a0002_010839少し前まで、マンションの売れ行きが絶好調だったそうだ。アベノミクスを背景に、五輪招致の決定、消費税の導入と「今」マンションを買う理由を持った人が多いということだろう。

マンションの売れ行き、バブリーな様相 7月の住宅着工2ケタ増

 

”国土交通省は8月30日、平成25年7月の新設住宅着工戸数をまとめ発表した。総戸数は前年同月比12.0%増、11カ月連続増加の84,459戸となった。内訳は持ち家が31,475戸(前年同月比11.1%増、11カ月連続増)、貸家が31,012戸(同19.4%増、5カ月連続増)、分譲住宅が21,361戸(同4.3%増、3カ月連続増)。

分譲住宅の内訳はマンションが9,977戸(同0.6%増、3カ月連続増)、一戸建て住宅が11,305戸(同8.4%増、11カ月連続増)。”

 

9月以降にはさすがに陰りが出てきているようだが、不動産業界は大いに潤ったとのこと。

 

 

しかし、その一方で大型のマンションについての問題も指摘されている。

新築が売れる陰でスラム化したマンションが増えていた(NAVERまとめ)

現在の高層マンションの寿命は約50年。それ以上になると建て替えや改修が必要だということだ。しかし、「全国の4割のマンションで、管理費の滞納がある」(4割の人ではない。当たり前だが)とあるが、マンションには個別にいろいろな事情を抱えた人が住んでいるので、時期が来たからといって、「建て替えしましょう」という訳にはいかない。なにより、住民同士の合意を取ることに大変な困難を伴う。

 

”現在はマンションを棟ごと売却して別の場所に住み替える場合、所有者全員の同意が必要。同じ場所での建て替えは所有者の5分の4以上、改修は4分の3(耐震改修は2分の1)以上の同意で行える。”

 

30代は永住できない大規模超高層マンションという記事によれば、

 

ましてやこのマンションのように1,000戸を超える規模となると、建て替えを決議することは不可能に近い。

そもそも上層階と下層階では経済格差のある住民が、専有面積あたり同じ管理費・修繕積立金を支払っていることに無理がある。

さらにいえば、上層階の住民のほうが、エレベーターや揚水のための電気代を多く使っているし、大規模修繕に多くの費用を要している(たとえば、外壁の修繕は高層マンションであるがゆえに、ゴンドラを使わざるを得ない)にも係らず、専有面積あたり同じ管理費・修繕積立金を負担しているという不公平感については、あまり認識されていない。

建て替え問題を回避するために30代が次々と転売していくと、転売されるたびに価格は下落していくであろうから、経済力の低い住民が増加することなる。

ところが、管理費や修繕積立金は以前と変わらない(むしろ見直しのたびに増える)ので、経済力の低い住民への負担が重くのしかかる。経済格差が拡大すればするほど、建て替えもさることながら、大規模修繕の意思決定が出来ず、超高層マンションは荒廃し、スラム化が進む。

 

 

20年程度マンションに済んだら、売却して次の物件を買うことのできる「裕福な人々」は良いが、経済的に恵まれない人々にはしわ寄せが来る。

 

「家」は一生のうちで最も大きな買い物であるが、あいも変わらず「買い手」と「売り手」の情報の格差が大きい。webの出現により情報の偏りは以前よりは少なくなったのだろうが、それでも十分ではない。

「不動産リテラシー」というものをきちんと提供するサービスや、しくみがあるといいのだが。

 

 

 

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【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
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(2025/6/2更新)