PAK42_syachikunoannei1323500最近では仕事の都合上、コンピュータの技術者の方々と話す機会がかなり多い。

そんな中、ある1人の技術者の方と出会った。その方は大学を卒業したのち、数年間システム開発の仕事をしていたそうなのだが、ある事情で会社をやめたそうだ。

私は、「なぜ会社を数年で辞めたのですか?」と聞くと、その方は、

「どうしても朝起きられなくて…」と、苦笑いして言った。

彼は9時にどうしても会社に来ることができず、会社に馴染めなかったそうだ。上司からは何度も注意を受け、そのたびに「早起きしよう」と頑張ったそうなのだが、長続きせず、ついには会社を辞めてしまった。

今はフリーランスのエンジニアとして、生計を立てているそうだ。

その時私は、「まあ、遅刻ばかりだと会社には居づらいし、まともに働くのは難しいだろうな」としか思わなかった。

 

 

 

しばらく後、私はソフトウェア開発をその方に依頼する機会があったので、一緒に働くことになった。

仕様をコチラで決め、設計およびコーディング、テストを彼にお願いした。そして、週一回の定例会議を設定した。

 

そして、プロジェクトが始まったのだが、彼の上のエピソードを、私もすぐに実感することとなった。

ミーティングが15時から出会っても、13時からであっても、彼は「必ず遅刻する」のだ。本当に「時間どおり」ということが無いのだ。

 

通常ならば、怒る人も多いのかもしれない。

だが私は「なるほど…これか」と思ったが、彼にとやかくいうことはしなかった。

なぜならば。

彼はプログラミングに関して天才だったからだ。依頼したことはこちらの意図も組んで実装し、こちらの先回りをしてロジックのチェックもしてくれる。しかも、仕事はとても早い。

様々な技術者と会ってきたが、彼は別格だ。

一見無理そうなこちらの注文も、殆どの場合は技術的に解決してくれる。納期もきちんと守る。

彼ほどの技術者には中々巡り会えないだろう。

 

そこで、私はひとつの疑問に突き当たった。

彼は前職、「9時までに会社に来るように」という上司の命令に従わなかった。そのため、会社は彼を放逐した。

しかし、その代償として、その会社は1人で5人分、10人分の働きをする技術者を失ったのだ。

 

「9時までに会社に来る」ということは、技術者の生産性とはほとんど関係がない。気持ちが乗る時間帯に仕事をするのが一番はかどるし、結局は生産性の高い仕事ができる。

極端な話かもしれないが、人との約束に遅れる、というのも、客が特にとやかく言わず、成果物がきちんとあがってくれば、問題はない。

 

 

前職では、遅刻者には厳罰が課された。時には降格や減給という厳しい処置を下す事もあった。

当時は「サラリーマンなのだから、当たり前」と思っていたのだが、今の状況を見ると、そう決めつけるのにいささかの疑問もある。

 

「得意なこと」について力を発揮してもらい、「できないこと・苦手なこと」には目をつぶる。

長所進展、強みを活かす、という言葉を使う人は多いが、形式を重視するあまり、本当にこれを実践している人は実に少ないのではないだろうか。

 

そんなことを、彼の働きぶりを見て感じたが、どうだろうか。

 

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東京大学経済学部卒業後、ドイツ証券に入社し投資銀行業務に従事。
2020年に株式会社TOKIUMに参画し、当時新規事業だった請求書受領クラウド「TOKIUMインボイス」の立ち上げを担当。
2021年にはビジネス本部長、2022年より取締役に就任し、経費精算・請求書処理といったバックオフィスDX領域を牽引。
業務効率化・ペーパーレス化の分野で多くの企業の課題解決に携わってきた実績を持つ。

安達 裕哉 氏(ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO)
Deloitteで大手企業向けの業務改善コンサルティングに従事した後、監査法人トーマツにて中小企業向け支援部門を立ち上げ、
大阪・東京両支社で支社長を歴任。2013年にティネクト株式会社を設立し、ビジネスメディア「Books&Apps」を運営。
2023年には生成AIに特化した新会社「ワークワンダース株式会社」を設立。生成AI導入支援・生成AI活用研修・AIメディア制作などを展開。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計71万部を突破し、2023年・2024年と2年連続でビジネス書年間1位(トーハン/日販調べ)を記録。


日時:
2025/5/16(金) 15:00-16:00

参加費:無料  定員:50名
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(2025/5/8更新)

 


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