4月になり、新入社員が入ってきたり、異動で新しい部下が来たりしている頃だ。
使えない新入社員に無能な部下。上司としてどう接するべきだろうか。
正解はないけれど、不正解はあって、それが軽蔑することだと私は思っている。
軽蔑は、使えない新入社員や無能な部下の可能性を殺す。
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軽蔑する人は、ごく自然に軽蔑しているのだと思う。
私も小学生・中学生の頃、よく同級生を軽蔑していた。
自分は世界の中心にいる全知全能の神様だったので、勉強や運動ができない人を軽蔑した。
陰でこっそり、ではなく、本人の前で堂々と軽蔑していた。
正義感溢れる神様は、それが悪いことだとは思っておらず、当然のことだと思っていた。
今でもごく自然に軽蔑してしまうことはあるかもしれないけれど、少なくとも世界の中心にいるのは自分ではなくなったし、神様から無知無能の凡人に転身したあたりから成長が感じられる。
さて、軽蔑が人の可能性を殺す話だが、小学生の頃の経験を少し話したい。
小学生の頃、社会見学でテレビ局を訪れたことがある。15年程前の話だが、まだはっきりと覚えている。
テレビの中がどうなっているのか、何も知らない子どもだった。番組制作について説明を聞いた後、質疑応答の時間があった。
「カメラはどのくらいの重さですか?」
「一番大変なことは何ですか?」
と様々な質問が出てきて、テレビ局の人が丁寧に答えていた。
私はテレビに文字が出てくることがずっと不思議だったので、それを質問した。
「テレビに文字が出てきますが、あれはどうやっているんですか?」
これまでずっと丁寧に答えていたテレビ局の人は、私の質問だけバカにしたように
「編集ですよ」
と答えた。
文字だけでは伝わりにくいが、「そんなの編集に決まってるでしょ」という言い方だった。
編集という言葉も知らない小学生である。
軽蔑という言葉も知らない小学生だったが、軽蔑されたことははっきりと感じ取って、「編集って何ですか?」とか「具体的にはどういうことをしているんですか」と掘り下げて聞くことができなかった。
これを「軽蔑されたから可能性が殺された」というと少し大袈裟に聞こえてしまうかもしれないが、こういう小さな可能性の積み重ねが山になるのであって、決して大袈裟な話ではないと思っている。
もちろん、相手の態度なんて気にせずに聞きたいことをどんどん聞いていけばよかったのであり、相手のせいにするのは違うと思う。
ただ、結果的に、テレビ局の人の軽蔑した態度は、小学生の興味の芽を切り取ってしまった。
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あれは小学生の頃の出来事だから、さすがに今ではちっとやそっとじゃダメージは受けないだろうと思っていた。
でも、そんなことはなかった。
自分で自分の価値を認めてあげられるほど大人になっていない人間は、軽蔑されると傷つくのである。
軽蔑されて傷つくと、その人に対して発言することが難しくなる。
「どんな本が好きなの?」とか、そういうなんでもないようなことも答えられなくなる。
「週末は何するの?」と聞かれても、答えられない。
言葉が出てこなくなる。
そんな経験をした。
他者からの評価に依存しているが故の傷だ。
どんな傷であろうと傷は傷。
治るまである程度の時間を要する。
で、言いたいのが最初に書いた「使えない新入社員や無能な部下を軽蔑しないでほしい」ということだ。
他者からの評価に依存しない、自分で自分の価値を認めてあげられるほど大人な新入社員や部下なら問題ないだろう。(おそらくそういう人は使える新入社員であり、有能な部下だと思うが。)
でも、そうではなかった時、あなたの軽蔑は確実に相手に伝わり、傷つける。
そして相手はあなたに対して発言をしなくなる。
表面的なことしか言えなくなり、使えない・無能な状態からの脱却が難しくなる。
軽蔑が人の可能性を殺すとはそういうことだ。
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社会人3年生になりました!
これは新入社員を迎える自分に向けた記事でもあります。
ではまた!
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[著者プロフィール]
名前: きゅうり(矢野 友理)
2015年に東京大学を卒業後、不動産系ベンチャー企業に勤める。バイセクシュアルで性別問わず人を好きになる。
著書「[STUDY HACKER]数学嫌いの東大生が実践していた「読むだけ数学勉強法」」(マイナビ、2015)
(Photo:J Stimp