SFAというソフトウェアがある。Sales Force Automation の略で、日本語では「営業支援システム」と訳されたりする。
営業担当者個人で留まりがちな顧客情報や案件の進捗、商談事例等の営業活動に関わる情報をデータ化して活用することで、営業の生産性を上げ、効率化を進めることを目的とした情報システム。
事務処理プロセスの自動化を目指したのが「OA(office automation)」であるのに対し、営業プロセスの自動化を目指したのが「SFA(sales force automation)」である。顧客情報の管理・分析の要素も含まれるため、「CRM(Customer Relationship Management)」の一環として扱うこともある
(Wikipedia)
要するに「もっとたくさん売るために、営業の情報を集約して、使いやすくするためのシステム」といったものだ。1990年頃でアメリカでコンセプトが生まれ、その後日本に持ち込まれた。
システムを販売している有名どころは米SalesForce.comである。国内であればソフトブレーンのeセールスマネージャーなどが有名だ。
当然、「営業の成績を上げる」というフレコミで販売されるので、経営者にウケは良い。営業マンをたくさん抱えた会社なら、何かしらのSFAを導入していると言ってもいいだろう。
しかし、経験的に言えばSFAを導入している会社は多いが、うまく利用している会社は殆ど無い。経理システムの利用頻度と比べると雲泥の差である。
大体、導入したはいいが、スケジュール管理のためのカレンダー以外は全く使われていない、という状況である。肝心の「お客さんとの商談の内容」であるとか、「見込み客の確度」であるとか、「次回アポ取り予定」など、営業に入れて欲しい情報は全くシステムの内部に入っていない。
経営陣はSFAをつかって、もっともっと売上を上げたい・・・・のに、現実的には殆どの場合、現場の営業マンに「仕事を増やすだけの余計なシステム」と認識されていることがほとんどである。
そこで、SFAの販売を行っている会社に何度か私は、「現場ににキチンと営業案件をSFAへ入力させるにはどうしたらよいか」と聞いたことがある。
返答は概ね以下の様なものであった。
・入力しない人に罰則を適用する
・入力しないと受注できないようにする(稟議などが上がらないようにする)
・データ管理の重要性を教育する
いずれも、解決策としてはダメダメであると感じる。「SFAに入力するということが、全く現場の営業マンのメリットになっていない」からだ。「とりあえず恫喝して入力させとけ」という考え方と言っても良い。
もちろん恫喝すれば皆しぶしぶ入力する。だが、入力されたデータは「とりあえず入力しました」といった無駄な情報ばかり。「売上のアップ」など、夢のまた夢だ。
そして、だいたい半年から1年位すると、「役に立たない」ということがわかって、そのSFAは使われなくなる。社長も営業部長から報告を聞き、「できれば入力してくれ」という曖昧な物言いになり、SFAは忘れ去られていく。
さて、ここまでお読みいただいた方は、「じゃ、どうすればいいのよ」ということが気になっているだろう。
そんな方に、次のことを試していただきたい。
1.まずはSFAをヤメる
とりあえずの記録は時間の無駄。一旦全部やめて構わない。
2.SFAをやめたら、商材別に営業活動に関して、仮説を作る。
・よくお客さんのところに通う人が、リピートをもらう
・商談が長いほうが、単価が高くなる
・東京よりも千葉のほうが買い替えサイクルが早い
・予算が決まっているお客さんは3ヵ月以内に
・ほとんどのお客さんは6ヵ月以内に追加購入する
など、自分たちの売上に大きく改善出来そうな仮説を作る。
3.仮説を検証するために、どのような記録が必要かを考える。
・訪問回数が必要?
・前回の商談の時間が必要?
・予算の情報が必要?
・訪問サイクルの情報が必要?
4.必要な情報に絞って、SFAを使う
項目は3、4項目に限定する。どうせたくさん記録をとっても使えない。これくらいなら営業マンもやってくれる。仮説を一緒に考えていれば、ゲーム感覚で協力してくれる。
ポイントは明らかに3で、「自分たちの営業の改善をすることに必要な情報はなにか」「どうやってそれを検証すればいいか」の2つをきちんと議論することである。
「データ」と「検証」は常にセットで扱うこと。これが営業マンに営業記録をつけてもらうためのコツだ。
(事業サービス責任者-ティネクト株式会社 取締役 倉増京平)
ありきたりなSEO記事はもう、やめませんか。
例えばこんなコンテンツ
既存のウェビナー動画をSEOコンテンツ化
セールスパーソンなど顧客に近い立場の方へのインタビューのSEOコンテンツ化
サービスや製品の開発者のエピソードのSEOコンテンツ化
大成功したウェビナー動画や、貴社のエース人材が顧客の心を掴むトーク、開発者しか知らない専門エピソードを正しく言語化し、貴社ならではの視点や経験が反映されたコンテンツ発信に取り組んでみませんか?
ますはティネクト事業責任者倉増に相談ください。
こちらからお問い合わせください。