どうもこんにちは、しんざきです。
ここ最近は、大きめな組織の調整役みたいなことをやってまして、よく知らん分野での喧嘩を「まあまあ皆さん落ち着きましょう、知らんけど」的に調整する仕事で主に生計を立てています。そろそろDB設計やりたいです。
この記事で書きたいことは、以下のようなことです。
・「対立軸を明確にする」、つまり「敵対関係」を作ってしまうことを避けがちな人は多いように思います
・ひとことで「対立」といっても色々あって、ざっくり言うと「人間関係的な対立」と「仕事の内容や方法についての意見の相違」があります
・上手に対立軸を作ると、「論点が明確になる」「ゴールラインが明確になる」「意思決定のスピードが早まる」「曖昧な要件が減る」などのメリットがあります
・そのためには以下のようなことが大事かなあと思っています
-「誰と誰がどう対立しているのか」を早めに整理して、その対立軸を周囲に明示する
-話をその対立軸に限定して、関係性の問題に発展することから隔離する
-妥協点、どこまではどう譲れるかを早めに明確にする
-意思決定の方法、ないしラインを早めに明確にする
・対立は単なる道具なので、平和に過ごしつつ、上手に対立を利用できるといいですよね
以上です。よろしくお願いします。
さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、後はざっくばらんにいきましょう。
皆さん、会議で喧嘩しますか?よく分からんテーマで個人攻撃まで発展してこじれる会議、面倒ですよね。
先日は、要件調整会議として始まった筈の会議で、何故か偉い人たちが若手時代の喫煙室の使い方についての言い争いを始めて、何でここまでこじれるんだろう?と首を傾げておりました。巻き込まれない分には観てて面白いんですけど。
ただ、ある程度大きな組織になってくると、喧嘩もあまり発生しなくなるというか、そもそも「対立の発生」自体を避ける傾向が出てくるような気がしています。
しんざきはシステム開発の仕事をしていて、そこそこ大きな会社さんの仕事をさせていただくこともあるんですが、「ここは揉めそう」というテーマには皆さん触れたがらないというか、最初からそこを論点にするのを避ける、というシーンはあちこちで見てきました。
開発する側としてはそこが一番知りたいというか、単に爆発するのを避けてるだけに感じてしまうんですけどね。
昨今、ハラスメントに関する対応が厳しくなってきていることもあり、皆さん行動自体がセンシティブになっている印象もあります。とはいえ、「上手に対立する」ということが苦手な人は、なんだかんだで昔から多いんじゃないかなー、という印象です。
「人間関係的な対立」と「仕事の内容や方法についての対立」について
まず整理しておきたいのですが、一言で「対立」といっても色々な対立があります。ざっくり言うと大きく二種類あります。
つまり、「人間関係的な対立」と「仕事の内容や方法についての対立」です。
ここでは仮に、前者を関係性コンフリクト、後者をタスクコンフリクトと呼んでおきましょう。
関係性コンフリクトとは、例えば
「あの人とは合わない」であるとか、
「あいつの言い方が気に食わない」とか、
「あいつと一緒にエレベーター乗りたくない」
みたいな、要は人に属する対立、感情的な対立ですよね。
一方、タスクコンフリクトとは、
「この要件、こうしたいって言う人がいるけれど俺はそうしたくない」だとか、
「DBはOracleじゃなくてPostgreSQLを使いたい」とか、
「我こそはvim派である、Emacs派は闇に飲まれよ」とか、そういうヤツですよね。最後のはちょっと違うかも知れませんが。
で、これもざっくり言ってしまうと、タスクコンフリクトは仕事を進める上で大概有益ですが、それが関係性コンフリクトにはみ出してしまうとマイナスになります。
参考までに、対立の種類を「関係性のコンフリクト」と「タスクに関するコンフリクト」に分類する研究というのは昔からあって、例えば1995年のKaren A. Jehnの研究が有名だと思います。以下に引用します。(日本語訳はDeepLでやりました)
対立が有益かどうかは、対立の種類と、タスクの種類・タスク相互依存性・グループ規範といったグループ構造に依存することが明らかになった。
人間関係衝突とタスク衝突は、個人の満足度、他のグループメンバーへの好感度、グループ残留意向と負の関連を示した。
