知り合いの経営者に、

「将来、◯◯をやってみたいと思ってます」と言うと、すぐに、「で、今は一体何やってるの?」と切り返す人物がいる。

まあ、嫌なやつである。

 

だが、彼の言うことは本質を突いている。

彼が言うには、「やってみたい」と、「やってみた」の間にはとてつもなく深く広い溝があるのだそうだ。

「その2つは、全く違う次元の話だ」

と、彼は言う。

「本気か、本気じゃないか、と、そういった陳腐な精神論ではない差がある。」

 

 

「将来、独立したいんです」と、その若手ビジネスマンは彼に言った。

彼は「で、今は一体何やってるの?」と聞く。

その若手は、「今は、独立するための勉強をしています」と言った。

彼は、「勉強するなら、今すぐサラリーマンやめて、独立するのが一番勉強になるよ。」と、冷たく言う。

若手は「嫌なやつだ」というような顔をして、「いや、独立するんじゃなくて、独立して成功しなきゃ意味が無いでしょう。今はその時じゃないです。まだ私には人脈も知識もない。それを手にするまでは独立できません。」

と彼に言った。

 

またとある別の女性も彼に、「将来、独立するつもりです」と言った。

彼はテンプレ通り、「で、今は一体何やってるの?」と聞く。

その女性は、「すでに800万円貯めました。1年後に独立するため、今は見込のお客さんになりそうな人をを訪ねています」と言う。

彼は、「そうか。一緒に頑張ろう」と、彼女に言った。

 

 

英語を話せるようになりたいんです。と、ある学生は彼に言った。

彼は、「で、今は何やってるの?」と聞いた。

学生は、「英会話の学校へ通おうと思います」と言う。

彼は、「まだ学校にも行ってないの?」と学生に突っ込む。

学生は、「いま研究室が忙しいんで…。どうやったら効率よく勉強できるか考えてます。」と言った。

 

ある高校生は、「英語ができるようになりたいです。」と、彼に言った。

彼は、「で、今は何やってるの?」と聞いた。

その高校生は、「2年後に、留学をするためのテストがあります。それに合格するため、留学専門のスクールに通って、合格者に勉強法を聞いています。一人すごく親切な方がいて、それを今マネしています。」と言った。

彼は、「それなら絶対合格するよ」と言った。

 

彼は言う。

「「やってみたい」と、「やってみた」との間には大きな差がある。これは、「本気度」のような抽象的な差ではない。」

私はよくわからなかったので、彼に聞いた。

「本気度ではないとすれば、どんな差がある?」

「カンタンだよ。「やってみた」は、科学。「やってみたい」は、迷信。」

「…どういうこと?」

「やってみれば、データが取れる。それを基に、もっとうまいやり方を考えられる。実験ができて、きちんと検証できれば科学だ。でも」

「でも?」

「やったことのない人は、単なる思い込みや推測でしか動けない。要するに、迷信めいたものを当てにしているということだ。独立したいなら、実際にお客さんを回って、商品を見せてみないとデータがとれないだろう。」

「でも、それが怖い人もいるだろう。」

「そうさ、迷信だって皆怖がっていた。エドワード・ジェンナーってしっているかい?」

「天然痘ワクチンの、ジェンナー?」

「そう、ジェンナーは科学的な研究によって、ワクチンを作った。でも、迷信を信じる人は、「ワクチンを打つと、牛になる」といって、怖がった。確固たる証拠もなくね。」

「なるほど。」

「ガリレオ・ガリレイが落下の実験をするまでは、重いものは軽いものよりも早く落ちると皆信じていた。」

「そうだったな。」

「要は、実験するまで何が起きているのかを正確に理解するのは難しいということだ。必要なのは、実験と、データだよ。思い込みや、当て推量じゃない。」

「…。」

「会社でも、部下に言うんだ。怖がってないで、さっさと仮説を証明するために、データを集めろ」ってね。

 

私は、それを聞いたとき、様々な会社の中で、いかに「思い込み」や「当て推量」で語る人が多いかを思い出した。

「たしかにそうだ。「やってみた」は確かに「やってみたい」とは、明らかに違うな。」

 

 

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