長男の話をします。多少身内褒めになってしまいますがご勘弁ください。
2月に長男の中学受験が終わりました。
大変ありがたいことに長男は志望していた中学に入れることになり、親としてもほっと胸をなでおろしております。
いやー中学受験は親と子どもの二人三脚って言いますが、あれ本当ですね。正直結構大変でした。
中学受験をする理由っていうのも、恐らく子どもそれぞれ、ご家庭それぞれだとは思うんですけど、しんざき家長男が中学受験をする理由は非常に明確、かつ主体的でした。
彼、鉄道研究部がある中学に入りたかったんです。
子どもの頃からプラレール好きで、将来は東急電鉄かJRに就職すると固く決意している長男なわけですが、彼のプラレール趣味は小6になった今でも続いています。
リビングに複雑怪奇なレイアウトをいつの間にかプラレールだけで作ってしまっていることが今でも頻繁にあるんですが、そんな長男がとある中学の文化祭に遊びに行った時、魅せられたのが鉄研の展示でして。
ジオラマまでついた鉄道模型のレイアウトは流石にプラレールだけでは再現出来ず、「こういうのぼくも作りたい!!」となったのが、中学受験の強烈な動機になったみたいなんですね。
私自身は中学受験未経験なので勝手も分からず、別に小学校から受験勉強なんてしなくてもいいんじゃない?と思う部分も正直あったんですが、長男自身が「受験したい!」と言うなら流石に否やはありません。
私自身過去問を調べて色々研究して、オリジナルの問題作って解かせてあげたり課題設定してあげたり。
塾に行ったり長期休みも講習行ったり模試受けたり、長男頑張るなーと感心していた次第なんです。
正直、小学校の頃は私にもそこまで主体的な「頑張る動機」なんてなかったので、「好き」をここまでパワーに出来るのは強いなー、と。そう思っていました。
で、ですね。
3年ちょっと前ですが、こんな記事を書かせて頂いたことがありました。
「小3にもなったらそろそろプラレールやめさせた方がいいよ、鉄オタになっちゃうよ」と言われてびっくりした話
子どもに、「将来やりたいこと」を見つけて欲しいですか?と聞かれれば、多分大抵の親御さんが「はい」と答えると思います。
「自分でやりたいことを見つけられる」人に育って欲しいですか?と聞かれれば、同じく大抵の親御さんが「はい」と答えると思います。
ところが、子どもがまさに自分で「やりたい趣味」を見つけた時、どうもそれを無条件で尊重出来る親御さんは多数派ではないように思います。
鉄オタって、なんか一部のマナーの悪い人にイメージが引きずられて、悪い印象を持っている人が多いんですかね?
マナーが悪いかどうかなんて趣味とは全然別の話なんですから、趣味自体と結び付けてはいけないと思うんですが、やっぱりこういう「鉄オタになっちゃうよ」系のことを言われたことって結構頻繁にあったんですよ。
リアルでも、webでもありました。
ただ、もし仮に、私が長男のプラレールを無理やりやめさせて、長男に他の趣味を押し付けていたりしたら、長男は決して「好き」を自分のパワーに変えることは出来なかったろうなあ、と。
子どものどんな「好き」がどんなパワーに変わるかなんて分かったもんじゃないんだから、やっぱり親は可能な限り子どもの「好き」をスポイルするべきではないよなあ、と。
マナーがどうとか、人としてするべきことかどうかの教育とかは、それとは全く別会計でやらないといけないことだよなあ、と。
そう思うところ大なんです。
***
ところで、ちょっと話は変わるんですが、最近私の頭がちょっとバグってPS4を買いました。
PS5?知らない単語ですね。
その要因は何かというと、一つは十三機兵防衛圏ってゲームを私がどうしてもやりたくてやりたくて我慢出来なくなったからなんですけど、もう一つ、受験も終わった長男に「なんかやりたいゲームある?」と聞いてみたら「A列車で行こうの一番新しいヤツ」って言われたからなんですよ。
「A列車で行こう」。
