マクドナルドがヤバイ、ということが日経新聞で報じられている。
”中国上海市の仕入れ先が使用期限切れの鶏肉を使用していた事件が起きて、日本マクドナルドホールディングスの店頭から顧客が目に見えて減っていった。既存店売上高は急落し、業績の予想すらできない窮状に陥っている。その客足が遠のいた店舗を歩くと、「迷走する経営」があぶり出されてくる。”(日本経済新聞)
既存店舗の同年前月比の売上はマイナス20%(!)近く。大きなマイナスだ。
報道では、中国の期限切れ鶏肉と業績不振との関連性を強調しているが、実際にはこれはきっかけにすぎないようだ。実際には、マクドナルドの不振は世界中で同時進行している。
”米ファストフード大手マクドナルドにとってこの10年で最悪のスランプにある背景には、今後さらに厳しい時期が続くことを暗示するトレンドがある。それは若年層にとって金色のアーチ(マクドナルドのシンボル)が輝きを失っているという現実だ。”(ウォール・ストリート・ジャーナル)
子供の頃、マクドナルドに連れて行ってもらうのはちょっとした楽しみだった。普段家庭では絶対無いような味と雰囲気、確かにあれはひとつのエンターテインメントだった。
しかし、確かに最近マクドナルドには殆ど行かない。私の友人たちも、「行かなくなった」としている。そして、それはどうやら世界中で同じようだ。
”マクドナルドの試練の背景には主要な顧客年齢層の変化もある。
レストランコンサルティング会社テクノミックがウォール・ストリート・ジャーナル向けにまとめたデータは、マクドナルドの顧客年齢の問題を指摘している。
長年同社事業の主要な支持層だった 20〜30代の顧客は競合他社にくら替えしており、特にメキシコ料理チェーンのチポトレ・メキシカン・グリルやグルメバーガーチェーンのファイブ・ガイズ・ホールディングスなど、「ファストカジュアル」と呼ばれる業態のレストランの人気が高まっている。
若年層は、より新鮮で健康的な食品を求め、ファストフードのセットメニューとあまり変わらない価格でカスタマイズ可能なメニューを提供するレストランを求めている。
最近デューク大学を卒業したニュージャージー州ホーボーケンのアレック・ピーターセンさん(21)は、マクドナルドに行くことはもうほとんどなくなったと話す。
「マクドナルドに懐かしい思い出はあるが、チポトレの方が断然食べ物の質が高い。あるいは、少なくともそう感じる」と述べた。”(ウォール・ストリート・ジャーナル)
多分、21歳の彼が言っていることは的を射ている。
20年前「マクドナルド」はたしかに特別だったが、今のマクドナルドはありふれている、高い、そして、美味しくない食事と思われている。
”米国の有力消費者情報誌「コンシューマー・リポート」の最新調査で、米国の大手ハンバーガーチェーン全体の中でマクドナルドのハンバーガーが一番まずいという結果が示された。この調査結果は同誌の定期購読者のうち3万2405人の回答と、ファストフード・チェーンなど65カ所での9万6200回以上の食事経験に基づいている。”(ウォール・ストリート・ジャーナル)
外食産業は、本質的には「味」が良くなければ誰も来ない。だから、マクドナルドは「味」を改善しなければ、業績の回復は見込めないだろう。
しかし、マクドナルドは厨房をあまりにも特定の作業に特化してしまったゆえに、他の味を作り出すことが難しくなってしまっている。
”バンズ(パン)やパティ(肉)、野菜、ソースなどを「基本アイテム」として、この組み合わせで複数の商品を作り上げている。
だが、高級バーガーとして食材が増えると、極限まで効率化された厨房に混乱を来す。昨年7月、1日限定の1000円バーガーを販売して話題を集めたが、「20分で売り切れる商品のために、練習をするわけにもいかない。ベテラン店員まで、新人のように戸惑ってしまった」(兵庫県の店舗オーナー)。結局、生産工程を大きく変更しなくても提供できる商品で勝負するしかない。スピード重視の価格訴求型商品となるが、そのカテゴリーには牛丼や回転ずし、コーヒーチェーン、コンビニエンスストアなど、効率化を追求した精鋭たちが揃っている。少しでも隙を見せれば、客を奪われてしまう。”
「特殊化の果てにあるのは緩やかな死」というのは、今のマクドナルドに当てはまるのかもしれない。
(2026/4/30更新)
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