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今も昔も変わらず、「終身雇用」を望む学生は多い。

「給料安くても終身雇用」派が7割

〈幸せになれそうだと感じる働き方はどっち?〉
「給料は安いけど終身雇用(正社員)」 68.5%
「給料は高いけど有期雇用(非正社員)」 31.5%

(R25)

もちろん、安定した終身雇用の職を得ることが就職活動の目的である、とすることは特に悪いことでもないし、働いたことのない学生が、有期雇用で頑張れ、と迫られたら「怖い」と思うのは当然ではないだろうか。

 

この結果は特に学生が保守的なわけではなく、情報がない中で「終身雇用」以外の選択肢をあまり学生が持っていないことを示すのだろうと思う。

 

だが、世の中は学生の考え方の変化を待ってくれるわけではない。

先日ある企業の経営者とお話をさせていただいた時、就職活動の話になった。今年は倫理憲章の変更に伴い、どの企業も採用に苦労しているようだ。だが、苦労しているにもかかわらず、その経営者は

「終身雇用を望む学生は、正直に言うと採用したくない」

と仰った。

 

彼が面接の最後に聞いているのは学生の志向だという。必ず面接において

「終身雇用について、どう思うか?」

という質問をしているとのこと。

 

学生が終身雇用を望む発言をした場合、重ねて「なぜ終身雇用が良いか?」と聞く。

「安定しているから」

「安心して働きたいから」

などと答えた学生は、採用しないそうだ。

 

彼は、「安定や安心を求める学生を採っていたら、会社は立ち行かない。そういう人は公務員になればいい。」という。

「今は、安定志向の学生を会社に入れること自体が、大きなリスクだ」

 

 

「リクルートは38歳定年制だよ」と、かつて私はリクルートに勤めた友人から聞いた。今もそうであるのかは知らない。

だが、その友人は「いい制度」といっていた。

「なぜ?」と聞くと、友人は

「恥ずかしい話だけど、追い込まれないと本気で考えないからかな。」と言った。

 

「終身雇用ってのは、もう時代の要請と合わなくなっている。終身雇用に甘えて会社にとどまっていたら、ある時急に会社の都合でリストラにあったり、大幅に減給されたりする。

会社に翻弄されるくらいなら、自分のキャリアは自分で決めたい。多分、もう終身雇用が普通であった時代は2度とこないと思う」

 

 

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(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)

 

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 (Photo:Orange County Archives)