働く。この言葉はよく使われているのだけど、その意味をキチンと考えたことがあるだろうか。

 

満員電車に揺られて、朝から晩まで会社に束縛される。こういうのが働く事だと思っている人もいるかもしれないけど、そんなのは働くことの本質を一ミリも表していない。

 

今日は働くことについてキチンと正面から向き合ってみようと思う。

 

あなたの給料はあなたが経済的な価値を生み出したからからこそ支払われる

当たり前だけど朝から晩まで会社の椅子に座っているだけではお金は発生しない。アイドルならいざしらず、普通の人は行動した結果にこそ価値が伴う。

 

経済用語では働いて何らかのお金を生み出す人を生産人口といい、赤ん坊や老人などの働いく事で価値を生み出すことのない人を非生産人口と定義付けしている。

 

あなたが会社にいって給料をもらっているのは、あなたの会社における活動が何らかの貢献をもたらして、それが会社に利益を生んでいるからに他ならない。その生まれた利益の一部が、あなたに給料という形で支払われているのである。

 

ここまでは当たり前の話でしかない。では今度はあなたの活動のうち何が最も利益に結びついているのかについて考えてみよう。事務作業をしたからだろうか?何かを開発したからだろうか?それとも、書類を整理したからだろうか?

 

このようにして、自分のどういった生産的活動が会社に利益をもたらしたのかを突き詰めて考えていくと、自分に何ができるのかが実によくわかるようになる。あなたは会社にいる時間の中で、生産的活動をしたからこそ給料が支払われているのであり、朝から晩まで会社にいる事≒労働では断じてないのだ。

 

転職のタイミング

日本は新卒制度があるので、大学を卒業してすぐには即戦力かどうかは問われない。

 

だけど数年たって、30代にもなったら話は別だ。今度は面接官は「あなたに何ができるのか?」を冷徹に問い立てるだろう。この時、あなたが自分の労働でどういった価値が生み出されていたかを意識していた事は非常に役に立つ。

 

そして逆説的だが、今働いている会社で「利益に結びつく行動」が数ヶ月会社に所属していて全くないというのなら、それは労働市場において非常にリスキーな行為でもある。だってあなたは社会に何の価値も生み出していないのだから。

 

もちろん会社も馬鹿ではないから、あまりに意味のない労働配置は行わない。一見無駄に見える部署にも、ひょっとしたら何らかの価値がある可能性はある。

 

大切なのは自分の行為に価値を見いだせるかどうかに他ならない。それが数ヶ月いて全く見いだせないのなら、あなたが馬鹿か会社が馬鹿かのどっちかだ。

 

もし今の労働行為が経済的に何の価値も見出していないと思ったのなら、躊躇せず価値を生み出せるスキルを習得できる場所にむけて動き出そう。はじめにもいったが、労働≒生産だ。若くして非生産者になってしまったら、誰もあなたを助けてはくれない。

 

あくまで筆者の経験上ではあるが、二、三年程度もあれば生産的なスキルはある程度は手に入れられる。その時に、自分の労働が会社にどういった価値を生み出しており、またそれがどれぐらいの経済的規模なのかをちょっとでも計算できれば、そこからのキャリアプランは随分と簡単に組み立て可能だ。

 

もしそこに成長の余地がないのならば、その手に入れられたスキルを元に転職すればいいし、もしまだまだ会社の規模に比べて自分の生産している価値が低いようならば、こんどはどこに学ぶべきことがあるかを見出し、それを学習すればいい。

 

なんだってそうだけど、自分のやっている事にどういう意味があるのかを意識するだけで、随分と行動も変わってくるのだ。

 

副業のススメ

このようにして、本業としてのスキルをキチンと身につける事に成功したら、この次に是非取り組んで欲しいのが副業である。

 

人は2つの本業は基本的には持つことができない。医者をやりながら会計士をやることは普通の人にはできないように、本業は普通は一つしかもてない。

 

テクノロジーの進化とともに、人の生産性は格段に向上した。例えばお笑い芸人の又吉さんは、お笑い芸人として働きつつ芥川賞を受賞するといった事も成し遂げた。もちろん並外れた努力と才能がそれを成し遂げるための礎となったのだけど、一昔前まではこんな事は絶対に不可能だった。

 

かつては作家は本業でしかできなかったかもしれないけど、現代では何か別に本業を持ちつつ本を出している人は決して珍しいことではない。そんな事が何でできるようになったかというと、キーボードという文字を疲れずにメチャクチャ簡単に打ち込める機械が登場したからに他ならない。テクノロジーの進化によって、私たちはかつては2つ持つことがかなわなかった仕事を、複数所有できるようになったのだ。

 

副業の本質は、並列可能な稼げる手段を2つ持つことに他ならない。コンビニで週末にバイトをするといった、時間を金に変換するような行為だけは絶対にしてはいけない。本業と平行して行える経済的生産行為が副業の本質なのである。

 

労働市場は栄枯盛衰。どの分野が将来勝つのかは誰にもわからない

シャープやソニーといった、かつて栄華を誇った日系メーカーが現在憂き目をみているように、労働市場においては10年後にどこの分野に所属していたかが決定打になるのかは誰にもわからない。あなたが価値があると思って習得した生産スキルは、10年後にひょっとしたら市場からは過小評価されてしまうかもしれない。

 

そうした時の保険になるのが副業としてのスキルだ。なんでもいいから何かを生み出すようにしよう。はじめは誰にも見向きもされないようなしょうもないものも、ひたすら継続することで、ある日突然価値ある何かに変化する事がある。

 

もちろんというか本業が疎かになってしまったら本末転倒だ。基本的に副業は失敗したらいい暇つぶしになったと思い、成功したら儲けものぐらいのスタンスがちょうどいい。

 

ここまで書いたように、本業で自分の行為の何が富を生み出しているかについて真剣になっているあなたならば副業の何が新たな富に結びつきそうかを考えるのはそんなに難しいことではないだろう。

 

はじめはかなり真面目に取り組まなくちゃいけなかった本業も、2,3年もすれば片手間である程度はこなせるようになるはずだ。その片手間に本業をこなしている最中に、副業の構想を練り、帰宅後にそれを形にするればいい。それに経済的な価値をつけてやることさえできれば、本業をこなしながらにして複数の収入源を手にすることができる。

 

このような存在になれれば、会社に通いながらにして他の人と圧倒的に収入格差を生み出せるようになる。こうして複数の収入源を意識して開拓することが出来た時に初めて、あなたは労働市場で圧倒的勝者になる事ができるのである。

 

こうしてみれば、働くって言葉、結構意味が深いと思いませんか?

 

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(文責-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)

 

プロフィール

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高須賀

都内で勤務医としてまったり生活中。

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