※この記事は「否認の病気」であるギャンブル依存症当事者が、「まあ、本当は違うんだからね」と必死に否認する様子をお楽しみいただけます。
おれと競馬、競馬とおれ
おれはアルコール依存症であり、図書館に通い、なおかつ「ちょこざっぷ」に行きだして、いろいろと忙しい。
そのほかにも広島東洋カープの試合を見て(ネット配信)、アニメを見て、わりと時間がない! と感じたりもする。
他人とのコミュニケーションはまったくないのに、多趣味な人間といえるかもしれない。
しかし、なによりおれの生活の、人生の、Lifeの中心にあるのは何か? 競馬である。競馬こそおれの人生の中心にあって、競馬がなによりも優先される。愛する女性との逢瀬の約束のときも、「あ、その日はG1があるな」などと考えてしまう。おれは競馬に乗っ取られている。おれが競馬を乗っ取ったことはない。
おれと競馬のはじまり。
高校時代、通学中に「ダビスタ」の話をやけにするようにする同級生がいた。おれはそれがなんだかよくわからなかった。競馬も「ダビスタ」もわからなかった。
が、ある日の日曜日だ。たまたまテレビに競馬中継が映っていた。たまたま見る気になった。そのレースは「菊花賞」といい、一番人気は「ナリタブライアン」という馬だった。
けれど、おれに最大のインパクトを与えたのは、スティールキャストという馬だった。
スティールキャストは逃げた。後続を大きく引き離した。初めて競馬を見る人間にも、なにか異常なことが起きているとわかった。そのとき、実況が言った。「母プリテイキャストを思い起こさせる大逃げです!」。
おれはそのときに競馬の深淵を見た。そのような気持ちになった。
ある一頭の馬には父と母がおり、その父と母にもさらに父と母がおり……、それはあまりにも広大なものが背景にあると。これはすごい世界だと。
おれはそのときプリテイキャストのことも知らなかったし、ナリタブライアンがなにをしようとしているのかもしらなかった。しかし、おれはスティールキャストという一頭の逃げ馬によって、競馬の世界に引き込まれた。
あまりにも強大な力だった。おれはすぐに「ダビスタ」を買い求めた。おれは競馬にあっという間に飲み込まれた。
その男はただ競馬場にいたいだけなのだと思う。気がつけば足を運んでいる。たとえ負けっ放しだとしても、彼にとっては何らかの意味があることなのだ。いるべき場所。ひどくばかげた夢。しかしそこはうんざりさせられる場所でもある。不確かな場所。自分だけがものの見方をわかっていると誰もが思っている。愚かな迷えるエゴよ。わたしもその一人だ。わたしにとっては単なる道楽だというだけの話。わたしはそう思う。そうでありたい。
しかしうんと短い時間の枠の中だけに限定すれば、とても短い、たとえば自分の馬が走って、それから勝利を収めるほんの一瞬。そこには何かがある。何かが起こるのがわかる。気持ちが高揚し、陶醉感に襲われる。馬たちが自分の言いつけどおりにしてくれる時、人生はほとんど会得されうるものとなる。
チャールズ・ブコウスキー『死をポケットに入れて』
土日は競馬が中央にある
それ以来、おれの土日の中央には競馬があった。中央競馬だ。土日の中央競馬、JRAのレースのメーンレースは午後三時半前後にスケジューリングされている。
土日の予定はその時間帯に中央競馬の大きなレースがあるかないか、おれの見たいレースがあるかないか、ということが中心になった。
おれは「中央競馬」と言った。中央でない競馬もある。地方競馬である。おれが大学を中退してニートをしていたころ、南関東競馬がおれの中心にあった。地方競馬である。
大井、川崎、浦和、船橋。そのころの南関競馬はおれにとってかけがえのない思い出なのだが、まあ今はおいておこう。及川サトルという実況アナウンサーが去ってから、大井競馬に興味を持てなくなったという話もおいておこう。
して、中央競馬である。競馬を知らないひとが思い浮かべる競馬、CMもたくさん流している競馬、それが中央競馬、JRAの競馬である。
おれは毎週、毎週、競馬をするようになった。「競馬をする」というのもへんな言葉かもしれない。おれは走りもしないし、馬に乗りもしない。でも、「競馬をする」。ようするに、「馬券を買う」ということだ。ギャンブルだ。
気づいたら手取りの3/4を突っ込んでいた
さて、どのくらい馬券を買っているのか。結果から言ってしまえば、去年は手取りの3/4を馬券購入に使っていた。本当は「半分以上」と書きたかったが、あらためて見返すと、そうなのだ。
なぜわかるのか? 最近は紙の馬券なんて買いはしない。オンラインだ。その結果をJRA様はきちんと記録してくれる。おれが2022年に一番多く金を突っ込んだ騎手は川田将雅で、その回収率が80%だとかいうこともわかる。すべての回収率はというと、なんと60%である。かなりの下手くそといっていい。
