企業は一般的に非効率を嫌う。効率が良ければそれだけ利益が増えると信じられているからだ。したがって、企業が作成する経営計画には「ムダをとる」「生産性の向上」などの言葉が並ぶことになる。
効率とは何か。辞書で調べると
1 機械などの、仕事量と消費されたエネルギーとの比率。
2 使った労力に対する、得られた成果の割合。
とある。要は「効率を上げろ」と言っている企業は、「少ない努力で、多くの成果をあげるように工夫しろ」と言いたいということだ。
なるほど、「工場」であれば、たしかにそうであろう。より少ない原材料、より少ない投入エネルギーで同じ製品ができるのであれば、もちろんそのほうが良い。資源は有限であるから、より有効に活用するのは望ましいことだ。
しかし、「知識労働者」が行うような仕事はどうだろう。例えば、「ソフト開発」「広告制作」「キャンペーン企画」「商品開発」「営業活動」「顧客への提案」「教育」などだ。
効率を追求すれば、より少ない努力でアウトプットを出したほうが良いのであるから、やるべきことを絞り込んで、「1回で決める」「できるだけ時間をかけずににやる」ということを目指すはずだ。短時間でより多くの仕事をこなす。それが正となる。
だが水面下では犠牲となるものがある。それは「セレンディピティ」といわれるものである。
あまり聞きなれない言葉だが、セレンディピティとは
「何かを探しているときに、探しているものとは別の価値あるものを見つける能力・才能」
のことで、「閃きを生む人の力」と言ってもいいだろう。
ムダを排除すればするほど、目的とするものと別のものは「不要なもの」として排除されてしまう。
例えば「企業内教育」において「仕事に関係ない知識はムダである」と言い切ることも可能だ。殆どの企業は効率を追求しているのだから、「すぐに役に立つ知識を」という企業が多いのも頷ける。
これは「学校教育」における「一般教養」にも同じ事が言える。「一般教養」などムダであるという人が昨今増えているのは、「効率追求主義」のあらわれだろう。「受験に役に立たない知識は学校で教えないでくれ」という親もまた同じである。
これは「規格化された工業製品」をつくるやり方だ、工場においては想定外のものが出来ては困るのだから当然である。 しかし、「閃く人」「イノベーションを産む人」を創るには、一定の「ムダ」「非効率」「寄り道」は必要ではないか。過度の効率追求は閃きを妨げる。
日本人のノーベル賞受賞者である、田中耕一氏の発見は、「まったくの偶然」と本人は述べているそうだ。(無論、謙遜であって偶然だけでないことは明らかだが)
ただ、想定外のことを、「ムダ」と切り捨てていては、この発見はできなかっただろう。
また、世界初の抗生物質であるペニシリンも偶然の産物であるということは有名な話だ。
「最小限の努力で最大の結果を」という思想は、「何をなすべきかわかっている」時には重要である。しかし、「試行錯誤が必要なこと」あるいは「新しいこと」、「工夫が必要とされること」については、二の次である。むしろ、ムダを切り捨てることで、創造性を発揮できなくなり、効率が落ちる可能性すらある。
人間とは生来、非合理で、ムダを好み、遊ぶことで喜びを感じる生き物である。
効率を考えなくて良い、と言うことは無いが、「ムダなことはするな」「仕事を詰め込め」という組織に継続的なイノベーションは望むべくもない。
ビジネス書ばかり読んでいても、ビジネスはうまくならない。新聞ばかり読んでいても、本当に重要な情報は手に入らない。成功物語ばかり聞いても、成功はしない。「何の役に立つかわからない」ものを積極的に取り入れることが、「知識労働者」にとっては効率を上げる近道ではないだろうか。
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(2025/5/22更新)