今朝、目に飛び込んできたニュースが衝撃だったので、今朝アップするはずだった記事を公開せず、記事を書き直している。

 

そのニュースとは「ヤフーの新卒一括採用廃止」だ。

ヤフー、新卒一括採用を廃止 30歳未満は通年(日本経済新聞)

ヤフーは新卒の一括採用を廃止する。10月から新卒や既卒、第二新卒などの経歴にかかわらず30歳未満であれば誰でも通年応募ができるようにする。技術者や営業職など全ての職種が対象で、1年で300人程度を採用する計画だ。

これって、実は地味ながらすごいニュースだ。

個人的には「正社員の解雇規制の撤廃」と同じくらいの衝撃があると思う。

なぜならが、30歳未満までだれでも応募できる、ということはすなわち、「若年層枠は、新卒じゃなくても全く構わない」という企業の意思表示だからだ。

 

ヨーロッパではで若者の失業率が高いことが知られている

EUが進める待ったなしの若年層雇用対策(EU MAG)

かねてよりEUは、学校教育から脱落したり、職業訓練を十分に受けていない若者の多くが職に就けずにいる実態を問題視してきた。ただ近年は、教育を受け、スキルを身に付けたとしても、すぐに職に就ける経済環境ではないことが若年層の雇用問題をさらに根深いものにしている。

が、「新卒一括採用」のあった日本ではこれが抑制されてきた。新卒採用は、最高の若年層雇用対策だったのだ。

 

だがこれからは、22歳の未経験と、25歳、他社でプログラミングの基礎を身に着けた人物が同じ土俵で戦うことになる。

今までは「他社に染まっていない」ということがアドバンテージとされてきたが、現在は知識産業においてはむしろ「様々なバックグラウンドがある人がほしい」という会社が増えてきている。

今後、新卒の魅力は「青田買いできる」というだけになれば、普通に考えれば新卒一括採用の廃止によって、「大学を出たての新人」は、就職に不利となる。

 

もちろん今、就職に苦労していない、目立つ学歴があったり、何かしらのスキルがあったり、あるいは地頭がよく、コミュニケーション能力の高い人はさらなる移動の自由を得るのでむしろこれらの流れを歓迎するだろう。

だが、現在において就職に苦労している人は、ますます就職に苦労する。それが暗黙の規制たる「新卒一括採用廃止」の影響だ。

規制を撤廃し、自由にするということは、能力の格差がそのまま拡大することに直結するのだ。

 

 

実際、企業は「新卒一括採用」を廃止することにメリットしかない。採用に関するリスクをかなり減らすことができるからだ。

「新卒は、海の物とも山の物ともつかない」と、ある大手企業の人事の方が仰っていが、これからは「実績ある人」をじっくり、時間をかけて採用できるのだ。

必要なら「まずはインターンで働かせてみて」から、できの良い人だけ採用したって良い。

 

つまりこれは、究極の「若年層の保持していた既得権の破壊」である。

ヤフーも今はまだ「30歳未満」に限定しているが、そのうち年齢制限を撤廃しても全くおかしくはない。

 

 

ある大手の採用担当者がこんなことを言っていた。

「今まで慣例として新卒採用をしてきましたが、新卒採用が廃止されたら、おそらく我々は新卒は一般採用しないですね。

基本的に若年層の採用はコネ、もしくはインターン一本にするか、ある程度実力がある若年層をヘッドハントします。

中小に勤めているとエース級の人であっても給料が安いですからね。今の倍の給料も出せば、大抵は転職してもらえます。今の新卒採用コストを考えれば、それのほうが遥かに効率的で、かつハズレも少ない。」

 

私は聞いた。

「そうなると、だれも新卒の育成コストを負担しなくなりますね」

「なに言ってるんですか、今でもすでにそうですよ。育成にコストの掛かりそうな人は、規制があろうとなかろうと、敬遠されているじゃないですか。だからインターンを充実させるんでしょう?」

 

 

個人的には、現状で若年層の既得権が破壊される一方で、中高年正社員の既得権だけが保持されるのも、些か不条理だとも思う。

既得権が破壊された後に見える世界は、さらなる弱肉強食か、それとも活性化の起爆剤か。

手放しでは喜べない。

 

 

 

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Jorge Gonzalez