23730138LINEには、「既読」機能がある。相手がメッセージを開くと(「読むと」ではない)メッセージを送った相手に、「既読」というメッセージがでるアレだ。

しかし、「既読」機能はメッセージを送る相手に安心感を与える一方で、「読み手」にはプレッシャーを与える。

 

LINE疲れ”に陥る学生たち 「返信は義務」80%…既読機能が苦痛

”LINEには、送られてきたメッセージを開くと「既読」というマークが相手に表示される機能がある。

東日本大震災などの災害を教訓に、災害時に家族や友人の安否確認をできるようにするために導入されたそうだ。

ところが、この便利な機能が想定外の問題をもたらしている。

メッセージを開くと、相手に「既読」が伝わるため、そのまま何も返信しないと相手が気分を害するのではないかと、プレッシャーに感じる学生が少なくないというのだ。”

 

”「既読機能があるため、相手に返信しなければならないと思いますか」との質問には、「思う」と回答した学生が80%を占めた。

「既読が気になる」との回答数を上回っており、気にはならなくても、返信が「ほぼ義務」となっている実態が浮かび上がってきた。”

 

 

LINEを使っていて思うが、「既読」ははっきり行って面倒くさい。その機能を使われたくないがゆえに、私はレガシーな「メール」の方を愛している。

メールであれば一日以内に返信すれば失礼には当たらないし、今すぐ返事を返すことが出来ない状況であっても安心してメッセージを読むことができる。ところがLINEは違う。学生どうしがLINEを使ってやりとりする際に、「既読」にもかかわらず返信がない状態を「KS(既読スルー)」というらしいが、余計なお世話である。

 

 

プライベートで気心知れている家族などであれば、「既読」もわからなくはないが、友人、あるいは会社関係のやりとりにおいて「既読」の機能ははっきり言って超ジャマである。LINEはまわりが使っているので使う、それ以上の理由は無く、本音ではできれは早い所乗り換えたい、と思う。

 

 

実際、マイナビの調査でも既読機能はなくして欲しい、という声は多い。

 

LINEユーザー500人に聞く、失くして欲しい機能は? – マイナビニュース調査

”LINEの機能で失くして欲しいものについて、自由回答形式で答えてもらったところ、最も多かったのは「既読機能の廃止」だった。前回もお伝えしたとおり、既読機能について、「気になる」「相手によっては気になる」と答えた人が4割もいる。既読機能が廃止希望の筆頭にあがってもおかしくはない。”

 

 

さて、このように疎まれている「既読」機能であるが、LINEはこの機能を廃止したり、あるいはこの機能を使うかどうかをオプションにしたりするつもりは下にある通り、今のところなさそうだ。

 

「今後もなくす予定なし」LINEの既読通知機能を続ける理由を、LINEさんに聞いてみた!

”「LINEは、匿名の第三者ではなく、家族や友人などの大切な人とのコミュニケーションツールとして生まれたサービスです。

メール機能の名称を“トーク”にしたのも、会話をするようなコミュニケーションを楽しんでほしいという想いがあったためです。会って話す“Face to Faceのコミュニケーション”に近い形でコミュニケーションをとるために、表情や感情をやりとりできる“スタンプ”や、確実に言葉が相手に届いていることを示す“既読”の機能を付けたのです」(LINE株式会社 広報)

 ちなみに、この機能は震災などの緊急時に安否確認として利用できるのもメリットだとLINEさん。LINEとして、今後、既読機能をなくしたり、OFFにできる機能を持たせたりする予定はあるのだろうか?

「今のところありません。既読機能は、LINEが目指す“会話をするようなコミュニケーション”には不可欠な機能であり、“自分の言葉が相手に届いた”という安心感を得るためになくてはならない機能だと考えているからです」(同)”

一体どうして、ユーザーにここまで嫌われている機能を削除しないのだろうか。

普通に考えれば、「オプション」にしても良さそうだが、それすら実装しないということは、なにか理由があるのだろう。

めちゃくちゃ単純に考えれば、「既読があったほうが良い」という人が多いから、と捉えることもできる。だが、その確実な統計があるわけではない。したがって、これはLINEの「考え方・方針」と言っても良いだろう。

