『「朝日叩き」一色に思う』(BLOGOS)
朝日新聞が慰安婦の記事を捏造したり、池上彰氏の記事を差し止めたりと、メディアとして信用を失うような行動を繰り返しているのは事実であるが、ここぞとばかり朝日新聞を一斉に叩く人々もまた、朝日新聞とやっていることはあまり変わりないように思う。
しかし、朝日新聞は昔から現在言われてるような「ひどいメディア」なのだろうか。そんなことはなかったはずだ。一介の地方紙に過ぎなかった新聞が、ここまで力を持つに至った背景には、先人たちの大きな業績があったにちがいないだろう。
朝日新聞の「深代惇郎」という記者をご存知だろうか。朝日新聞の看板的存在である「天声人語」の執筆者を2年半にわたって努め、その評価を高めた、「最高の知性を持つ」と言われる記者の1人だ。
彼の書いた文は現在でも書籍で読むことができるが、発表後40年を経ても色褪せない。話題は時事を扱っているが、洞察が非常に普遍的であり、本質に迫っているためだ。
さて、その彼が「批判機能」という天声人語を書いている。その中で彼は「新聞批判」について、こう述べている。
”別に、新聞批評に苦情を言っているわけではない。苦衷をお察しあれ、と訴えたいわけでもない。
ただ、批評とはそうしたものであり、そして批評は大切なものだ、といいたいためである。役所や企業は、消費者や新聞が批評する。政治家には選挙がある。しかし、批判する新聞を批判する強力な社会的なしくみはない。
批判されない社会組織は、当事者がいかに善意を持っていても、独善と退廃の芽をはぐくむ。新聞は、そう信じている。
だからこそ、他の社会集団を自由に批判する。他人を批判しながら、自分だけは例外だといううぬぼれはない。新聞批判は必要であるという以上に、それなしには新聞もまた独善の弊に陥る。”
現在は朝日新聞が批判を受けているが、内部の記者たちは深代惇郎のように考えることができているだろうか。また、マスメディアに従事するすべての人々も、同じように考えることができているだろうか。
自社への批判を握りつぶした、池上彰氏の記事を差し止めた朝日新聞のトップは、深く反省する必要がある。
現在受けている批判について、現場の人間が、「ありがたい批判だ」と思うことができる人が大半であれば、新聞やテレビは質の高い報道を続けることができるだろう。
しかし、「批判など勝手に言わせておけ」という傲慢な態度であれば、マスメディアに将来はない。
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。

<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>
第6回 地方創生×事業再生
再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは【ご視聴方法】
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当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。
【今回のトーク概要】
- 0. オープニング(5分)
自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」 - 1. 事業再生の現場から(20分)
保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例 - 2. 地方創生と事業再生(10分)
再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む - 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説 - 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論 - 5. 経営企画の三原則(5分)
数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する - 6. まとめ(5分)
経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”
【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。
【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)