「最近、「研修制度が充実していますか?」と学生によく聞かれるんですよ。」とある金融機関の人事部の人は言った。
「もしかしたら毎年、この手の話は話題になっているのかもしれませんが、昔よりこの手の質問をする学生が増えている気がします。」
私は聞いた。
「その質問にどう答えているんですか?」
「いや、正直に言えばその質問をする学生はほとんどアウトなんですよね。なので聞き返していますよ。「どんな研修を受けたいんですか?」と。」
「そうなんですか。どんな答えが返ってきますか?」
「簿記とか、英語とか、そういったスキル関係の研修を期待しているひとが多いですね。
そこでもう一度聞くんです。「その研修を社員に受けさせることで、うちにどういったメリットがあるんですか?」と。そうすると、彼らは黙ってしまう。」
「ちょっと厳しくありませんかね。」
「まあ、ちょっと意地悪かなとは思います。でも、そんなことを言っているようでは社会人になってからもダメでしょうね。
結局我々は「その社員に受けさせて、我々に明らかなメリットがある研修だけ用意します。英語やら、簿記やらは自分で勉強して下さい。」と言わざるをえないんですよ。例えそれを用意していたとしても。
逆にそれで学生に辞退されるようなら。お互いにいいじゃないですか。」
「研修の充実を標榜する会社もありますよね」
「いや、他社が学生にそういう売り込みをするのは勝手ですよ。でも本音を言えば「研修が充実しているから」という理由で来る学生は質が低いと思います。」
「なるほど……」
「もちろん研修は重要です。我々もかなり練り上げた研修を提供しています。社員にできるようになってほしいと願っています。
でも、どんな研修を受けたとしても、最終的にそれが生きるかどうかは本人の「進んで学習する能力」によります。
だいたい「教えてくれないから出来ない」とか言っている人は新人でなくてもたくさんいますが、そう言った人物はキチンと教えても結局仕事ができない。そんなもんです。」
「そうかもしれません。」
「いや、だいたい仕事のできない人、ってのは人のせいにするのが本当にうまいですよ。たとえば昇進出来なかったときに「派閥のせいだ」って言う人、本当に結構いるんですよ。
いや、派閥の存在は認めますよ。でも、あなたの人事は派閥とは関係ないから、っていうことのほうが圧倒的に多い。
自分が昇進できない理由を派閥のせいにしているわけです。そう言った人は結局「教えてくれないから出来ない」という学生と何ら変わりありません。」
「……」
「およそ、うまくいかない言い訳を考えつかない人はいないですよ。でも、うまくいかない理由を「自分がコントロール出来ないこと」においてしまったら、もうダメですよね。少なくともうちの仕事の大部分は自分次第です。
だから私は学生の面接において「うまく行かなかった理由は何ですか?」と聞いて、自分がコントロール出来ないことばかり挙げる学生は採用しません。
そう思いませんかね?」
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