q_frenchfries-M_l今は、人類の歴史上、かつて無いほど変化の激しい世の中だ。だから皆、「変わらないと生き残れない」と言う。

たしかにそのとおりだ。変わらない事が、停滞や没落を意味する今、大きな組織であっても、怠ければあっという間に滅んでしまう。

久しぶりに友人とマクドナルドで食事をした時、そんな話になった。

 

マクドナルドが提供するものは私が子供の頃から変わっていないように見える。

お菓子のようなフライドポテト、ケチャップの味ばかりするハンバーガー、氷が入ったコーラ。硬い椅子と、狭い席。

それでも私は子供の頃、とてもマクドナルドが好きだった。なんというか、普段は食べさせてもらえないあの味、塾帰りに友達と行くマクドナルドは、家の食事とは異なる趣を感じた。

 

だがいま、マクドナルドが窮地に立たされている。

マクドナルドが、日本だけでなく世界で窮地に陥っている。その理由「マズイから」

最近デューク大学を卒業したニュージャージー州ホーボーケンのアレック・ピーターセンさん(21)は、マクドナルドに行くことはもうほとんどなくなったと話す。

「マクドナルドに懐かしい思い出はあるが、チポトレの方が断然食べ物の質が高い。あるいは、少なくともそう感じる」

マクドナルドに対する懐かしい思い出は、万国共通なのだろう、しかし彼の言うようにマクドナルドに行くことはなくなった。

「思い出」も、「懐かしさ」もある。だが、もはや「定番」の座ですらない。

世の中には、「永遠の定番」と呼ばれるくらいのロングセラーや、長く愛される店というものがあるのにも関わらずだ。

 

「永遠の定番」の座にあるもの。例えば100年、200年と続くような老舗と、マクドナルドの違いは一体何なのだろうか。

 

その友人は言った。

「多分、本当にマクドナルドは何も変化していないんだと思う。」

「どういうこと?」

「例えば、リーバイスの501という定番のジーンズがある。あれ、本当にずっと変わっていないのかと言うと、そうではなく、少しずつ1ミリ、2ミリという単位で時代に合わせて形が変化しているらしい。我々に気付かれないように。」

「…」

「昔から流行っているラーメン屋、味が変わらないように感じるけど、実は競合や客の味覚の変化に合わせて、微妙に味を変えてきている、ということもあるそうだ」

「…客に気付かれないように?」

「多分、老舗も客に気付かれないように、いろいろ変えていると思う。マクドナルドは、「本当に、何も変わらなかった」んじゃないかな。」

 

果たしてそうなのだろうか。私は詳しい事情を知らないので断定はできないが、もしかしたらそうなのかもしれない。

 

必ず商品にはファンがいて、「変わらないこと」を愛する人もいる。だが、本当に変わらないものは、淘汰されてしまうのだ。

老舗がなぜすごいのか、それは常に変化を続けているからだ。

 

マクドナルドのポテトは熱いうちは相変わらず美味しかったが。

 

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