3339640903_1a76436b41_z「自分で決めなさい」

彼は、事あるたびにそう言われて育った。

彼の両親はふたりとも極めて有能だった。父親は食品の商社を経営し、母親は大学教授で医師。その一方で、彼らは子供の教育に大きな力を注いだ。

 

二人の口癖は、子供にこのように言うことだった。

「自分で決めなさい、そのために必要な情報は、全て教える。私たちに聞いてもわからないことは自分で調べなさい。調べ方のアドバイスは喜んでしよう。」

彼は、小学校入学とともに、すべてを自分で決めるように言われた。

  • 小学校に何を持って行くべきか。
  • 宿題をやるべきか。やるとすればどのようにやるか。
  • 中学受験をすべきか、塾に行くべきか
  • どのような本を読むべきか
  • ゲームをすべきか
  • 遊ぶべきか

そして、親は彼が決めたことには、どのような結果になろうと一切口を出さなかった。だが、彼が困って相談した時は、全力でそれをサポートした。

もちろん、彼が小さい頃は、「わからない」といっていろいろなことを投げ出したこともあった。夏休みの宿題を「やらない」と決めた時も、親は一切口を出さず、彼の言うがままに任せた。結果、彼は学校で恥をかき、先生にひどく叱られた。

 

先生が見かねて両親に「お子さんに宿題をやるように言って下さい」と依頼した際も

「うちの子供が自分で決めることです。その代わり、結果については責任を取らせて下さい」とはねつけたそうだ。

彼は悩んだ。「なぜ、うちの両親は私の事の何も決めてくれないのだろう」と。友達は両親に「あれをやれ」「これをやれ」と、教えてもらっているのに。

 

そしてあるとき、彼はテストで不正をした。不正は当然、先生の知るところとなり、先生は両親に「お子さんがカンニングをした」と、知らせた。

両親は一言も怒りの言葉を発せず、彼に言った。

「このまま不正を続けるか、不正をせずに正々堂々と取り組むか、自分で選びなさい。選択の結果が人生を作る。ただし、お前に言っておこう。不正を繰り返す人間の周りには、不正を繰り返す人々が集まる。お前が今後どのような人々と交わっていきたいのか、よく考えなさい。」

 

彼は自分で考え、「不正をしない」ということを選んだ。そして、彼はそこから突然気づいた。

「そうか、自分の人生は、自分しか決めることができないのだ。」と。

そして彼は変わった。自ら勉強し、望みの学校へ入り、大学は海外へ奨学金をとって留学した。彼は常に成績上位であり、遂には望みの職業についた。

それは、彼が自分で選択したことだった。彼は、「自分で選択したことが、自分の人生をつくっている」と確信した。

 

彼は言う。

「私が両親から教えてもらった、人生を後悔しないための3つの大事なことは、

「自分の頭でよく考えなさい」
「自分で選択しなさい」
「責任を引き受けなさい」

という、本質的な原則だ。

「決める力」は訓練しなければ身につかない。時にはつらい選択もある。でも、「自分が選んだ」と思うことが、一番大事だとおもう。子どもたちにも、伝えていきたい。」

 

 

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(2025/12/24更新)

 

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