すいません、例によって、当たり前の人には当たり前かも知れない話をします。
しんざき、38歳。しんざき長男、10歳。しんざきと長男の誕生日は1日違いでして、先日仲良く1歳ずつ年をとりました。y = 5xの関係だったのが3年前、y = 3xの関係になるのは4年後です。初歩数学の問題のモデルケースですね。
子どもが10歳にもなると、ぼちぼち思春期も目前に迫ってきて、悩ましい課題が出てきます。性教育です。
性教育で何を、いつ頃、どういう風に教えてあげればいいかなー、と考える訳です。ちょこちょこ奥様とも意識のすり合わせをしたりします。すり合わせ大事です。
子どもに何かを教える時は、まず根っこの目的から考えるようにしています。
根本的には、何を教えてあげないといけないのか。どんな「考え方の土台」を作ってあげる必要があるのか。ゴールを設定してから、積み上げ型で教える内容を考えるのがしんざきの基本方針です。
性教育の根っこの目的って何かというと、多分「相手の性の尊重」だと思うんですよね。
性別とは何なのか、何の為に分化しているものなのかを理解する。男性なら女性の、女性なら男性の特性を理解する。理解すれば、尊重することが出来る。
例えば男の子なら、女性の生理だとか、体の特徴だとか、成長に伴う変化とか、きちんと理解していれば「実体としての女性」というのが何なのかわかるし、それを揶揄したり、現実とファンタジーを混同したり、相手に配慮せずに性的に消費したりすることもなくなってくるんじゃないか、と思うんです。
当たり前のことですよね?
ただ、どうも世の中には「性教育 = 性行為のやり方を教えること」みたいな、随分短絡的な捉え方をしてる人も結構いるようなんです。
例えば、小学校高学年くらいを対象にした育児相談会みたいな場所ですら、ちょっと年配の人だと性教育の話をしただけでぎょっとしたりしますし、「小学生にそんなことを教えるなんてとんでもない」的な反応を示したりします。つまり、「性的な情報は可能な限り隠すべき」というスタンスみたいなんですね。
いやちゃいますやん、と。
子どもにエロビデオ見せようって話じゃないですやん、と。
逆に、18歳とか過ぎて、無制限にそういう情報に触れられるようになるまでに、きちんと意味を教えておいてあげるべきですやん、と。
これは一般的に言ってしまっていいと思うんですが、「何かを知りたいと思った子どもから、その情報を隠し通すことは基本的に不可能」です。いや、例えばPCのパスワードとか銀行の暗証番号とか、細かい特定の情報なら隠せるかも知れませんが、ある程度一般的な情報を隠蔽し切ることはまず不可能と考えていい。
それは何故かというと、子どもの情報収集能力は大抵の親が想像するよりも2レベルくらい高いし、情報ソースやネットワークも大人が想像するよりも遥かに広大だからです。
小学校高学年にもなってくれば、子どもは親と何の関係もないところで、色んな情報を収集できるようになっています。ソースは自分。
だとすれば、親がすべきことは、「隠したい情報を隠そうと頑張る」ことではなく、「その情報の意味をきちんと教えつつ、コントロールできるところについてはコントロールする」ことなんじゃないかなあ、と思うんですよ。
性的な情報なんて、その最たるものじゃないかと。
性衝動というものはコントロールが難しいものではありますが、少なくともコントロールの難易度を下げることはできます。例えば男性であれば、女性の性ってのはこういうものなんだよ、同じ人間の特徴の違いなんだよ、ただの記号じゃないんだよ、って情報は事前に伝えておけると思うんですよね。
そこを理解して、「相手の性の特徴は尊重するべき」っていう、土台となる基本認識を教えておいてあげれば、なんぼかコントロールも容易になるんじゃないかと。それを教えるのも親の大事な仕事なんじゃないかと、少なくとも私はそう思うのです。
そこから考えて、世の中には「相手の性を尊重するべき」という土台がない、ないしは曖昧である人が結構多いように、私には思えています。
痴漢やらセクハラおやじなんかもその一つの側面なんじゃないかなーと思っていて、子どもや若者の話なんかではなく、そういう「長じても相手の性を尊重することが出来ない人」の存在こそが、性教育の失敗と言えるんじゃないかなーと思ったりしている訳です。
ある意味では、「子どもに対して徹底的に性の情報を隠蔽しようとすること」も、「相手の性を尊重していない」というべき話なのかも知れません。
子どもの判断力、子どもの柔軟性って、もっと信頼してもいいんじゃないかと、少なくとも私は思うんですけどね。
リアルな「性の特徴」というのは何なのか、ということを教えるのも性教育であれば、ファンタジーと現実の違いを教えることも、相手の性を尊重することを教えることも性教育の射程範囲の筈だ、と。
そういうことを隠そうとする方が、「性教育の失敗」の確率を高めてしまうんじゃないか、と。
私はそんな風に思うのです。
勿論、具体的に何をどういう風に教えるかというのは、土台の話の向こうで更に難しい話なので、そこについては引き続き、奥様と頭を悩ませつつ考えようというところなのですが。取りあえず、私の性教育についての基本認識は上記のような感じです。
今日書きたいことはそれくらいです。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
【プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城
(Photo:Mack Male)