生成AIの先駆け、ChatGPTの2022年11月の登場から、2年弱が経ちました。

 

この間に、生成AIの性能は瞬く間に向上し、

最近では、「生成AIを使いこなしている人」にとっては、自らの仕事の代替がすっかり当たり前になりました。

私も例外にもれず、相当な数の執筆を生成AIに頼っています。

 

ところで約1年ほど前に、こんな記事を書きました。

「生成AIを仕事で使い倒す人たち」に取材して回ったら「自分の10年後の失業」が見えてしまった

そして、私は一つの確信を得ました。

それは、「私は間違いなく10年後、失業する」です。

今になって、私はようやく、上の記事が間違いであることに気づきました。

 

実際には、「私の作業が生成AIに代替されるまで、2年もあれば十分」だったからです。

 

生成AIの出力品質はどんどん上がっている

なぜそう言えるのか。

実は、少し前まで、生成AIは

・ハルシネーションを起こす(デタラメを書く)

・長文が苦手

・言い回しが冗長すぎる

という欠点があり、「実用には耐えない」という評価を受けることもありました。

 

しかし、最近の生成AIは性能が上がり、上の課題はほぼ解決されました。

すでに現時点で、生成AIは人間のライターに比べて、それほど遜色のない文章を書きます。

 

現場で使っている感覚としては、

「SEO記事」

「ランディングページ」

「チラシ」

「広告」

などに関して言えば、情報処理の速さや、正確性において、すでに人間を凌駕していると行っても良いくらいです。

 

例えば、少し前に「自宅でできる、日本茶の美味しい淹れ方」について記事を書くことがありました。

Googleで検索をすると、トップに出てくる記事がこれです。

 

では「自宅で楽しむ日本茶タイム!美味しい淹れ方のすべて」というタイトルで、生成AIに記事を書かせてみましょう。

いずれも有料の機能を用いて、10000文字程度の、長尺のコンテンツを書かせます。

 

それが、以下のコンテンツです。

1.ChatGPT GPT-4oで書いた記事(Googleドキュメントにコピーしたもの、プロンプトも含めた元ネタはこちら

2.Google Gemini Advancedで書いた記事(プロンプトを含む元ネタ

3.Claude3.5で書いた記事(プロンプトを含む元ネタ

 

いずれの記事も、Googleのトップに上がってくる記事にくらべて、コンテンツとして負けているようには感じないと思います。

これだけでも十分にすごいことです。

 

ただ、欠点もあります。

いずれの文章も、

箇条書きが多すぎて逆に読みづらい

・読者を引き込むストーリーがない

網羅性に難がある

という点が不完全であり、プロのライターからすれば、「まだ人間が勝っている」と思う方もいるでしょう。

 

しかし、これは「生成AI」の能力が低いのではありません。

生成AIに対する命令、つまり、プロンプトが悪いために、生成AIが十分な能力が発揮できていないだけなのです。

 

生成AIに長文でクオリティの高い文章を書かせるには

では、プロンプトを工夫し、生成AIに長文でクオリティの高い文章を書かせてみましょう。

 

ポイントは以下の6つです。

1.「記事の想定読者(ペルソナ)」を設定する

2.ペルソナを元に構成案をつくる

3.「煎茶の淹れ方」を参考情報としてAIに提供する

4.AIに、参考となる文章構成の学習データを与える

5.一気に全文を出力させるのではなく、1章ずつ出力させる

6.必要な部分だけ加筆させる

 

その結果、以下のような、別次元のクオリティの記事を書くことができます。

プロンプトを工夫した記事Automagicのスクリーンショット

プロンプトを多少工夫するだけで、生成AIの出力は大きく変わります。

 

なお、この記事の執筆には、ジョージアの「世界は誰かの仕事でできている」といったコピーで知られる、著名コピーライターである梅田悟司さんと私が組んだプロンプトを用いた、生成AIによるマーケティングコンテンツ制作ツール【Automagic】を使っています。

 

生成AIに単純に出力させた記事(下に再掲)と比べてみるとわかりますが、明らかに、生成AIに「書いてくれ」とだけ頼むのとは品質に置いて相当の違いがあります。

1.ChatGPT GPT-4oで書いた記事(Googleドキュメントにコピーしたもの、プロンプトも含めた元ネタはこちら

2.Google Gemini Advancedで書いた記事(プロンプトを含む元ネタ

3.Claude3.5で書いた記事(プロンプトを含む元ネタ

 

Automagicは無料で試用ができますので、記事を書かせたり、キャッチコピーを考えさせたり、マーケティングの実務をやっている方は試していただくと良いと思います。

 

今後、生成AIの利用はどこまで進むか

上でも書きましたが、ChatGPTの登場以来、相当な数の執筆に生成AIを利用しています。

例えば、三菱UFJ銀行さんのメディアに向けての、お金にまつわる記事です。

安達裕哉の記事一覧

これらの記事は、上でご紹介したAutomagicによって、構成から執筆までかなりのアシストが入っています。

 

これは、

・自分の過去に書いた記事

・自分の見解

・webで調べた材料(wikiの文章など)

・時事ニュース

などを放り込むだけで、それらの内容を反映した構成を自動で作ってくれます。

ですから、生成AIで執筆をしたとしても、「オリジナリティ」を損なわずに、執筆が可能になったからです。

 

この「生成AI」と「人間」の協働がカンタンになった分野から、どんどんAIによる作業の代替は進むでしょう。

 

しかも「プロンプト」も、専門家が書けばよいので、利用者はプロンプトの存在を知らずに生成AIを使うことになりそうです。

5年後には「プロンプト?そんなものもあったよね」くらいになっても全く違和感はありません。

 

以下のセミナーでAutomagicの開発秘話などを話しますので、ご興味ある方はぜひご参加ください。

【お知らせ】
ティネクトが開発した生成AIによるマーケティング自動化支援ツール「AUTOMAGIC」(登録無料)のご案内です。

AUTOMAGICは、webブラウザ上で商品情報を入力するだけで、

・ターゲット分析
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を自動で出力します。

登録すると月間40,000トークン(約2記事程度)までは無料でご利用できます。

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【著者プロフィール】

安達裕哉

生成AI活用支援のワークワンダースCEO(https://workwonders.jp)|元Deloitteのコンサルタント|オウンドメディア支援のティネクト代表(http://tinect.jp)|著書「頭のいい人が話す前に考えていること」65万部(https://amzn.to/49Tivyi)|

◯Twitter:安達裕哉

◯Facebook:安達裕哉

◯note:(生成AI時代の「ライターとマーケティング」の、実践的教科書

Photo:Ben Wicks