非常に定型的なタスクを遂行するグループでは、タスクに関する意見の相違がグループ機能に悪影響を及ぼした。対照的に、非定型タスクを遂行するグループでは、タスクに関する意見の相違は悪影響を及ぼさず、場合によっては実際に有益であった。
上記を前提に考えてみましょう。
タスクコンフリクトはどう役に立つのか
私が考える限り、タスクコンフリクトには以下のようなメリットがあります。
・対立軸が明確になって、自分たちだけでなく周囲の意見が明確になる
・「どうやってこの対立をおさめないといけないか」が自然と決定権・決定方法の明確化につながり、意思決定のスピードが高まる
・第三者が「調停者」「意思決定者」として介入しやすくなる
・取捨選択ごとのメリット・デメリットが分かりやすくなる
・「ここは対立が発生するから」と曖昧になりがちになっていた要件が明確になる
これは以前から言ってますけど、まず何より「対立があると分かりやすくなる」んですよね。
少年漫画とか、やっぱ「敵」がいると話が分かりやすいじゃないですか。どちらに感情移入するか。どちらが強いか。どちらが正しいか。その辺、絶対評価じゃなくて相対評価で考えられる。
なんでもドラゴンボールで例えるのはアラフォーの悪い癖だってよく言われるんですが、その上で敢えてドラゴンボールでたとえると、
「悟空が一人で飯食ってるだけのドラゴンボールはただのニート漫画だけど、ベジータと戦い始めると超面白いよ理論」
とでも言うべきでしょうか。いや、ニート漫画のドラゴンボールも面白そうですけど。
で、対立軸が明示されると、周囲も自分の意見をまとめやすくなるんですよね。
例えば企画会議において、なにかいいアイディアが出たとしても、周囲がその「良さ」を理解出来なければ話は進まない。
しかし、誰かがそのアイディアに関する「悪さ」を指摘してくれれば、状況は絶対評価から相対評価に変わります。悪い部分が分かれば良い部分も分かる。そこから周囲に「各々の評価」を迫るわけです。
意見のレイヤーが鮮明になれば話はサクサク進むし、その後有益な人間関係を形成することも出来る。
ただ、こういう対立って、面倒くさい人にとってはとても面倒くさいことなので、なんでもなあなあで済まされがちになるんですよね。
例えばシステム開発上、「当たり障りがないようになあなあで済ませている要件」って100%地雷でして、いつか必ず爆発するものなので、そういう地雷を早めに処理できるというメリットもあります。
適切な「タスクコンフリクト」は仕事をうまく回してくれる。まずはこういっていいと思います。
コンフリクトをどうコントロールするのか
で、じゃあ「対立軸を明確にすること」にはなんのデメリットもないのか?と言われるとそりゃそんなわけはなくって、最大のデメリットは「コントロールを失うと関係性コンフリクトに発展してしまいやすい」ことなんですよね。
人間は感情の動物ですし、「これはこれ、あれはあれ」という切り分けも苦手なので、自分の意見が否定されれば嫌な気分になりますし、相手のことが嫌いになります。そうなると、仕事の話だけではなく、色んなところで支障が出る。
これについて、完全に「これ」という対策は正直存在しないと思っているんですが、個人的にある程度「やれる」と思っている方針はあって、私は以下のように整理しています。
・「誰と誰がどう対立しているのか」を早めに整理して、その対立軸を周囲に明示する
・周囲もその対立軸に巻き込み、「個人対個人」ではなく「陣営対陣営」の図式にする
・妥協点、譲れるラインの検討は早めに行う
・意思決定の方法、ないしラインを早めに明確にする
もちろん組織によっても場面によっても異なるので一概には言えないんですが、ポイントは「個人から焦点を外すこと」だと思っています。つまり、誰かが悪感情のターゲットになってしまうのを避けること。
そのために、
「この対立は、こういうポイントで起きていることだよね?」
ということを整理して、
「飽くまで仕事上での意見の食い違いだよ」ということを明確にしますし、
「これは〇〇さんも××さんも思っていることだよね?」
という「チーム分け」を早めに実施して、「△△の急先鋒」みたいな人を早めにそのポジションから降ろします。
更に、「どこが妥協点だろう?」というステージへの移行を早い段階で実施することで、悪感情が誰かに向かうことを防ぐ。
