この記事で主に書きたいことは、以下四点です。

 

・一対一の人間関係の中にも、複数の「チャンネル」が存在し得る

・人間関係を運営していく中で大事なことは「切り替え」「引きずらない」こと

・切り替えは案外難しいけれど、「チャンネル」を意識すれば割と楽になる

・チャンネルの切り替えがきちんと出来るのであれば、チャンネルは多ければ多い程人間関係が上手く運営出来そう

 

よろしくお願いします。

さて、書きたいことは最初に全部書いてしまったので、あとはざっくばらんにいきましょう。

 

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しんざきには子どもが3人いまして、長男はもう11歳です。今年からついに小学6年生になりまして、押しも押されもせぬ小学校最高学年です。

長男の小学校は「最上級生」というものを特別扱いする傾向がありまして、学校単位で6年生を持ち上げているように見受けられることもあり、長男も張り切っています。学校教育におけるキャリアパス制度です。

 

私と長男は勿論親子なんですが、親子であると同時にゲーム友達でもあり、アナログゲーム会に積極的に参加するボードゲーマー仲間でもあり、同じ小説や同じ漫画を愛する同好の士でもあります。

長男の知見や閃きは決して軽く見ることは出来ず、私は趣味の話をするとき、彼を自分と対等の趣味人として認識しています。

 

私と妻は勿論夫婦なんですが、夫婦であり、同じ家族を運営するプロジェクトメンバー同士であると同時に、同じジャンルの楽器演奏を共通の趣味とする音楽仲間でもあり、小説やエッセイを濫読する読書クラン同士でもあり、時にぷよぷよやパズルボブルで鎬を削るパズルゲームライバルでもあります(大抵私が負ける)。

妻にケーナを聴かせることもありますし、音楽理論さっぱりな私に指導してもらうこともあります。

一つの人間関係でも、色んな立ち位置、色んな関係性の違いがある。ちょっと前から、私はこれを「人間関係のチャンネル」だなーと見なすようになりました。

 

言うまでもなく、例えば親子、例えば夫婦という、基底になる人間関係というものは確固としてあるのですが、その人と関わるテーマによっては、なんならそこから離れることが出来る。

同じ夫婦であっても、時には「サブカル論敵」であって良いし、時には「ゲーマー仲間」であって良い。

つまり、同じ人との一対一の人間関係でも、何を媒介とするかによって立ち位置は全然変わる、いや変えることが出来るものだなあ、と。そう思うようになったんです。

 

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人間関係を日々運営していく中で、非常に重要で、かつ案外難しいものの中に「対立後の気分の切り替え」とか「状況の刷新」というものがあります。いってみれば人間関係のステータス更新です。

 

例えば、子どもは日々の生活の中で、当然のことながら親に叱られるようなことをします。

悪戯をしますし、失敗をしますし、後片付けはしません。それはよくある話です。

 

で、そういうのが度重なると、勿論親子の間も人間関係ですから、時には対立が発生するし、関係が緊張したりするんですよね。

人間同士が近い距離で日々を過ごしていれば、常に対立は発生し得る。どんな人間関係でも同じだと思います。

 

ただ、例えば親子関係で言うと、「一度叱られたことを引きずられる」って子どもにとって大変疲れるしうんざりすることなんですよ。

同じ件を、ずっとねちねち言われるとうんざりするのは、誰だって同じですよね?

大抵の場合一度言われれば親の言いたいことは理解出来る(即その通り実行できるかはともかく)ところ、何度も同じようなことを言われたら、そりゃイヤになります。

親の側も子の側も、一度すぱっと言ってその場は終わり、にしたいところですよね。

 

ただ、親だって人間であってエスパーではありませんから、子どもが本当に理解出来ているのかさっぱり分からないことだってありますし、そんなにすぐに気分を切り替えられるかっていうとなかなかそうとも限らない訳です。

喧嘩をした後即仲直りって、そんな簡単にいく話でもないですよね?

対立を引きずらない、緊張関係にメリハリをつけるって、案外難しいことなんです。

 

メリハリをつけること、気分を切り替えることが上手い人っています。

言うべきことをしっかり言ったらすぱっと切替えて、もう普段のテンションに戻りましたよ、ということが簡単に出来る人もいます。

そういう人たちは、別段「引きずってしまう」ことに思い悩む必要もないのだと思います。

 

ただ、そういうのが苦手な人だって世の中にはたくさんいる訳で、私も結構引きずりがちな方だったんです。

ただ、私の場合、「複数チャンネルの存在と切り替え」を普段から意識するようにしたら、それがだいぶ楽になったように感じていまして。

ただ話題を変えるってだけの話ではなく、その人との立ち位置自体を違うチャンネルに切り替える。対立が発生しているチャンネルから一度離れる。

つまり、頭の中の緊張関係の切り替えをスムーズにしてくれる、補助ツールとして利用出来るんですね。

 

私の場合、「話題を変える」ことをこのチャンネル切り替えのスイッチにしています。

さっきの緊張関係を「じゃあこの話はおしまい」と切り上げたら、その後はゼルダの話なり、イース8の話なり、スプラトゥーン2の話なりに切り替える。

まだガチアサリをやったことがない私に強烈にアサリを勧める長男に、自然と緊張関係をほぐれさせることが出来る。

 

多分、この「チャンネル」って多ければ多い程いいな、と。

大事にしたい人間関係であるほど、「チャンネルを多くしていく」ことを意識するといいなあと、最近は思っているわけなんですよ。

 

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人間関係のチャンネルは、後から増やすことが出来ます。

例えば二人で何か新しいことを始めてもいいですし、共通の趣味や共通の話題を発掘することも出来ます。

誰かと色んな趣味について話すことは、つまり「チャンネルを増やす為の作業」と定義することが出来ます。

 

これは、勿論親子関係や夫婦関係だけの話ではなく、例えば仕事仲間でも、趣味の仲間でも、「この人とは継続して人間関係をメンテナンスしていきたい」と思う相手であれば、誰にでも応用できる話じゃないかなあ、と思います。

「チャンネルを増やす」ことを意識して人と接すると、その人の色んな新しい側面を発見出来てなかなか面白いです。

 

一方で、やっぱり私は育児に興味があるので、親子関係や夫婦関係の運営を上手くやっていくことに重点を置いています。

親子にせよ夫婦にせよ、「近い関係」ってそれに甘えてしまい勝ちでして、結果、基底関係の対立が解消出来ずにのっぴきならないことになってしまう、って案外ありがちです。

 

だからこそ、今後とも色んな「チャンネル」を確保していって、適宜チャンネルを切り替えながら、お互い仲良くやっていきたいなあと。

時には「親子」から離れてもいい。親子じゃなくて他の人間関係に移ってもいいと、そんな風に考える次第なのです。

 

今日書きたいことはそれくらいです。

 

 

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【プロフィール】

著者名:しんざき

SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。

レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。

ブログ:不倒城

(Photo:PoYang_博仰)