 

上昇志向が強くて、なかなか結果が出ない時には、そういう気持ちになるのも仕方がないと思う。

誰かが褒められるだけで、自分が貶められているように感じる時もあるだろう。

それはとても人間的な感情だ。

 

ただ。

つまらない反論をしても敵を増やすだけだし何にもならない。

 

そしてなにより、「すぐ否定から入る人」は、すぐに誰からも必要とされなくなってしまう。

それが「人間的な弱さ」の象徴だとみなされてしまうからだ。

 

反発するなとか、プライドを捨てろ、強い人になれ、とか、そのような必要は全くない。

ただ一言「そうですね」というか、余計なことを言わず、黙っていればいいだけだ。

 

 

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(2026/4/7更新)

 

 

 

【著者プロフィール】

安達裕哉

元Deloitteコンサルタント/現ビジネスメディアBooks&Apps管理人/オウンドメディア支援のティネクト創業者/ 能力、企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働、格差について。

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