採用について昔から疑問に感じていることがある。それは

「この会社で何をしたいですか?」

という質問についてだ。

 

おそらく、採用の面接の際にこの質問をしない会社は殆ど無いだろう。そして、それに対して応募者は、

「◯◯◯がしたいと思っています。」(◯◯◯は、その会社のホームページや事業案内から取ってきた情報)

と、判で押したように回答する。一種の通過儀礼のようだ。

 

この話を知人にしたところ、「あたりまえじゃない、何が疑問なの?」とツッコまれた。

 

そう、当たり前なのである。だからこそ疑問なのだ。

理由は3つある。

1.何をしたいですか?という質問に対して、殆どの場合応募者は、「御社に入れれば、なんでもしっかりやります」と回答する人が多い。特に社会人経験が長い人ほど、「自分が望む仕事ばかりできるわけない」と思っている。

2.採用側も「◯◯◯がしたいです」と言う応募者に対して、それが叶えられるかどうかは状況次第、保証できないと思っている。

3.「✕✕✕がしたいです」(✕✕✕は、あまり売上が上がっておらず、しぼみそうな事業)という人に対して、門前払いをするかどうか迷う。応募者には社内の情報はわからないはずであり、「✕✕✕」といったことが単なる「研究不足」なのか、「情報不足」なのか、区別がつかない。

 

結局、企業は「やるべきこと」がコロコロ変わるし、「やりたいこと」に関しての応募者と採用側の情報格差もなくならない。だから、「何をしたいですか?」と聞いてもその回答はほとんどその人を入社させるかどうかの判断基準にならない。

 

だから、私は、「何がやりたいのか?」と聞くよりも、「どんな人と働きたいですか?」とか、「どんな職場が理想ですか?」とか、「もし◯◯◯という状況に置かれたら、どのような行動を取りますか?」とか、その人の仕事の希望よりも「考え方」や「人とのつきあいかた」を聞けるような質問をしなければ、と考えている。

所詮、「仕事の希望」など、うちの会社に応募してきている時点でだいたい向こうもわかっているだろうし、希望は所詮希望でしかない。

 

そんなわけで、「何がやりたいのか?」と聞くことは、時間の無駄とまではいかないが、あまりよい質問とは思えないのだ。

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(2024/3/26更新)