仕事のチカラ社会人の方々に、働き方や仕事観に関して話を伺う【仕事のチカラ】。第二回は、株式会社ニイナナの代表、堀江さんにお話をうかがいました。

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堀江さんは新卒でソフトバンクに入社後「どうしても起業したい」という夢を諦めず、26歳でお金を貯め起業しました。起業のネタは、なんと「靴磨き」。

東京の出張靴磨きサービス|極上の靴磨きならミガクルへ

サービス名は「ミガクル」です。特長は出張、宅配に特化したサービスであること。

 

―具体的にはどのようなサービスなのですか?

2つあります。1つは法人向けの「出張靴磨きサービス」です。

私は前職がソフトバンクだったのですが、福利厚生の一環として社内に「マッサージ師」が常駐していました。それと同じように、「靴磨き屋」が社内に常駐しているという企業向けのサービスです。

特に保険、証券など外回りの営業の方が多い会社に良いのではないかと思いますが、もちろん、個人の方であっても「出張して磨いてくれ」というご要望が有りましたら、応じております。

 

もう一つは「宅配靴磨き」です。こちらは個人の方、特に靴がお好きな方や経営者など、靴をたくさん持たれている方向けのサービスです。

「忙しくて靴を磨けない」という方は意外に多いのではないでしょうか。もちろん、みがき屋さんは駅などににいますが、「まとめて、一気にやってほしい」という方は、宅配便で我々に靴を一気に送っていただければ、まとめてお返しいたします。

 

 

−どのようにお客様を開拓しているのですか?

webでも受け付けているのですが、実は、ほとんどがご紹介によるものです。幸いなことに経営者の方々の知り合いが多くいたので、その方々のつてでお仕事を頂いています。

経営者の方々は、横のつながりがつよいですし、不動産や証券と違って、「靴磨き」はあまりご紹介に抵抗がないようです。

あと、これは意外だったのですが、靴を磨きにご訪問すると「いい靴を紹介して欲しい」「いいスーツを紹介して欲しい」などの要望をいただくので、そういったものをご紹介したりもしています。

 

−昔から起業しようと思っていたのですか?

そうです。もともと起業したい、と小学生の頃からおもっていました。恥ずかしながら、金持ちになりたかった。小学校のアルバムで、社長になるって、書いてあります。だから大学に入るまで、経営学部しか入る気がなくて。経営学部に進みました。

ところが、大学入ったらすぐそんなことは忘れてしまって…塾のアルバイトに熱中してしまったんです。とにかく給料が良くて、当時の時給は1500円でした。

大学の授業を全部キャンセルして、すべてエネルギーをアルバイトにつぎ込みました。あの頃は月に20万、25万くらいアルバイト料がいった月もあったと思います。

そしたら、感覚狂ってしまって、そのうち25万円でも全然足りないっていうことになってしまって…。このまま社会人になっても、人生相当やばいことになると思いました。

 

 

−なんだかすごい話ですね(笑)

そうなんです。そして、あることがきっかけでアルバイトを辞めたのですが、いきなりお金がなくなってしまって。

飲食店などでがんばってはたらいても、月に10万稼ぐのがやっとだったんです。でも辛さは10倍。そこで初めて、「働くの大変だな」とおもいました。

 

 

−そんなにアルバイトばかりで、学校は大丈夫だったのですか?

