4月から、しんざき家双子女児であるところの長女・次女が小学校に行き始めました。

「給食の量が多くて泣いちゃった」とか「通学中に突如長女が突っ走り始めて他の子を撒いてしまった」とか、細かいトラブルはありながらも、おおむね楽しい小学校生活のスタートを切ってくれているようです。

自宅に待機しているランドセルの数が3つになると、流石に感慨深いものがあります。

 

で、しんざき家では毎晩、寝る前に私か奥様のどちらかが絵本の読み聞かせをしてあげるのが定番になっているのですが、長女も次女もぼちぼち、自分で本を読むようになり始めました。

特に次女は、絵本各種の他最近は「ドラえもん」「よつばと」などの漫画類にも手を出し始めまして、濫読家の片りんを見せるようになってきています。

長女もそれに影響されたのかよつばと読み始めました。子どもに対する誘因力すごいです、よつばと。

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長男は長男で、「聖おにいさん」「アオアシ」「ワールドトリガー」のような漫画類から、「ルドルフとイッパイアッテナ」のような児童書、「フォーチュンクエスト」のようなラノベ、「坊ちゃん」のような文学ものまで、およそ興味が湧いたものは何でも読むという風情で、順調に本好きに育ってくれているようです。

本を読むのは大事なことですが、ただ本を読めばいいという話ではなく、大事なのは「本を楽しむ」「本を好きになる」ことだと思っています。「本が好き」というのは、それだけで一つの大事な財産です。

 

どうやら子ども3人とも本好きになってくれたようで、その点ちょっと意識してやっていたことが実を結んだかなーと思う部分もありますので、こういうのを可視化するのも意味があるかなーと思い、今まで意識してきたことを書きだしてみたいと思います。

飽くまで「しんざき家で試して上手くいったっぽい方針」ですので、一般化するつもりはありません。ご了承ください。

 

主要なところは以下の3点です。

・家庭内で面白い本、好きな漫画についての好き語りをしまくった

・漫画でも雑誌でもラノベでも、「読みたい」となったら基本的に制限せずに自由に読ませた

・図書館を利用し倒した

順番にいきます。

 

家庭内で面白い本、好きな漫画についての好き語りをしまくった

これ、結構大事だったんじゃないかなーと今では思っているんですが。

「子どもに本を読んでもらいたかったら、まず親が本を読むこと」って言葉がありますよね。

親が本を読んでいれば、それを見て子どもも本を読みたくなるだろう、ってヤツ。

私、それはそれで正しいと思うんですけど、もうちょっと話を進めると「親の本の楽しみ方を子どもとも共有する」ことがより一層大事なんじゃあるまいかと思うんですよ。
しんざき家は、しんざきも奥様もどちらも濫読家の部類でして、漫画でもゲーム攻略本でもラノベでも純文学でも学術書でもなんでも読みます。

 

で、食事時なんかに、「この漫画はどこがどう面白い」とか、「このキャラいいよね」「尊い」とか、「このラノベすげーよく出来てた」「この本面白いんだけどちょっと読みにくかった」みたいな話をしょっちゅうしてたんですよ。

いや、内容自体は全然大したことじゃなくて、要するに単なるオタク語りです。

 

で、そういうことをやってると、段々長男も色々語り始めまして、ルドルフとイッパイアッテナ凄い面白いよーとか「電車でいこう!(電車好き少年が主人公のラノベ)」面白いよー読んでごらんよーとか。

 

本の楽しみ方の重要な一部分として、「面白さの共有」というものがあります。自分ひとりで楽しむのもいいんですが、それを人と語り合って、何がどう楽しむかを共有する。追体験する。それで更に本の楽しさが増幅される。

要は、「ただ本を読むだけじゃなくて、それを共有して、それについて語り合う」楽しさに気付いてくれたんじゃないかなーと思うんですよね。

 

「大人が、楽しんでいる姿を子どもに見せる」ことはとても重要で、それを見てこそ子どもは大人の真似をします。

更にそれを進めて、「楽しさに子どもを巻き込む」ということに(多分)成功出来たのは、私や奥様が、子どもの前がどーとかあまり気にせず、好きな本や漫画について話すことを楽しんでいたからじゃないかと。
子どもの前で「好き」を語るのも大事だなーと、それは一つ、割と大きな要素としてそう思うんです。

