仕事の意味を考えることに対し、2つの意見がある。

1つは「仕事の意味を理解して本質をつかむべきという意見。

もう1つは、「意味を考えるより、目の前の仕事にがむしゃらに取り組むべき」という意見だ。どちらもそれぞれに正しさがある。

喩え話をしよう。

ある部下と上司の会話だ。

部「この仕事、やる意味あるんですか?」(意味なんてないでしょ)

上「意味? そんなこと考えなくてもいいんだよ」(さっさと働けよ)

部「考えることを辞めるなんて、思考停止じゃないですか!」(反発)

上「思考停止とはまた違うんだよ。とにかく今は、与えられた仕事を一生懸命やってほしいってこと!」(伝わってくれ)

部「でも、意味のない仕事ならやる必要ないですよね。無駄なことに時間を費やすなら、もっと有意義な、優先順位の高いことに時間を使った方が、費用対効果が高くて良いと思います!」(食い下がる)

上「今やっている仕事の意味は、何年かあとになってわかるものなんだよ。既にたくさんの経験をしている先輩が、必要だと思って仕事を割り当てているのだから、意味は当然ある。でも、それを今のあなたが理解できるとは限らない」(諭すように)

部「なるほど・・・・・・?」(少し納得!?)

上「そう、意味があるから仕事として与えている。だから、とにかく今は一生懸命働いてくれればそれでいい」(畳み掛けるように)

 上司は部下に仕事の意味を語ることはしなかった。ただ、「意味はある」ことと「今はわからない(あとになってからわかる)」ことを伝えていた。

働いている人なら誰しも一度は「この仕事にどんな意味があるのだろう」と考えることはあると思う。全く意味のない仕事なんてない。

ただ、同じ仕事でも、その意味の捉え方や理解度は人によって異なる。ある人にとって意味のある仕事が、別の人にとっては無意味に感じられる仕事だったりする。

そういえば、かの有名なスティーブ・ジョブズさんはこんなことを言っている。(2005年にアメリカのスタンフォード大学の卒業式でおこなったスピーチ)

Again, you can’t connect the dots looking forward; you can only connect themlooking backward. So you have to trust that the dots will somehow connect in yourfuture. You have to trust in something — your gut, destiny, life, karma, whatever. Thisapproach has never let me down, and it has made all the difference in my life.”

“繰り返しですが、将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎあわせることなどできません。できるのは、後からつなぎ合わせることだけです。

だから、我々はいまやっていることがいずれ人生のどこかでつながって実を結ぶだろうと信じるしかない。運命、カルマ…、何にせよ我々は何かを信じないとやっていけないのです。

私はこのやり方で後悔したことはありません。むしろ、今になって大きな差をもたらしてくれたと思います。”

(英文引用:http://news.stanford.edu/news/2005/june15/jobs-061505.html

(翻訳引用:http://www.nikkei.com/article/DGXZZO35455660Y1A001C1000000/

「点」と「線」。思い当たる節はたくさんある。

入社してすぐ、部屋の内見用の照明を買うという役割を先輩から与えられたことがある。

小さな仕事だが、小さなことにも躓くのが1年生。「限られた予算であること」と「色や明るさの要望」を考慮して照明を比較し、選ぶ必要があった。だが私は比較が不十分なまま、「これ!」と選んだ。

結論から言うと、最終的に選ばれたのはその照明だった。でも、先輩は「なんでそれなの?」と聞いてくる。その質問に、答えることができなかった。当たり前だ。充分に比較していないのだから。そんな私に、先輩はこう言った。

「俺にプレゼンしてほしい。こういう理由でこれを選びました、とプレゼンして、納得させてくれ。」

先輩を納得させる材料を揃え、資料を作り、説明する。やっと買えた。小さな買い物に、ずいぶん時間がかかった。正直に言うと、その時心に残ったのは「徒労感」だけだった。

なぜなら、意味を理解していなかったから。私にとって、その仕事は「点」だった。でも、仕事は誰かを納得させなければならないことばかり。

そうか、自分だけが納得していても、ダメなんだ。

 そんな当たり前のことに、いくつもの「点」を経験して気づく。最近ようやく短い「線」ができてきた。

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(2025/5/22更新)

 

【著者プロフィール】

名前: きゅうり(矢野 友理)

2015年に東京大学を卒業後、不動産系ベンチャー企業に勤める。バイセクシュアルで性別問わず人を好きになる。

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