僕、実は2回留年しているんです(笑)

最初の留年は、完全にアルバイトのせい。大学2年生が終わった時に、20単位くらいしか取れてませんでした。その時はじめて卒業要件を確認したのですが、1年でMAX50単位までしか取れない。

「あ、留年確定した」と、ショックでした。

で、2回めの留年は、もっとひどい話です。じつは大学5年生の時に就活して、内定までもらっていたのにまた留年してしまったんです。「5年もあれば絶対に卒業できるだろう」と、高をくくっていたのが間違いでした。アホですよね(笑)

で、留年決定で、内定取り消しです。流石にこのダブルショックはやばかったです。内定を報告して、両親も喜んでいたのですが、取り消しの報告と、留年の報告と…両親を天国から一気に地獄へ落としてしまいました。流石に落ち込みましたが…。

なんとか、学費は自分で払うから、きちんと就職するから、といって、親に許してもらいました。

 

 

−それで、いきなり起業せず、就職したのですね。

そうなんです。ここで起業したら破天荒すぎる。さすがに一回就職しておこうとおもいまして…。

 

 

−就職活動はどうでしたか?

やっぱり2回も留年しているんで、カタい会社は、全滅でした。特にメーカー、銀行、証券、はバシバシ落ちました。

面接とかで、GPAなんでこんなに悪いの?って突っ込まれて、まあ正直に言うと相手の方に「すごいね~、バイタリティ溢れていい話だね」と言われるんですけど、結局落ちるんです。

ある会社では、「ウチって勝手にどんどん言っちゃう人より、言われたことをきちんとやってくれる人がいい、っていう社風なんだよね」と言われました。

それもまあ、そんなもんだろうということで頑張りまして、結局ソフトバンクから内定をもらいました。

 

 

−ソフトバンクでは何をしていたのですか?

ソフトバンクでは、法人向け商材のルートセールスをやっていました。まあ、ソフトウェアの営業です。Officeソフトやアドビのそふと、システム運用、監視ソフトなんかを扱っていました。

結構キツい時もあって、「出入り禁止の取引先を、復活させてくれ」なんていう命令も上からありました。

 

−起業のことは、ずっと考えていたのですか?

そうです。就職しても夢を諦めず、社内ベンチャーや、社外の起業コンテストに出ていました。正直、なかなか通らず落選続きでした。そんな中で考えついたが、靴磨きのアイデアだったんです。

 

 

−どんなアイデアでしたか?

ソフトバンクでルートセールスをやっていると、経営者の方からよく「堀江くん、靴は綺麗にしないと」と注意をもらっていたんです。あせって、靴を土曜日に磨きに出しに行ってたんですが、これがどうにも面倒くさい。

Googleで検索して見たのですが、家まで出張してくれるサービスは殆ど無くて、あっても地域限定や、異常に高いっていう感じでした。だったら、ミスターミニットに頼みますよね。

そこで、なぜそういったサービスがないのか、いろいろと靴みがき屋さんに聞いてみたんです。回答は人がいない、とか店が開けられない、とかでした。まあ大きくは労働集約型だし、高いのでニーズがない、と思っている人がほとんどでした。

で、本当にニーズがないのかGoogleで検索ボリュームを調べてみたんですが、実は靴磨きは、検索されている。これは、と思ってソフトバンクの社内ベンチャー制度に応募したんです。

でも、社内ベンチャーの選考員から「おもしろいけど、うちでやる必要はないよね」というコメントをもらいました。そこで、社外のコンテストにだしたところ、あるコンテストで優勝したんです。

 

 

−それからどうしたのですか?  

30くらいまで、大企業で勉強してお金貯めて起業しようと漠然と思っていたのですが、ビジネスコンテストで知り合った周りの支援者が、盛り上がって

「いつやめるの?どうするの?」

と聞いてくるんです。僕もそこから真剣に周りのニーズに応えたい、と思いました。

そう言われてみると、いまなら失うものはない、と思いまして、思い切って会社をやめました。そして今に至る、ということです。

 

 

−今は楽しいですか?

そう思います。でも、起業したての頃よりは、大変だなと思うことが増えてきました。当たり前ですが、「これはちゃんとやんないと、1年生き延びられないぞ」と。プレッシャーもありますし、1年後の未来が心配ですが、頑張りたいと思います。

 

 

堀江さん、どうもありがとうございました。ご興味のあるからは「ミガクル」から覗いてみて下さい。

 

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