 

漫画でも雑誌でもラノベでも、「読みたい」となったら基本的に制限せずに自由に読ませた

これについては以前も一度書いたんですけど、私は「漫画だって立派な読書体験」だと思うんですよ。

漫画からだって読解力は鍛えられるし、登場人物の気持ちについて考えられるし、なにより本を楽しめる。たまに「うちでは漫画は読ませない」っていう親御さんいますけど、勿体ないなーと思ったりするんです。

 

勿論、「これはさすがに子どもにはまだ早いんじゃ」みたいな本はありまして、そういうのは遠ざけたりはしますけど、基本的には、対象がなんであれ「これ読みたい」となったら制限せずに読ませてあげてました。

で、「読み始めたら最後まで読みなさい」みたいなことは言わないで、そんな面白くなかったら別に途中でやめてもいいよ、とも言ってました。

 

長男の場合は、漫画に触れた一番最初の経験が多分「ドラえもん」だと思うんですが、そこから怪傑ゾロリ、のんたんのゲームブック、「よつばと」「テルマエ・ロマエ」辺りに波及しまして、段々「十五少年漂流記」みたいな児童小説も読むようになっていきました。

まず、「本がある」「読みたくなる」「読んでみたら楽しかった」という成功体験を積ませてあげるのがとても重要だし、本に触れる環境さえあればそこで「漫画ばっかり」ってことにもならないんじゃないかなあ、と、少なくとも私は思うんですよ。

というか、一時的に漫画ばっかりになっても、他にも面白い本と触れることが出来るルートさえあれば、多分そんなに心配しなくていい。

まず、子どもの「読みたい」という気持ちを最大限尊重する、というのはとても大事なんだろうなーと。そんな風に考えています。

 

図書館を利用し倒した

図書館ワンダーランド。図書館戦争。図書館は本当に素晴らしい。あれだけ本がたくさんあって、好きな本を見つける練習も、調べものの練習も、なんなら表紙買いの練習だって一遍に出来ちゃう場所というのは他に存在しません。

 

幸いなことに、しんざき家はそこそこ近所に図書館がありまして、定期的に子どもたちを連れていっては、「一人〇冊まで読みたい本選んでおいでー」と放牧します。

私が住んでいる区では一回に20冊まで借りることが出来るので、毎回限度いっぱい利用していました。

 

で、どかどか借りてきた本は、勿論「〇日には返すよ」ということは伝えるんですが、基本「借りてきたからには読みなさい」みたいなことは言わないで放っておきました。

読みたい時に、読みたい本を読む。この方針だと、読書嫌いになりようがないんじゃないかと思うんですよ。

 

たまに「あの本また読みたい」と言い出すこともありまして、そういう場合は図書館にいって借り直すのではなく、なるべく買ってあげてました。

「自分の本」ということになると子どももより一層愛着がわきますし、「本を所有することの嬉しさ」みたいなものも感じてくれるんじゃないかなあと。

 

*****

 

ということで、多分主要なところは三つ、その中でも最初の一つが大事かなーと思ったので書いてみました。

繰り返しになりますが、これが一般的な「正解」だと思っているわけではありませんのでその点ご承知ください。家庭はそれぞれ、方針もそれぞれで、どれが適しているのかは時期にも場合にもよると思います。
勿論、現時点で本好きだからといって、この先もずっと本を読み続けるかというとそう決まった話でもなく、この先本に傷つけられることも、本に惑わされることも、本から離れることももしかするとあるのかも知れませんが。

 

それでも、「本との付き合い方」というものをそれぞれ考えていって、親である私たちのサポートも受けつつ、色んな本と素敵な関係を築いていってくれればいいなあと。

そんな風に思ったのです。
今日書きたいことはそれくらいです。

 

 

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安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
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(2025/6/2更新)

 

 

【プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

 

(Photo:Jan David Hanrath