「既読がイヤなら、つかわなければいいんじゃない?」という考え方だ。

もっと突っ込んで考えると、「既読」機能は「メッセージ送信者のワガママ」をかなえているとも言える。

本来、メッセージの処理は「受け手」に任されてきた。無視しようが、返事を返そうが、いつ反応しようがそれは、「メッセージを送る相手」に任されてきた。「返事を返さない、という返事」も選択肢として存在していた。

その権利を、LINEは取り上げたのだ。

「LINEはメッセージ送信者のワガママを叶えます!」

そういうことだ。

しかし、本来メッセージは「受け手」を中心に考えなければならないものである。コミュニケーションとはそういうものだ。

それを壊し、「メッセージの送り手」のワガママを助長する。LINEはますますコミュニケーションの下手な人を増やすことを助長していると私は思う。

画像出典:LINE使い方ガイド

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ティネクト(Books&Apps運営会社)提供オンラインラジオ第6回目のお知らせ。


<本音オンラインラジオ MASSYS’S BAR>

第6回 地方創生×事業再生

再生現場のリアルから見えた、“経営企画”の本質とは

【日時】 2025年7月30日(水曜日)19:00–21:00
【ご視聴方法】
ティネクト本音オンラインラジオ会員登録ページよりご登録ください。ご登録後に視聴リンクをお送りいたします。
当日はzoomによる動画視聴もしくは音声のみでも楽しめる内容となっております。

【今回のトーク概要】
  • 0. オープニング(5分)
    自己紹介とテーマ提示:「地方創生 × 事業再生」=「実行できる経営企画」
  • 1. 事業再生の現場から(20分)
    保育事業再生のリアル/行政交渉/人材難/資金繰り/制度整備の具体例
  • 2. 地方創生と事業再生(10分)
    再生支援は地方創生の基礎。経営の“仕組み”の欠如が疲弊を生む
  • 3. 一般論としての「経営企画」とは(5分)
    経営戦略・KPI設計・IRなど中小企業とのギャップを解説
  • 4. 中小企業における経営企画の翻訳(10分)
    「当たり前を実行可能な形に翻訳する」方法論
  • 5. 経営企画の三原則(5分)
    数字を見える化/仕組みで回す/翻訳して実行する
  • 6. まとめ(5分)
    経営企画は中小企業の“未来をつくる技術”

【ゲスト】
鍵政 達也(かぎまさ たつや)氏
ExePro Partner代表 経営コンサルタント
兵庫県神戸市出身。慶應義塾大学経済学部卒業。3児の父。
高校三年生まで「理系」として過ごすも、自身の理系としての将来に魅力を感じなくなり、好きだった数学で受験が可能な経済学部に進学。大学生活では飲食業のアルバイトで「商売」の面白さに気付き調理師免許を取得するまでのめり込む。
卒業後、株式会社船井総合研究所にて中小企業の経営コンサルティング業務(メインクライアントは飲食業、保育サービス業など)に従事。日本全国への出張や上海子会社でのプロジェクトマネジメントなど1年で休みが数日という日々を過ごす。
株式会社日本総合研究所(三井住友FG)に転職し、スタートアップ支援、新規事業開発支援、業務改革支援、ビジネスデューデリジェンスなどの中堅~大企業向けコンサルティング業務に従事。
その後、事業承継・再生案件において保育所運営会社の代表取締役に就任し、事業再生を行う。賞与未払いの倒産寸前の状況から4年で売上2倍・黒字化を達成。
現在は、再建企業の取締役として経営企画業務を担当する傍ら、経営コンサルタント×経営者の経験を活かして、経営の「見える化」と「やるべきごとの言語化」と実行の伴走支援を行うコンサルタントとして活動している。

【パーソナリティ】
倉増 京平(くらまし きょうへい)
ティネクト株式会社 取締役 / 株式会社ライフ&ワーク 代表取締役 / 一般社団法人インディペンデント・プロデューサーズ・ギルド 代表理事
顧客企業のデジタル領域におけるマーケティングサポートを長く手掛ける。新たなビジネスモデルの創出と事業展開に注力し、コンテンツマーケティングの分野で深い知見と経験を積む。
コロナ以降、地方企業のマーケティング支援を数多く手掛け、デジタル・トランスフォーメーションを促進する役割を果たす。2023年以降、生成AIをマーケティングの現場で実践的に活用する機会を増やし、AIとマーケティングの融合による新たな価値創造に挑戦している。
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(2025/7/14更新)

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