最近は多様な働き方が認められつつあり、変わった会社が多くなってきていると感じる。
ユニクロが週休3日制を導入したり、リクルートが無制限の在宅勤務を認めたりと、大手企業が変わった労働形態を導入する一方で、スタートアップや中小企業でも徐々に面白い制度を持つ会社が増えている。
そんな中、変わった会社がある、とご紹介をいただいたのが、「週2回だけ、皆で集まって仕事する」だけの会社だ。そもそもの問題意識は経営者から発されたものあり、彼が
「オフィスで仕事するのに飽きた」
というものだった。彼は「海で泳ぎながら仕事したい、山でキャンプしながら仕事したい、ウチで音楽を聞きながら仕事したい」
と言う。そして出した結論が「好きな場所で働こう」であった。オフィスはあるのだが、出勤時間も、退社時間もない。完全に自由だ。
だが、週2回の会議だけは絶対に出席。月曜日の会議で「1週間分の成果」をそれぞれがコミットし、それぞれの定時でできる時間の仕事だけを行い、基本的に残業は認めない。
もちろんボリュームが多すぎる場合は、残業をするケースもあるが、基本的に経営陣が率先してそれらを引き受ける。
また、水曜日の会議で「進捗報告」をそれぞれが行う。ボリュームが多すぎたと判断される場合はそれぞれの分担を変更する。
実際、この会社はとてもうまく行っているようで、オフィスでの縛りをやめ、
「効率性、生産性、そしてチームの結束が、全て良くなった」
と社員もいう。全く縛りがないが、毎日オフィスに顔を出す人はそれなりにいて、仕事が終わると皆で飲みに行ったりもするそうだ。
基本的に連絡はSkypeとLINE、あとはメールを使うが、まったく不都合はない。
「プライベートと仕事の境目が無くなるのでは?」とうかがうと、「仕事は趣味の一つだから。」と答えが返ってきた。
「普通に考えたら、監視しなくても監視しても、仕事する奴は仕事するし、やらない奴はいくら言ってもやらない。監視する必要が皆無と思った。むしろ監視されなければ仕事できない人はうちに来ないほうがいい。」
と社長は言う。
Googleは管理者が権限を放棄し、社員に権限を与えること、すなわち企業が社員にいっそうの自由を与えるための策をとったときにだけ業績が改善したという。
社員が有能であればあるほど、自由な社風が意味を持つのかもしれない。
なぜこんな人が上司なのか(新潮新書):桃野泰徳 著
人間はどこまで家畜か 現代人の精神構造 (ハヤカワ新書):熊代亨 著
日本人とドイツ人 比べてみたらどっちもどっち (新潮新書):雨宮紫苑 著
ほんとうの医療現場の話をしよう 医学部を目指す君たちへ:高須賀とき 著
文章で伝えるときいちばん大切なものは、感情である。:pato 著
・筆者Facebookアカウント https://www.facebook.com/yuya.adachi.58 (フォローしていただければ、他ブログへの寄稿も含め、最新の記事をタイムラインにお届けします)
(Photo:Heisenberg Media)