つい先日、東京でいくつかの「ビジネスセミナー」に参加してきました。
実りの多いセミナーもありましたが、正直微妙なものも。
そこで改めて「なんでビジネスセミナーに参加してるんだっけ?」と振り返ってみると、いろいろと思うことがありました。
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まずセミナーに参加したいという動機は、わかりやすいところから挙げると
◎ 専門家のノウハウを学べる
◎ サクセスストーリーの内部の裏話が聞ける
◎ 事例を知ることができる
◎ 今勢いのある起業家・実業家の未来考察に触れることができる
◎ 懇親会やアフターパーティーで同じ思考性の人と繋がれる
と言ったところでしょうか。
書籍同様、初動のきっかけにもなりますし、何より気持ちがアガるので、私もテーマによっては参加しています。
ただ一方で、「なんて無駄の多いシステムだ」と思わざるを得ません。
双方向で学びが進むアクティブラーニングであれば、「現場にいること」の重要性がまだ理解できるのですが、従来のビジネスセミナーに対しては参加するメリットが陳腐化しつつあります。
1.そもそも、会場にわざわざ行く必要がない。
「出勤しなきゃダメ?」に近い意味合いです。
そもそもの話、わざわざ現地に足を運び一定時間拘束される必要性はないと思うんです。
仕事やプライベートのスケジュールを調整して、移動時間まで費やす。これって「今の学習スタイル」にマッチしてないですよね。
つまり、その場でアウトプットする必要がなければ、オンラインで充分ってことです。
ただ、オンラインであれば何でもOKというわけでもなく、隙間時間に利用しやすいかどうかも重要ではないかと思っています。
例えば 内容はともかく「グロービス学び放題」などのweb動画サービス であれば動画のひとつが長くても10分程度。仕事や生活の隙間時間にピタッと収まります。
コンテンツボリュームが大きすぎると、今のライフスタイルと競合します。
雑誌が売れなくなったのも、根源は同じ問題。雑誌くらいの深さであれば、ひとつのテーマに対して総体的に読む時間なんてないわけです。一部を切り取ったweb上のコンテンツ(記事)の方が読みやすいんですよね。
2.著名人の話だからこそ「セミナー」である必要はまったくない。
「いや、そうじゃなくて著名人の話を聞く機会なんてそうないじゃん」
と言う方もいそうですが、有名企業の経営者や実業家の話を聞く方法はいくらでもあります。というよりも、それこそオンライン上にゴロゴロ転がっています。本もたくさん出ている。
また、オンラインでもクローズドなところ、例えばSNSのコミュニティであったり、ニュースアプリの有料プランなどに入れば、更に情報は数多くあります。
ライトなもので言えば、NewsPicksの有料会員になるだけでも今ビジネスシーンで第一線を駆け抜けている方の情報がわんさか転がっています。
加えて動画コンテンツもあるので「この人の話聞きたい」も簡単に手に入ります。
少し極論ですが、そう捉えると“知っているか知らないか”の問題なので、ビジネスセミナーがあたかも「情弱ビジネス」のようにも感じてきます。
まぁ、一部では無きにしも非ずな気はしますが。。。
3.懇親会での人脈づくりって、本当に効果ありますか?
ビジネスセミナーでの懇親会・アフターパーティーについて。
ここを売りにしているセミナーは世間的にすごく多いですが、はっきり言って懇親会での「人脈づくり」は超非効率です。
参加者は学びを目的としてセミナーに来ているため、共感力は高いのですが「学びに来ている人」がメインなので、そこに自分の求める人物はいません。
人脈に対する考え方は、The Breakthrough Company GOの三浦さんが新R25で言及していました。
“人脈”なんて言葉を使ってるヤツはクソ。#三浦崇宏の人脈論|新R25 – 20代ビジネスマンのバイブル
“会うべき人間になる前に会ってもしょうがねえんだよ”
“「○○さん紹介するよ」っていうのは、基本全部断ってる”
“結局のところ、ファンとして会ったら終わりなんだよ”
“『BLEACH』の藍染惣右介も「憧れは理解からもっとも遠い感情だよ」って言ってたじゃん”
“人に会いたいがためにオンラインサロンとか入っているやつはクソだろ!”
結局のところ、受け身で交流に参加しているうちは意味がない、ということ。
もちろん、そこから繋がる交流もあるとは思いますが、ビジネスセミナーの場合、出会いの場としての純度は極めて低いと思っています。
また、そもそも論として懇親会・アフターパーティーで「自分から面白い話が出来ない」時点では参加しても意味ない、と思うのです。
その前にやることあんだろ!と。
4.「ビジネスセミナーに参加しているオレかっこいい」に溺れる
結局コレなわけです。
参加することが目的になった人、写メを撮ってタグ付けしたい人、ただのミーハー(登壇者のファン)に加え、学ぶ環境が目の前(オンライン上)にあるのにスルーをしてきた人、この人達がビジネスセミナーに参加しているわけです。
何かのきっかけを求めてセミナーに参加しますが、そこに答えはありません。解答例はありますが答え合わせは「現場」です。
そうなってくると、もはやなぜ参加しているのか?
それは単なる
「ビジネスマン“らしく”あるためのファッション」にすぎない。
そう思うのです。
そして、セミナー好きであるからこそ感じる、今の時代にあえてビジネスセミナーに参加することは「消耗」と同義ではないのかと。
🕺🏻丸山享伸
Web制作会社(UNIONNET Inc.)代表。「はたらくを楽しく」したい“小さな会社の経営者”として本音をつぶやいたり・書いたりしています。
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