ご存知の方も多いと思うんですが、線路と駅を中心にした街作りゲームでして、プレイヤーは鉄道会社を経営して町づくりを進めていきます。
駅を作って線路を通して、子会社を設置して人が集まる環境を作っていくと、住民が増えて町がどんどん発展していきます。
「シムシティ」をだいぶ鉄道寄りにしたゲーム、と考えればそれ程的外れではないでしょう。
めちゃ面白いので皆さんも良かったら遊んでみてください。
もうすぐswitchでも出るみたいです。
長男、何かの動画で「A列車で行こう9」のプレイ画面を見て、「自分も街を作って電車を走らせてみたい!」って考えたらしいんですね。
A列車9ってPC版とPS4版しかなくって、さすがにゲーミングPCはまだちょっと買ってあげられないので、私も十三機兵遊びたいことだしこの際PS4を買ってしまおうと考えたんです。
そんなこんなで、長男A列車を遊び始めるなりずぶずぶとハマってまして、こんな感じで自分が作った線路の路線図まで作ってるんで、あーゲーム楽しんでなんなーと微笑ましく、かつ同じゲーマーとして頼もしく思っていたんですが。
長男のプレイを観て、ゲーム以外の部分でも一つ感心したことがありまして。
長男、ゲームの中から、色んな「興味」を見つけてきては、ゲームの外でそれを満たそうとしているんですよ。
例えば、A列車9って結構会社経営ゲームとしてリアル・かつシビアでして、色んな企業用語が出てくるんですけど、いちいちそれをwebや辞書で調べようとしたりとか。
負債とか、収支とか、そういう用語ですね。
税金がやたら強敵だと知って、ドラえもん社会ワールド「お金のひみつ」で税金について調べようとしたりだとか。
株取引がやたら儲かることを知って、私に株ってなんなのか根ほり葉ほり聞こうとしてきたりだとか。
しんざき家って、ゲームやテレビは20時までって決まってまして、それ以降は電源入れちゃいけないことになってるんですが、そういう時間もずーっとゲームの説明書を読みこんだりしてるんです。
彼、「ある程度遊んだ後説明書読み直すとすっごい面白いよね」とか、私も30年くらい前に散々実感したことを口にして、「だよな!!!」とか思わず盛り上がっちゃったんですが。
私、ただ「好き」だけじゃなくて、「好き」を基点に興味を広げられるとめちゃ強い、と思っています。
興味って知らない世界への入り口なんですよね。「これ楽しい」から、「これの周辺の知識を身に着けるのも楽しい」になる。
更にそこから、全然関係ないところに興味が連鎖していく。それについて調べて、世界が広がっていく。
「好き」の周辺って、何を調べても面白い。
それが実感出来ると、趣味にハマることがそのまんま世界を広げるパスポートになるんですよ。
これだけでも、A列車やらせてあげて良かったなーって思うばかりなんです。
昨今ゲームに対する風当たりがまたなにやら強くなってきてますが、ゲームに限らず、子どもの「好き」とか「これがやりたい」って、世界をどんどん広げていく絶好のトリガーになるんですよね。
折角あちこちにごろごろ転がっているトリガーを、変な警戒感と無理解で潰してしまうのは本当にもったいないよなあ、と。
大人がするべきことは、子どもの「好き」をどんどん次の興味に繋げていってあげることじゃないかなあ、と。
そんな風に考える次第なんです。
幸か不幸か、最近自宅にいる時間が激増しまして、長男ほくほくとA列車にハマりこんでいます。
最低限視力が落ちないようにTPOだけは指導するとして、受験が終わった後の自由時間くらいたっぷりゲームにハマらせてあげようと。
私はそんな風に思っています。あ、あと十三機兵防衛圏死ぬ程面白いんで皆遊んでください。
今日書きたいことはそれくらいです。
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【著者プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城
(Photo:Plus-Tech-Railways)