福沢諭吉の「学問のススメ」を読み直してみると、平成に生きる我々とかなり感覚が似ていると感じる。むしろ、ブログになっていてもおかしくない。
タイトルを隠して読んだら、「どっかのブロガーが書いたの?」と間違ってしまいそうな位だ。
しかも、思い切り尖っている。
孔子を「孔子様は自らが蒔いた種によりしっぺ返しをうけた」と、こき下ろし、赤穂浪士を「暴行集団」と呼び、役所を「お粗末な杓子定規アタマ」と、最高の釣り師としての認定を受けてもいいくらいだ。
(現代語訳 学問のススメ 三笠書房)
もちろんこのイメージは現代語訳のせいなのだろうが、原文を読んでも、まあ、妥当な翻訳である。
福沢諭吉センセイは、今であればアルファブロガー間違いなしだろう。
さて、その中で苦笑してしまったのは、今でも度々話題となる、「日本人の嫉妬深さ」についてだ。
同質性を求められること、多くの人が「中流」であることなどが嫉妬深さの原因などと語られる。
この際、本当に日本人が嫉妬深いのかどうかは追求しない。しかし、慶応義塾大学の創始者たる福沢諭吉は、「日本人は嫉妬深い」と言う。
”世の中で最大の悪は怨望である。怨望の源は自由の束縛にある。だから、言論は自由でなくてはならぬし、人の行動を妨げてはならない。
試みに英米と日本を比較したとしたら、人々の社会において、どちらが前述の大奥の有り様(怨望の渦巻く世界の意)に近いだろうか。英米ははるかに遠く、日本はまだこれに近いのではないか。”
そして、福沢諭吉は後にこう続ける。
”すなわち、現代日本はかつての大奥のようであってはならぬし、我が人民も御殿女中のようであってはならない。怨望や嫉妬を根絶し、自由な活動によって互いに競い合う勇気を奮い起こそう。
幸不幸、名誉と汚名など、いずれにせよ、それらが個人の努力の当然の結果であるようにしよう
そういう考えが背景にあると、私は理解する。”
現代日本を作り上げた人物の1人として、お札にも載るくらいのの有名人物であるが、なぜ彼がそう言われるのかが、「学問のススメ」によってよく分かる。
彼の考え方が、今の日本人の考え方の礎となっているからだ。
現代語訳 学問のすすめ (知的生きかた文庫)
- 福沢 諭吉,檜谷 昭彦
- 三笠書房
- 価格¥869(2025/06/05 10:03時点)
- 発売日2010/10/21
- 商品ランキング56,111位
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)