ついこの間、大学3年生に「そろそろ就職活動なんですが、どんな会社に入るのがいいですか?」という質問をもらった。
学生の大企業志向、安定志向が言われる中、一部の人気企業に人が集中するが、もちろん人気企業には入れない人のほうが多いのだ。彼の悩みは真っ当である。
別の学生は、「ブラック企業にあたったりしたら、人生を棒に振ってしまう」と言っており、「ブラック企業を見分けるやり方を教えてくれ」という。
私が就職活動をしたのはいわゆる「就職氷河期」だったが、その頃はあまりネット上にも会社に関する情報がなく、せいぜい2ちゃんねるでチェックするくらいのものだった。
私が、「今は、ネット上にもたくさん情報があるし、OBや先輩に聞けばいいんじゃない?」と言うと、「個人的な意見でいいので、聞かせて欲しい」と言われた。
だから、今から書くことはあくまでも私の「主観」である。
まず、「どのような会社が良い会社か」という問いに対する回答は、本質的は「人それぞれ」である。ある人から見れば、「超絶ブラック」であっても、ある人にとってみれば「いい会社」ということは往々にしてある。
だから、私が「良い会社」という時には、必ず先に前提条件を示している。下を読んで、もしこの前提条件に納得をする・あてはまるのであれば、私が勧める会社は多分、「良い会社」だ。
前提条件1 今後、会社の寿命はますます短くなり、1つの会社に「勤めあげる」ということはほとんど無い。最低でも2回は転職する。
参考:徹底検証、会社の寿命 信用調査会社の“格付け”から割り出す(日経ビジネス)
参考記事によれば、会社の寿命は約18年。今の大学生の社会人人生よりもかなり短い。社会人人生は下に述べるように50年はあるので、多くの人は最低2回は転職が必要だ。
前提条件2 今後、年金の支給開始年齢が遅れ、皆70才まで、場合によっては一生働くようになる。
年金の支給開始年齢は、現在の65歳でもまだ早すぎる。現在の年金の制度ができた時(1959年頃)、日本人の平均寿命は65歳だった。年金とは、死ぬ5年前から受け取れるくらいでないと、制度が持たない。現在の平均寿命は男性でも80才。本来は75歳から年金支給開始で調度良いのだ。
前提条件3 働くことが楽しい、と言えるようになりたい。
善かれ悪しかれ、ほとんどの人は人生の多くを会社で過ごす。「仕事は二の次、楽しくなくても全く構わない」という人も数多くいると思うので、そういう方々に申し上げる言葉は無いが、私の個人的な考えでは、「働くのが楽しい」と言える人は幸福なのだと思う。
前提条件4 ハッキリとした、「やりたいこと」があるわけではない
当たり前だが、やりたいことがあるならば、それをした方がいい。オッサンのいうことなど、聞く必要はない。
さて、学生のあなたはこの4つの条件が正しい・あてはまると思うだろうか?そうでないならば、残念ながら私はアドバイスできない。正しいと思うならば、次に進んで欲しい。
さて四つの前提条件が正しいとするならば、「良い会社」は以下のような条件を満たしている会社である。
①生産性の高い業界にある会社である。
(生産性については、この記事「あなたの給与が低いのは、努力がたりないから?」を参照)
生産性の高い業界や、会社は給与が良い。給与が良い会社には、優秀な人間が集まる蓋然性が高い。優秀な人間と切磋琢磨したほうが、能力の成長が見込めるのは当然である。
②何か一番のものがある
一番のものがある会社に在籍している社員は、そのネームバリューから、比較的転職しやすい。また、ノウハウや人材も蓄積しやすい。顧客は多くの場合、一番の会社から買いたいと思うから、給与水準も同業と比べて高いからだ。
③いろいろな会社、外部組織の人と一緒に仕事できる
「自分の会社の人としか仕事しない」と、世界が狭くなる。世の中の動きも感じにくい。できるだけ、外部の多くの会社と接点を持てる仕事をしたほうが良い。「親会社からしか仕事をもらっていない」といった会社も、あまりおすすめしない。