さらに、「最終的に誰がどう決めるのか」を早い段階で合意しておきます。「部長が決める」「多数決」「第三者を入れる」など、ゴールを明確にすることで、対立が延々と続くことを防げる場合があります。
大体こういう方針で上手くいくことが多いかなーと思っています。もちろん毎度毎度上手にコントロールできるわけじゃないんで、ひーひー言いながらですが。
ちなみに、ちょっと前、色んなシステムで使われる某仮想化ソフトウェア会社が買収されて、その仮想化ソフトウェアの料金がバカ高くなって、一気に「脱〇〇」という話が盛り上がったことがありました。
その時も、「どのシステムを、いつまでに、どういう規模で移行するのか」みたいな話をしなきゃいけなかったんですが、いざ始めてみると関係性コンフリクトがあちこちで発生してエラいことになりました。
そこでなんとか対立軸を整理してチーム分けして妥協ライン決めて、みたいなことをやっていて、先日ようやくそれが納まってきました。この記事を書いた直接的な原因がそれです。
何はともあれ、
・「対立」は使い方によっては役にたつ
・とはいえ、「対立」は飽くまでツールだし、みんなツールとして捉えて、それを関係性まで発展させない
ということはポイントとしていえるかなーと思っているので、いい感じに利用できるといいですよね、と考える次第なわけです。
今日書きたいことはそれくらいです。
単なる理論ではなく、現場で成果を出す生成AI活用の“実装方法”を知りたい方に最適なウェビナーです。
本セミナーでは、製薬・バイオ企業でのPoC(概念検証)から得られた実データとノウハウを元に、「どこにAIが効くのか」「どこが難しいのか」を明確に解説します。

【開催概要】
・開催日:2026年2月12日(木)
・時間:12:00〜13:00
・形式:オンライン(Zoom/ログイン不要)
・参加費:無料(定員150名)
製薬・バイオ企業の生成AI導入は、「試行」から「実利」を問うフェーズへと移行しています。
本セミナーでは、13チームのPoCで時間を50〜80%削減したノウハウを余すことなく共有します。適用可否の見極め、評価設計、失敗領域への対応方法、全社展開のガバナンス設計まで、実践的な内容です。:contentReference[oaicite:1]{index=1}
・製薬・バイオ・化学業界のDX/業務改革担当者
・AI導入プロジェクト責任者・企画部門・法務・人事などの全社展開担当者
・PoC設計や効果測定の「型」を学びたい方
・自社の生成AI活用を確実な成果につなげたい実務担当者
【セミナーの内容】
・生成AIの“適用可否”を短期間で見切る方法(PoC設計・評価の型)
・現場で成果を出すAI活用ノウハウ(バックキャスティング/プロンプト構造化 等)
・適用が難しい領域(PowerPoint・OCR 等)の整理と次の打ち手への転換
・横展開に向けたガバナンス設計とナレッジ共有
【登壇者】
奥田 真輔 氏
システム開発やITコンサルティングを経て、
外資系製薬企業で15年以上のITビジネスパートナーとして人事からコマーシャル、 メディカルなど製薬企業の様々な分野のプロジェクトに携わる。
現在はネクセラファーマ株式会社で、システムだけではなく、企業風土改革や業務改善をリードし、
日本発グローバルバイオ製薬企業にむけて、同社の成長基盤の構築に尽力している。
岡田 雄太(ワークワンダース株式会社 CTO)
野村総合研究所に新卒入社後、証券総合バックオフィスシステムやオンライントレードシステムなどの開発に従事。
その後、8 Securities(現SoFi Hong Kong)へ出向し、日本人唯一のエンジニアとして国際的なプロジェクトに携わる。
BOOSTRYでは信託銀行向けSaaSの立ち上げと成長を牽引。
WiseVineではCTOとして開発組織を30名規模に拡大し、プロダクト開発を推進。
2025年4月よりワークワンダース株式会社CTOに就任。AI活用を中心とした開発支援をリードする。
【お申込み・詳細】
こちらのウェビナー申込ページをご覧ください。
(2026/01/19更新)
【著者プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城
Photo:Tamara Gak













