気が合わないなあ、と思う方、身近にいますか。
もちろん、「いない」という人の方が珍しいと思います。
そういう相手との付き合い、本当に気が重いですよね。
観察していると、大人だけではなく、子供たちにもそういう相手がいるようで、
「あの子とはもう遊びたくない」とか
「イヤなことを言われた」とか
要するに、人間関係というのは、どこへ行っても悩みの種のようです。
でも、難しいのはそういう「イヤな相手」にどう対処するかです。。
ネット上だったら、ブロックしておしまい。
それでいいのですが、リアルで付き合いのある相手だと、「ブロックしておしまい」というわけにいかない時もあります。
イヤな相手との付き合いは、時に健康にも大きなダメージがあります。
何とかしたい。
今回はこれについて書いてみたいと思います。
「イヤな相手」の本質は
そもそも「イヤな相手」を、なぜイヤだと思うのでしょうか。
その本質は非常に単純です。
「その人と付き合うメリット」から、「デメリット」を差し引いた結果が、マイナスの人物だからです。
付き合うメリットより、デメリットの方が大きい人、いますよね。それが「イヤなやつ」です。
例えば、会社員であれば、直接的には社長や上司から金をもらっているようなもの。
給与という金銭は、彼らと付き合うメリットです。
が、それを加味しても、
悪口を言ってくる。
バカにする。
こちらを搾取しようとする。
高圧的である。
であれば、トータルとしてマイナスの付き合いである、という事はあり得るわけです。
ただ、「もっと大きなマイナスが嫌だ」から、現状に我慢しているだけ。
人間は社会的な生きもの、と言われます。
ネットワーク科学者のニコラス・クリスタキスは著作の中で
「状況に最も適合した社会的ネットワークを持つチームが勝者となる。」
と述べていますが、それは「一匹狼として生きる」よりも、「人付き合い」から得るものが大きな生き物だからです。
しかし、つながりから得るデメリットが、メリットを上回ってしまえば、本末転倒です。
その場合、人付き合いは、むしろ失うものの方が多い。
ですから、俗にいう「ぼっち」は、その人自身の有する人的ネットワークから、メリットを得ることができない人々を指すと言っても良いでしょう。
どうしたら「人付き合い」が楽になるか
ただ、上で述べたように、ネットはブロックしておしまい、でよいですが、リアルでは人間関係のデメリットの方が大きいからと言って、人付き合いを早々に切ることはできません。
「さらに大きなマイナス」があり得ますからね。
つまり、まず考えるべきは、自分の有する人間関係のデメリットどう減らすかです。
一体どうすればいいのか。
ここで一つの考え方があります。
人的ネットワークは、持てば持つほど、その一つ一つのネットワークの相対的な価値は下がるのです。
「会社で嫌なことがあったけど、仲のいい友達と話したら忘れちゃったよ」
「学校の友達は気が合わないけど、塾の友達とはすごい楽しい」
というやつです。
だから、「人間関係」に悩んだら、他にメリットのある人間関係を数多く作ればよいのです。
そうすれば「デメリットの大きい関係」の相対的な価値が下がる。
ストレスのかかる、デメリットの大きな人付き合いをしなければならないとしても、他の人間関係を作って、その重要度を下げてやればいいのです。
わずかな人間関係を絶対視してはいけないですし、依存してもいけません。
「まあ、他にも知人友人がいるし、こいつとの人間関係はこの程度でいいよ。」
と思えることが重要です。
コンサルタントは
「仕事がきついほど、飲み会を増やす」
という人がたくさんいました。
これは日常のストレスフルな人間関係を、他の人間関係で希釈しようという動きです。
もちろん、正面から向き合うべき人間関係もあります。
例えば「妻との関係が悪くなったので、他のネットワークを作って妻との関係の相対的価値を下げる」
といった行為は、より問題を大きくしますから。
ただ、「気が合わない相手との付き合い方」を突き詰めると、正面からその人と向き合うのはあまり得策ではありません。
むしろ「そいつ以外との人的ネットワークを増やす」に尽きます。
人付き合いに余裕が持てます。
仕事でも別の機会を見つけることができるかもしれません。
別の気の合う友人と巡り合うかもしれません。
「大した悩みでもなかった」と思えるかもしれません。
もし子供が学校の人間関係で悩んでいるようなら、親が学校以外の人間関係を与えてあげてください。
塾や習い事などは、「学校の人間関係の価値」を下げてくれます。
「自分がイヤなやつ」になっていないか
ただし、これには注意点もあります。
「実は、自分自身がイヤなやつだった」という場合です。
「フリーライダー」、つまり相手の善意にただ乗りしている場合。
人間関係からメリットを得ているのが自分だけの場合。
相手を良い気分にさせていない場合。
こういうケースは、自分では気づきにくいです。
が、相手からすれば「あなたとの関係こそ、切るべき関係だった」という事が往々にしてあります。
悲しいですね。
客観的に自分を見ることができないと、どこの人的ネットワークでも、その人はつまはじきになります。
そういう意味では「人的ネットワークを増やす」のは、自己を見つめなおすのと、セットでやらねばなりません。
新しいネットワークは、自分を変えるチャンスでもあります。
(2025/7/14更新)
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。
<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>
第6回 地方創生×事業再生
再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。
【今回のトーク概要】
自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”
【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。
【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
ご視聴登録は こちらのリンク からお願いします。
【著者プロフィール】
安達裕哉
生成AI活用支援のワークワンダースCEO(https://workwonders.jp)|元Deloitteのコンサルタント|オウンドメディア支援のティネクト代表(http://tinect.jp)|著書「頭のいい人が話す前に考えていること」65万部(https://amzn.to/49Tivyi)|
◯Twitter:安達裕哉
◯Facebook:安達裕哉
◯note:(生成AI時代の「ライターとマーケティング」の、実践的教科書)
Photo:Shubham Dhage