最近まわりで、「給料以外の稼ぎ」を得ている人が増えてきているように感じる。

インテリジェンス社の調べによれば、若手社員の5人に1人は副業をしている、という。

若手社員の5人に1人が副業、リーマンショック時より減少

本業の稼ぎを補う副業。イラスト制作など趣味の延長として行っている人も少なくないが、どのくらいの人が副業を行っているのだろうか。

インテリジェンスの調査によると、25~39歳のホワイトカラー系正社員のうち「副業をしている」割合は20.1%と、5人に1人が行っていることが分かった。男女別にみると、男性(17.4%)より女性(27.9%)の方が副業を行っている割合が高くなっていた。(Business Media 誠)

個人的な感覚としては正直、「もっと多くの人が副業をしていてもおかしくない」思う。

また、最近では大手企業も、「副業」を容認する傾向だ。

製造大手10社が副業容認 日産、富士通、花王など

賃金の目減りを“アルバイト”で補てんすることを大手企業が制度として容認したことは、会社への忠誠心などを核としてきた日本の伝統的な企業統治や雇用形態が大きく揺らぐことにつながりそうだ。(47news)

しかし、「副業」とは一体何をやっているのだろう。

実は、本当に単純だ。最近良く聞くのは、

 

Youtubeでゲーム実況をやって稼いでいます。

ブログを書いて、アフィリエイトで稼いでいます。

自分で作った小物をネットショップに出品して稼いでいます。

Airbnbで部屋を貸しています。

クラウドソーシングでちょっとした開発やデザインの仕事を受けています。

AmazonのKindleダイレクト・パブリッシングで小説を書いています。

写真をとって、それをサイトで売っています。

 

といった類の活動だ。

しかし、「仕事をやめても食っていける」ほどに稼いでいる人は稀だ。それでも副業の稼ぎの平均は4.3万円と、そんなにバカにならない額だ。年間に通算すれば50万円ほどになるのだから。

 

しかし、副業をしたほうが良い理由は、「お金」ではない。もっと重要な理由は、「稼ぐ練習」ができることにある。

 

数日前、このような記事を見た。

5年後、上司はいなくなって、あなたは複数の会社に属することになる

良くも悪くも、ルーチンワークを言われた通りに行っていたり、夜遅くまて残っているだけでは、「こいつは頑張っている」と評価される時代は終わり、これからの時代は仕事を「見つける」のではなく、自分で仕事を「発明」していかなければなりません。(Leading&Co.)

この話があたってるかどうかはわからない。しかし、「一つの会社の中だけで、求められたことをやり続ける」ことは、どう考えてもリスクが高い。

会社の寿命はますます短くなり、あなたが働く年数よりも、会社が存続する年数のほうがはるかに短いからだ。結局のところ、人生を勤め先に委ねることは、あなたの人生を会社の都合、上司の都合に合わせる、ということと同じなのだ。

 

それから脱却するには、どうすればよいか。

一つの方法は「稼ぐ力」を身に付けることだ。少額でもいい。「作って、告知して、売る」という商売の基本的な活動を自分でもやってみることが大事だ。そして、これからの企業はますます「作って、告知して、売る」という活動ができる人を求めるようになる。

 

例を挙げよう。前回紹介したが、Googleが求める人材は「スマート・クリエイティブ」という人材だ。

スマート・クリエイティブ

スマートクリエイティブは、コンピューター科学者、医師、デザイナー、科学者、映画監督、エンジニア、シェフ、数学者など、高度な専門知識をもっており、実行力に優れ、単にコンセプトを考えるだけでなく、プロトタイプを創ることのできる人々だ。

また、ビジネスセンスがあり、専門知識をプロダクトの優位性にや事業の成功に結びつけて考えることができる。競争心も旺盛で、時には長時間労働に至る猛烈な努力も欠かさない。

 

一見、「スマート・クリエイティブ」は敷居が高いが、実は「副業で稼ぐ人」とやっていることはあまり変わらない。作り、告知し、売る。それはとてもクリエイティブな活動だ。

余談だが、私は数々の会社で「採用」の手伝いをしている。そこではそれなりに「自分で作って、告知して、売って」をやっていた人に出会う。私はそのような方々に非常に魅力を感じる。そういった人々は、会社の成果と、自分の活動を結びつけることができるからだ。

「なぜ自分の作ったものは売れないのか」

「なぜ自分の作ったものは読まれないのか」

「なぜ自分の作ったものは使われないのか」

そういったことを考えぬき、修正して、やりつづけることは、最も効率のよいビジネススキルアップの方法だ。

 

 

休日にゲームをしたり、テレビを見たり、ショッピングを楽しんだりして「消費」を楽しむのも大いに結構なことだ。

しかし、本当の意味で「これからの時代に対応する力」を身につけるのであれば、「自分で作って、告知して、売る」という事を積極的にやってみても良いのではないかと強く思う。

 

【お知らせ】
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第6回 地方創生×事業再生

再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは

【日時】 2025年7月30日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【今回のトーク概要】
  • 0. オープニング(5分)
    自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
  • 1. 事業再生の現場から(20分)
    保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
  • 2. 地方創生と事業再生(10分)
    再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
  • 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
    経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
  • 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
    「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
  • 5. 経営企画の三原則(5分)
    数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
  • 6. まとめ(5分)
    経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”

【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)

 

 

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