昔、仕事が遅い部下へ向けて書いたマニュアルが出てきた。
その部下はどうしてもほかの人物に比べて不器用で、特に「手を抜く」ということができなかったため、細部に異常に時間をかけてしまう。
だが、もちろん細部に時間をかけて良いのは、それに意味がある場合だけだ。
そんな部下の「仕事が遅い」を解消する方法は、2つしかない。当たり前だが
「仕事を減らす」か
「仕事を早くする」
のどちらかだ。そして、多くの場合「仕事を早くする」よりも、仕事を減らすことを憶えさせたほうが早く結果が出る。
つまり「手を抜く」事を憶えさせるのだ。
仕事の手を抜く方針の第一は「成果につながる仕事のみを行う」である。
だが、言葉としては簡単だが、実際には手を抜く分、頭を使わなくてはならない。
その頭の使いどころを箇条書きにしたのが、以下である。
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(1)成果とは何か?を書く。
成果を定義しないと、無駄な努力が発生する
手を抜くには、引き受けた仕事について、成果を定義することから始めること。これを怠ると、見当違いの方向に努力してしまうことになる。
そして、定義は書くこと。書いて細部を検討すること。ここに時間をかけるとあとが楽だ。
なお「話せる」というだけではダメだ。話すのは一見矛盾なくできていても、書くと矛盾が見つかることは多い。
(2)成果に関連しない仕事は捨てる。
仕事を捨てて生産性をあげる
仕事は「やってみないとわからない」ことも数多くあるため、どうしても時間が経つと「無駄な仕事」が数多く発生する。
しかし、仕事に聖域を作ってはいけない。成果に繋がっていないかぎりは全て無駄な仕事であり、生産性を低下させる。
したがって、今自分の行っている仕事はすべて、1ヶ月に1回程度は見直し、無駄であればその仕事は破棄する。
(3)文書で指示してもらう
口頭で指示を受けると、後から不明な点が続出して手戻りが出る
口頭での指示は極力、できるだけ「メールで詳細をいただけますか」ということ。
口頭のみの指示は、上司が適当に指示を出しているケースも多いからだ。
ただ、口頭のほうが好きな上司もいるので、その際は面倒なのだがメモを取り、後で確認のメールを送ること。周到に仕事を引き受けないと、後で苦労するのはあなただ。
(4)上司とお客さんにやらせる
自分でやらないほうが早い仕事は多い
どう考えても自分でやるより人がやったほうが早い仕事がたくさんある。だからあなたが何年目だろうと、上司やお客さんにバンバン指示を出すこと。
上司とお客さんがどうやったら動くかを考えるのも仕事の一つだ。
「上司やお客さんにやってもらう」なんてできない、というもいるかもしれないが、それは頼み方次第だ。
コツは交換条件にすること。「こちらはこれをやりますから、あなたはこれで」が基本の頼み方だ。得意なことだけこちらでやり、人がやったほうが良いことはうまくやってもらうこと。
(5)パクる/真似する
ゼロから考えるのは時間の無駄
言い方はよくないが、パクるのは重要だ。正確に言うと、「自分でゼロから考えるのは時間の無駄」という考え方だ。我々は芸術家ではなく、科学者でもない。ビジネスパーソンである。
したがって、最短距離を歩まなければならないし、オリジナリティが求められるわけでもない。
社内資料をコピペする。競合の情報を手に入いれて利用する。顧客から資料をもらって、それを使う。
(6)定型化する
様式、マニュアル、基準を作って、同じことで2度悩まない
非定型のように思える仕事であっても、実はほとんどの仕事は定型化できる。
例えばインタビュー、企画書の作成、設計書のレビュー、マニュアル作り、営業、メルマガの作成などは、すべて定型化できる。定型化に必要なのは、
1.様式の作成
2.手順書
3.品質基準の作成
である。
例えば「企画書作成マニュアル・様式集」「営業時の定型文例」を「メルマガ作成時の構成例」など、同じ仕事を二度考えずにできるようにする。また、人に任せることも可能となる。
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(Brie M.)