株式会社キャスターさんから、「採用を科学する。」という本をいただいた。
【採用を科学する。】
IT系企業を中心に300社の採用を支援してきた採用のプロがまとめた『中途採用の参考書』
『計画・データ・仕組み』の3つをキーワードに、採用業務を体系的にまとめ、問題の発見と適切な対処ができるよう執筆しました。
読んだ日から採用業務の改善に一歩踏み出し、採用成功まで最短ルートで進むことができる実用書です。
結論から言うとこの本には「採用担当が知るべきこと」が網羅されている。
採用に悩む経営者や、採用を仕事とする方は、目を通しておいて損はない。
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少し前に「スキルのない素人が、印象と好き嫌いで合否を決めている。それが採用面接。」という記事を書いた。
様々な採用の現場を見て、面接をはじめとする採用活動は「素人」が主観的な判断でやっている業務の一つだと強く感じたからだ。
ファクトとは程遠く、反省も、振り返りも、もちろんデータもないことが多い。
なにせ、Googleですら、データをとってみて、自分たちの採用活動がいかにひどいかに気づいたくらいだ。
多くのデータからわかるのは、面接の最初の3分から5分(あるいはさらに短い時間)で大半の評価が決まること、残りの時間はその偏見の裏付けに費やされること、面接担当者は意識せずとも自分に似た人に好意的になること、ほとんどの面接技術は役に立たないことなどだ。
(ワーク・ルールズ! 東洋経済新報社)
だから、「採用にファクトとデータを取り入れたい」と思う会社は確実に増えている。
そういうニーズに応えたのが、この本だ。
「採用を科学する。」の目次
この書籍は、以下の話題を網羅している。
ここには多数の話題があるが、読んでみると、ファクトに基づく採用手法の本質が理解できる。
大きくは3つからなる。
1.採用を要素に分解する
科学的思考の第一歩は、「要素分解」であるが、本書も同様だ。
例えば、採用において「応募が少ない」という課題がある会社の場合、どうするか。
まず応募の少ない要因を経路別に、例えば運用型求人媒体、紹介会社、掲載型求人媒体といった形に分割し、それぞれのケースを分けて考える。
さらにその中の「運用型求人媒体」に関する課題をより細かい要素に分解したのが、次の図だ。
(出典:採用を科学する。 P48)
こうすれば、一見複雑に見える採用活動も取り扱いが簡単になり、課題を明確にしやすい。
2.パフォーマンスを、数値で比較する
要素分解できれば、パフォーマンスの良しあしをデータから検証することができる。
例えば「スカウト数」や「スカウト返信率」。
以前の記事で取り上げたが、Greenであれば約3-5%、Wantedlyであれば約10-15%。
媒体ごとに目安があるが、おおむね3%~20%の範囲に収まるはずであり、それを下回っていれば、パフォーマンスが悪いと判断できる。
また「スカウト返信からの面談設定率」は、お断りの返信があった人を除いて、9割以上が目安。それを下回る場合は、問題があると判断する。
(出典:採用を科学する。 P58)
面談・面接の回数が多いと選考中の離脱が高まるため、3回以内にとどめるほうが良いといった、『世の中の平均的な数値』との比較も有益だ。
(出典:採用を科学する。 P91)
3.「仕組み化」する
さらに、数値比較から改善のポイントが判明したら、それを運用によって改善するための「仕組み化」を推進する。
例えばその一つが、「採用に使う様式」の標準化だ。
様式を埋めるだけで誰でも採用の計画を立てられ、数値比較しやすい。
なお本書では、実例として3つの様式がダウンロード可能となっている。
・採用計画シート……具体的な選考推移のシミュレーションを行うための様式
・面接評価シート……評価項目、評価項目を確認するための質問、回答に対する合否の判断基準を網羅した様式
・応募者管理シート……候補者のステータス管理、データ集計を行う様式
さらに重要なのは『再現性』だ。
例えば、面接はコンプライアンス違反を防ぎ、誰が行っても一貫した基準で採用できるように、以下の質問のような「面接官の訓練」が求められる。
(出典:採用を科学する。 P116~118)
今だけ、無料プレゼント実施中
以上の3つが、本書のエッセンスだと私は感じたが、採用の悩みによっては、
「人材紹介会社との付き合いかた」、あるいは
「エンジニアのスキルテストはどのように行うか?」
など、細かい実務を気にする方もいるだろう。
本書はそうした技術的な各論についても、話題として網羅されているため、採用のマニュアルとして多くの会社で活用できるように思う。
なお、いまは出版記念として、以下のリンクから、対象者に無料でPDFをプレゼントしている。
【お知らせ】
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相談は以下のリンクへ(株式会社キャスターのサイトへ移動)
【著者プロフィール】
◯Twitterアカウント▶安達裕哉
元Deloitteコンサルタント/現ビジネスメディアBooks&Apps管理人/オウンドメディア支援のティネクト創業者( tinect.jp)/ 能力、企業、組織、マーケティング、マネジメント、生産性、知識労働、格差について。
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