マーケティングに自社メディアを使おうとする会社は数多くある。
が、うまくマーケティングにそれを活かせる会社は少ない。
その大きな理由の一つとして、
「せっかく自社でメディアを立ち上げても、うまくアクセスが集められない」
という事情がある。
最終的にメディアを運営するためには、サイトからの問い合わせなど、何らかのアクションに繋がることが必要だが、サイトの運営の費用に見合うアクション数を確保しようとすると、それなりのアクセス数がサイトに要求される。
だが、メディアを運営したことのある方ならご存知だと思うが、アクセスを集めることは、そう簡単ではない。
例えば検索からの流入を狙うにしても、検索上位に食い込むための記事を制作することには手間と時間がかかる。
「待てない」会社は、それではソーシャルメディアからの拡散を……ということで、FacebookやTwitterなどを使う。
だが、リーチできる人の数はたかが知れている。
「記事をバズらせてくれ」と注文を経営陣からもらって、困り果てていた担当者を何人も見たが、「バズらせる」ことを意図的にできている会社は、そう多くない。
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先日も、ご相談の際に
「結構良いことを書いているはずなのに、なぜアクセスが集まらないんですかね。」
という担当者の方とお話をした。
確かに結構な数の記事を、定期的にアップしており、なぜ成果が出ないのか担当者も不思議がっている。
しかし、サイトを見ると「アクセスが集まらない」理由はひと目でわかった。
「ものすごく詳しい知識が入手できる」記事は多いのだが、「面白い」「読みたくなる」記事は極端に少ないのだ。
もっと突っ込んで言えば、「スゴい」をきちんと言語化できているサイトが少なすぎるのである。
例えば、ある飲食店が、自社メディアをやっていた。
店はまあまあ繁盛しているのだが、店主のやっているメディアは閑古鳥が鳴いている。
「何のためにやっているのですか?」と聞くと、
「お客さんに情報発信して、リピートしてもらいたい」という。
「真面目に記事更新をしているんですけど、人は集まらないんですよね」と店主は言う。
なぜ人が集まらないのかは、記事を見てひと目でわかった。
食材のスゴさ、手間のかけ方のスゴさなどを記事にしているのだが、その伝え方がとてつもなくヘタなのだ。
ある魚は、非常にブランドのある産地のものを使っているのだが、記事には「◎◎産の活きの良いやつが入りました!」とだけ、書いている。
だが、業界人でもなければ、◎◎産のものがどれほどスゴいのか、知る由もないだろう。要するに、お客さんの持っているリテラシーに対して、「不親切」なのだ。
では、親切とはどういうことか。
「食べるそして考える」というサイトを見てみると、それがよく分かる。
サイゼリヤ100%☆活用術という記事によれば、
“メイン料理を選択するのにメニューの肉料理のページを開くのはあまり得策ではない。
特にそのページの主役とも言えるハンバーグは、サイゼリヤで最も頼むべきではない料理の一つである。
ここはあえて「おつまみ」のコーナーにひっそりと配置されている「粗挽きソーセージのグリル」をチョイスしておきたい。
メニュー内での位置付けとその冴えないネーミングから、どうせシャウエッセンレベルのソーセージが出てくるだけだろうと誤解しがちだが、その予想は良い方に大きく裏切られるはずだ。
出てくる物はとてもクオリティの高いサルシッチャなのだ。
みっしりと肉肉しい、ラテンならではの腸詰めである。
もちろんノンスモークで生から焼いた物だ。
こういうものは現地では極めて庶民的でざっかけない食べ物なのだが、日本のレストランで出てくると、これはいろんな事情で仕方ないのだが、ずいぶん高いものになってしまう。
ところがそれもサイゼリヤなら、巷の半値以下で食べる事ができる。”
この表現である。
わざわざ「サイゼではハンバーグではなくソーセージを食え」と言うのに、わざわざこれだけの文字数を割いている。
「素人と、プロとでは、同じ言葉でも読み取れるものが大きく違う」
という、原則に立ち返れば、一つの表現だけではなく、あらゆる角度から素晴らしさの表現を試みるべきだろう。
ただ、これができるのは、ある意味
「言葉を操る技能」
を持っている人物だけである。
社内に言葉を操れる人がいれば、是非その人に頼もう。そうでなければ、クラウドソーシングなどを使ってもかまわない。
潔く外注するべきである。
(了)
※この記事は、BooksAppsが毎週発行しているメルマガより転載いたしました。
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(写真:wikipediaより引用)