昔教えていた時のことを思い出して、懐かしかったので書いてみます。

当たり前の人には当たり前のことかも知れませんがご容赦ください。

 

確かめ算ってありますよね。13 + 15 = 28で、計算が合っているかどうか確認する為に28 – 15をやって13になるか確認する、みたいなヤツ。

 

4の長男がちょこちょこ塾のテストなど受けるようになりまして、成績が良い子の名前が壁に張り出されるらしいんです。

で、「ぼくもあれに載りたい!!」と何やら張り切っています。小4からそこまで張り切らんでも、とも思いますが、まあモチベーションがあるのは良いことだと思います。

 

塾の算数を全くやっていないところから始めたので、当初は結構てこずったんですが、最近ちょっとずつ色々わかるようになってきているようで、横で見ていても頑張ってるなーと思います。

まあ、相変わらず問題が難しい時に投げやりになったり、手がつかなくってゲームしちゃったりすることはあるんですが。小学男子なんてそんなもんです。

 

ただ、長男のテストを見てみると、ケアレスミスというか、基本的な考え方は合っているのに計算を間違えていてよく分からないことになっている、みたいな問題がだいぶ多いんですね。

 

当たり前ですが、人間はミスをするものです。大人でもミスはしますが、子どものミスり具合は大人のそれを圧倒して多いです。

なので、「テストの点数をどう上げるか」という話をする時、塾の先生はまず「ミスをどうやって少なくするか」から考え始めます。分かってるところを確実にとる、の精神です。

 

 

そこで長男に、「問題解いた後、確かめ算ってやってる?」と聞いてみたら、「あんまりやってない…」という言葉が返ってきました。

もう少しヒアリングしてみると、どうも「確かめ算自体は知ってるんだけど、計算が複雑な時、どう確かめ算をすればいいかよく分からない」らしいんですね。

 

これってつまり、確かめ算について「ひっくり返して計算する」みたいな表面的な認識しかしてない、ってことだなーと気づきました。

理屈が分かっていれば、一つ一つ計算をなぞるだけなので。

 

 以前も書きましたが、しんざきは昔補習塾で数年間アルバイトをしていたことがありまして、学校の勉強が出来ない子に国語を教えたり算数を教えたりしていました。

確かめ算って、得点を上げる効率っていう意味では算数の勉強の中でもトップクラスでして、ちゃんと教えると15点とか20点とか余裕で上がったりするんで、結構親御さんにも喜ばれてたんです。

 

私教職免許もってないんであまり詳しく知らないんですが、どうも確かめ算の教え方って学校でも先生によってまちまちらしくって、塾でバイトをしていた頃も「そもそも確かめ算の仕組みが分からない」とか「確かめ算って何の為にやるのかよく分からない」という子が結構いました。

  

そこで、塾で教えていた頃のやり方で長男に確かめ算の理屈とやり方を教えてみたら、結構するする頭に入った様子なので、備忘録も兼ねて書き残してみることにしました。

長女次女にもその内必要になるかも知れないので。

 

教える時は、教える順番をステップして、つまづいたらそのステップを丁寧に掘り下げる、という感じでやります。以下、教えるステップです。

 

1.「計算の式で「〇 + × = △」って書くよね?これ、イコールの左と右は同じ数字になるよ、って意味だよね」

前提知識となる、イコールの意味の確認。言わずもがな、というのは子どもに教える時には存在しない言葉です。

どんなに分かり切ったことだとしても、時間が許すのならちゃんと言葉にして説明するのが鉄則です。本当に意外なところで認識が抜けている子はたくさんいます。

  

2.「イコールの左と右に、それぞれ同じ数字を足しても、やっぱりイコールの左と右は同じだよね」

 意外と重要なステップです。

昔見た子の中に、「書いてある式は不変であって、そこに数字を足したり引いたりしちゃいけない」と思っている子が結構いました。

試しに「13 + 15 = 28」と「13 + 15 + 10 = 28 + 10」みたいな感じで書いてあげるとちゃんと納得してくれます。

  

3.「じゃあ、 「13 + 15 = 28」っていう式の左と右、両方から15を引くとどうなるかな」

 これも重要なステップ。これなしで、「+にひっくり返して右辺に持ってくる」とかやるとかなりの確率で子どもにメダパニがかかります。

しかも、そう教えられてる子、どうも意外と多いっぽい。2を理解した上で3を説明するとあまりひっかかりません。

 結果的に、「13 + 15 – 15 = 28 -15」から、「13 = 28 – 15」「13 = 13」というのを自分で書かせられれば第一関門クリア。

ついでに掛け算割り算のパターンも出来るとなお良し。

 

 4.「さて、こんな式がありました。 「32 + 60 = 94」これで今と同じことをやってみよう」

 「なんの為にこんなことをするのか?」という、理屈を理解した上で意義を感じてもらうステップ。

実際に計算ミスを発見してもらいます。この時、生徒が実際に計算ミスをした式をもってこれるととても入りやすいです。

今回長男に教えた時は、上記よりだいぶ面倒な式でやりましたが、まあそれは気にせず。

 

 5.「「32 + 60 – 60 = 94 – 6032 = 34」あれ、変なことになっちゃったね。こういう風に変なことになっちゃったら、この計算が間違えてたってことが分かるので直します」

 事後処理ステップ。ここまでで「確かめ算」の確認自体は出来るのですが、この後色んなパターンで何回か反復します。

一回で身に着く子は滅多にいません。

確認時に、例えば角度計算の問題とか、面積の問題とか、あるいは項が増えた式とか、違う範囲の計算も提示してあげると応用範囲の広さを実感してもらいやすいです。

 

 

 基本のステップは以上なんですが、フォローとして以下のようなことを話します。 

・複雑な計算が必要な問題でも、後ろから一個一個順番にこの計算をしていけば、間違っているかどうかが分かる。それが出来るように、計算式はちゃんと途中経過も書かないといけない。というか途中経過を書くのはその為

・虫食い算(□ + (18 * 3) = 70 の中身を答えさせるような問題)もこのやり方で解ける、というかこのやり方そのまんま

・中学になったらもーーっと色んなところでこのテクニック使うから、今の内に確かめ算で練習しておくといい

 

 ここで「両辺に同じ式を追加する→結果的に式がひっくり返ったように見える」ということをちゃんと理解しておくと、中学に入って方程式勉強する時にめっちゃ楽、という副次効果もあります。

まあ勿論、実際に確かめ算をする時は確かめ算をするだけの時間を確保しなくてはいけないので、その辺は確かめ算自体の速度も含めて慣れるしかないんですが。

 

なんにせよ、

・分からない部分をヒアリング

・教える時はステップ化して、一つ一つ確認

 というのは、多分色んなところで応用できるやり方なので、備忘も兼ねて書き残してみました。引き続き、本人にやる気があるのであれば、教えられるところは教えてあげたいなーと思います。

 

今日書きたいことはそれくらいです。

 

 

【お知らせ】
ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第6回 地方創生×事業再生

再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは

【日時】 2025年7月30日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【今回のトーク概要】
  • 0. オープニング(5分)
    自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
  • 1. 事業再生の現場から(20分)
    保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
  • 2. 地方創生と事業再生(10分)
    再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
  • 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
    経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
  • 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
    「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
  • 5. 経営企画の三原則(5分)
    数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
  • 6. まとめ(5分)
    経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”

【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)

 

【プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

 

(Photo:Marco Nedermeijer