先日、高知県在住の知人から「面白い企業がある」という紹介を受け、取材を通じてその経営とマネジメント、そして製造工程について話を伺った。
お菓子の製造を行う企業なので、本来であればお菓子について詳しく書くべきなのだろうが、「会社や仕事のことを書いてくれればOKですよ」というありがたい申し出をいただくことができた。
そこで本PR記事では、高知県の日高村にある「芋屋金次郎」についてご紹介する。創業60年余、芋けんぴ製造でNo.1の企業だ。
まず「芋けんぴ」とは何か。
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芋けんぴとは
芋けんぴはさつま芋が主原料の揚げ菓子です。だからこそ、芋がものいう。芋屋金次郎はその芋のうまさと品種、栽培方法にこだわります。
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取材に応じて頂いたのは、担当者の広末さん。
広末敦士さん
澁谷食品に新卒で入社し、現在7年目、直営ブランド「芋屋金次郎」の店舗管理マネジャー。広末涼子さんの従兄弟らしい。
広末 「安達さんは「揚げたての芋けんぴ」を食べたことありますか?」
安達 「いえ、ないです。」
広末 「日本橋に店舗があるので、一緒に行きましょう。」
高知県の会社だが、まずは日本橋、コレド室町の「芋屋金次郎」の店舗に訪問した。
カウンターに「揚げたて芋けんぴ」とある。
広末 「お店の人に「あたたかいのを出してください」というと少し待てば出してくれます。」
ここでは揚げたての芋けんぴを供するため、一日に七十回、揚げる時もある。
奥には芋けんぴを調理する厨房。
広末 「中に入ってみますか?」
安達 「いいんですか?」
裏に回り、厨房の中に入れていただいた。
安達 「何ですか?これ、……工場?」
広末 「乾燥機です。芋けんぴの。」
安達 「店舗のスペースより厨房のほうが大きくないですか。」
広末 「全スペースの2/3以上は厨房に充てられています。品質を求めると、どうしても専用の機械が必要でして……。」
安達 「日本橋の商業施設内とは思えないですね。」
広末 「そうです。貸主さんにかなり無理を言って、いれてもらいました。」
安達 「これは……原料でしょうか。」
広末 「素揚げされた芋です。芋は収穫時期が8月終わりから11月なので、傷まないうちに鹿児島と高知でカットし、素揚げして保管します。それを、こちらに持ってきます。」
安達 「某ハンバーガーチェーンで見たような見た目ですね」
広末 「ま、根本的にはフライドポテトですから。じゃ、揚げていきます」
安達 「良い香りですね。」
広末 「オリーブオイルの香りです。日本橋の店舗では限定でオリーブオイルとなたね油のブレンドした油が使われています。中を見てみますか?」
安達 「お願いします。」
広末 「こんな感じです。」
広末 「あ!」
安達 「……芋が溢れましたね」
広末 「……。」
広末 「……。ま、とにかく、揚がったものを食べて見ます?これが、3度揚げされた状態です。」
安達 「あ、ありがとうございます。」
安達 「熱っち!」
広末 「すごく熱いので気をつけて下さい」
安達 「……。いただきます。おお…。これは塩かマヨネーズで食べたい。でも、予想と違って全く甘くないですね。さつまいもなのに。」
広末 「旨いですよね。シンプルに揚げたら芋は旨いです。材料の「黄金千貫」という品種は、甘さよりもホクホク感の強いさつまいもなんですよ。で、これに味付けするため、寸胴に入れた蜜をつけます。」
安達 「スゴい勢いで蜜を切るんですね。あ、女性が見てますね。気になるんでしょうか。」
広末 「気になりますね。」
広末 「これで、揚げ芋に蜜がついた状態になりました。」
安達 「いい色です。」
広末 「このままでもいけますが、時間が経つとベシャベシャになってしまうので、ここから乾燥機に入れて、乾燥させます。」
安達 「さっきの巨大な機械ですね。」
広末 「そうです、実は殆どのスペースが乾燥機に占められてしまってるんですよ。乾燥機に入れて、大体30分程度乾燥させます」
広末 「これで出来上がりです。このまま店舗に運んで、販売してます。」
安達 「それにしてもいい香りですね。」
広末 「1ついかがですか?」
安達 「ありがとうございます。」
安達 「外側がバリッとして硬いですが、中はホクホクしていて、かなり香ばしいですね。糸井重里さんが絶賛するだけあります。」
広末 「そうですね、店舗での販売は揚げたてを提供できるので、一番美味しい状態だと思います。ウチは「芋の風味を活かした芋けんぴ」というのが売りなので、かなり甘さは抑えめにしています。」
安達 「確かに芋の香りが強くて、思ったよりも甘くないですね。こういう芋けんぴは初めてです。」
広末 「実は、全国のコンビニやスーパーで売られている芋けんぴも、大体半分はウチが作っているものです。高知と鹿児島に工場があるのですが、一度見に来ませんか?」
安達 「ぜひおねがいします」
(次回、高知本社の工場訪問レポート。【7割を女性が占める会社で、どうすれば「強制しないマネジメント」を実現できるのか。】に続く)
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芋屋金次郎は、日本一の芋けんぴ生産量を誇る
澁谷食品から生まれた芋菓子専門店。
昭和27年創業以来、創業者の澁谷金次郎がこだわり続けた
芋けんぴへの思い、その夢をかたちにしたお店です。
芋舖「芋屋金次郎」の母体は、高知県高岡郡日高村にある老舗芋菓子メーカー「澁谷食品株式会社」。昭和27年の創業以来、芋けんぴ一筋に生きて来ました。
現在、澁谷食品を含むシブヤグループが年間に使用している芋の量は約12,000トンで、全国のスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどで販売されている芋けんぴの約半分近くがシブヤの商品です。
芋屋金次郎は、日本一の芋けんぴ生産量を誇る澁谷食品から、ワンランク上のフレッシュな芋けんぴを提案する専門店として平成17年にオープンしました。
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