④良い「経験」ができる
ハロルド・ジェニーンは、「まずはお金よりも経験を取れ」という。全く同感である。「給料は安いが、人には出来ない経験が積める」仕事と、「給料はちょっと高めだが、平凡な経験しか積めない」仕事だったら、前者を選んだほうが長期的に見てその人のためになる。目先の金を取りに行ってはいけない。
ブラック企業がブラック企業たる所以は、「仕事がきつい」であったり、「安月給」であったりするからではない。本質的に「良い経験が積めない」からブラック企業なのである。最初の数三年は、修行だと思って単純労働の繰り返しでも良い。が、四年目からは単純労働や良い経験の積めない仕事をするのは、時間の無駄である。
裁量が固定されていたり、マニュアル通りにずっとやらなくてはいけない仕事にずっとついてはいけない。その会社でしか生きられなくなる。
⑤辞めた人からも評判が良い
ちょうど昨日に記事になっていたが、「辞めた人からも評判が良い」のはいい会社である蓋然性が高い。
なぜグーグル、P&Gは元社員からも評価されるのか 退職者が選ぶ「辞めたけど良い会社ランキング」
内部にいる間は、人間は自分のやっていることを否定したくないので、勤め先を否定することに対して抵抗があるが、退職者はそうではない。退職者の評判をコントロールするのは、相当難しいのである。
その退職者が「振り返っても良い会社」と言うのは、信ぴょう性がある。
⑥法律違反をしない
説明不要。当たり前だが、守れていない会社も多い。
以上である。頑張って就職活動をして、良い会社に入って欲しい。
(2025/5/12更新)
「記憶に残る企業」になるには?“第一想起”を勝ち取るBtoBマーケ戦略を徹底解説!
BtoBにおいて、真に強いリストとは何か?情報資産の本質とは?
Books&Appsの立ち上げ・運用を通じて“記憶されるコンテンツ戦略”を築いてきたティネクトが、
自社のリアルな事例と戦略を3人のキーマン登壇で語ります。
こんな方におすすめ
・“記憶に残る”リスト運用や情報発信を実現したいマーケティング担当者
・リスト施策の限界を感じている事業責任者・営業マネージャー
・コンテンツ設計やナーチャリングに課題感を持っている方
<2025年5月21日実施予定>
DXも定着、生成AIも使える現在でもなぜBtoBリードの獲得は依然として難しいのか?
第一想起”される企業になるためのBtoBリスト戦略
【内容】
第1部:「なぜ“良質なリスト”が必要なのか?」
登壇:倉増京平(ティネクト取締役 マーケティングディレクター)
・「第一想起」の重要性と記憶メカニズム
・リストの“量”と“質”がもたらす3つの誤解
・感情の記憶を蓄積するリスト設計
・情報資産としてのリストの定義と価値
第2部:「“第一想起”を実現するコンテンツと接点設計」
登壇:安達裕哉(Books&Apps編集長)
・Books&Apps立ち上げと読者獲得ストーリー
・SNS・ダイレクト重視のリスト形成手法
・記憶に残る記事の3条件(実体験/共感/独自視点)
・ナーチャリングと問い合わせの“見えない線”の可視化
第3部:「リストを“資産”として運用する日常業務」
登壇:楢原 一雅(リスト運用責任者)
・ティネクトにおけるリストの定義と分類
・配信頻度・中身の決め方と反応重視の運用スタイル
・「記憶に残る情報」を継続提供する工夫
【このセミナーだからこそ学べる5つのポイント】
・“第一想起”の仕組みと戦略が明確になる
・リスト運用の「本質」が言語化される
・リアルな成功事例に基づいた講義
・“思い出されない理由”に気づけるコンテンツ設計法
・施策を“仕組み”として回す具体的なヒントが得られる
日時:
2025/5/21(水) 16:00-17:30
参加費:無料 定員:200名
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
こちらウェビナーお申込みページをご覧ください