「水を使わないトイレ」というものがある。5年ほど前から出てきているらしいのだが、「無水トイレ」という名前で販売されている。
「水を流すからかえってトイレが臭う」という逆転の発想の賜物だ。
”人間(哺乳類)は小便をアンモニアではなく、尿素として排出するんですね。
でも、この尿素に水を加えてしまうと、空気中や便器に付着しているバクテリア(細菌)が活性化してしまい、尿素が分解されて、あの臭いアンモニアに変わってしまうので、だかろこそ敢えて水を使わないトイレだと、究極の消臭効果が得られるという仕組みだったのであります。”
とのこと。
洗浄するための水が原因で、トイレに悪臭が発生するとは、なんとも皮肉な結果です。
最近では、センサー付きのトイレが増えて、自動洗浄してくれるトイレが殆どになりましたが、無水トイレでは、貴重な資源である水と電気が大幅に節約できる。
工事の手間も自動洗浄トイレに比べるとはるかに簡便なものになっているとのこと。
ただし、5年ほど立った今、全トイレの中で無水トイレのシェアは2%に過ぎず、ほとんど普及していないらしい。特に、TOTOやINAXなどの国内大手は無水トイレの供給に否定的。
そりゃ、自分たちのビジネスを根底から覆す可能性のあるトイレだから、積極的には売らないでしょう。
でも、それ以上に我々ユーザーの認知の問題もあるかもしれません。
イノベーションがあまりにも常識と異なると、ユーザーは戸惑う。
「え?水洗トイレじゃないの?汚いんじゃない?臭いんじゃない?」という極めて常識的な感覚と反するものが受け入れられていくには、時間がかかるのかも。
技術的なイノベーションだけでは、普及の速度には限界がありそうです。マーケッターの出番なのでしょうか。
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