競馬をはじめてから二十年以上。今のおれの年間馬券購入額はそのくらいであり、回収率もそんなものだ。多くの人はドン引きすると思う。とくにおれの月収が新卒大学生程度かそれ以下であることを考えると、異常なことだ。
まあ、それはもう、言うまでもないが、大した割合であって、馬券購入費用がすべてマイナスになっていたら、おれの生活は成り立たない。が、すべてマイナスになっているわけではない。だから、一応、生きている。
馬券のプラスとマイナス。プラスというと、賭けた額以上の払い戻しを受けることだろう。回収率100%以上。おれはたぶん年間プラスになったことはない。
その次の基準がある。75%の払い戻し。それは、中央競馬会が寺銭を取って、ギャンブラーに対して払い戻す平均値。おれはそこを目指して、なかなかたどりつけないでいる。
おれは馬券が下手だ。とはいえ、投じた賭け金のすべてがゼロになるわけじゃない。昨年の60%は負け過ぎで、いつもはだいたい70%くらいは戻ってきていたはずだ。
いくらかは戻ってくる。それゆえに、ドン引きするような金を賭けられる。とはいえ、ドン引きするような金を賭けているという自覚はない。おれは一レースにせいぜい1,500円くらいしか賭けない。いや、それが上限に近い。2,000円くらい買うと「いくらなんでも買いすぎたな」と思う。もちろん大レースになると賭け金はそれを大きく上回るが、10,000円を超えるのは日本ダービーや有馬記念くらいじゃないだろうか。それなのになんで年間で175万円も買ってるんだ?
でも、いくらか金は返ってくる。それがこのギャンブリングの良くて、悪いところだ。ソシャゲのガチャなど、基本的に賭けたところで金が戻ってくることはない。それに比べたら、金がいくらか返ってくる競馬は健康的じゃないかと思えるくらいだ。そうだかどうだかしらんが。
賭け方にしても、当たりにくいが高配当が望める三連単などはほとんど買わない。単勝と馬連中心のオールド・スタイルだ。最近では大穴馬からワイドで流して二点的中で8,000円くらいの払い戻しを狙うことも増えた。
とはいえ、おれは賭けすぎている。おれの収入から比べて、賭けすぎている。おれはギャンブル依存症ではないのか……。
ギャンブル依存症を学ぶ
というわけで、なにごとも真面目に自らの病気を認識しようとするおれは、本からギャンブル依存症を学ぼうと思った。思って、以下の本を読んだ。
『ギャンブル依存症: 当事者から学ぶその真実』吉岡隆編集
ギャンブル依存症: 当事者から学ぶその真実
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『ギャンブル依存症サバイバル パチンコ・スロット・競馬・競輪におぼれる人を救済するため、患者・家族・医療者に贈る指南書』熊木徹夫
ギャンブル依存症サバイバル ―パチンコ・スロット・競馬・競輪におぼれる人を救済するため、患者・家族・医療者に贈る指南書
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『やってみたくなるアディクション診療・支援ガイド アルコール・薬物・ギャンブルからゲーム依存まで』松本俊彦, 佐久間寛之, 蒲生裕司 (編集)
やってみたくなるアディクション診療・支援ガイド アルコール・薬物・ギャンブルからゲーム依存まで
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『当事者から学ぶその真実』は主に自助グループについての話、『サバイバル』はギャンブル依存症専門外来を開設した精神科医による指南書、『やってみたくなる』(この略称は変かな?)はアルコール依存、薬物依存、ギャンブル依存、ゲーム依存を取り扱っており、基本的に医療者向けの本。今のところ「ギャンブル依存」のところだけ読んだ。
さて、いろいろ読んでみてどう感じたのか。だいたい、なんというか、おれの知識不足のために見誤っているかもしれないし、細かいところで違うところもあるのだろうが、だいたい「ギャンブル依存症」については似たような問題として取り扱われており、ああ、こういうものなんだな、と思った。
そしておれは、おれが典型的なギャンブル依存症なのだな……とは、思えなかった。必死の否認。
ギャンブル依存症の判定
さて、これらの本にはいくつかのギャンブル依存症(ギャンブル障害)の有名なチェックシートが掲載されている。そのなかでも、たとえば「GA(ギャンブラー・アノニマス)の20の質問に答えていこう。できるだけ誠実に。
1.ギャンブルのために仕事や学業がおろそかになることがありましたか?
→そもそも仕事や学業はおろそかなものなのであって、仕事中に競馬のことばかりネットを漁ったりはしない。まんべんなくサボっている。なので、あるといえばあるといえる。
2.ギャンブルのために家庭が不幸になることがありましたか?
→どの本もそうだったけど、なんか家庭があることが前提なんだよな。家族がイネイブラーになって、とか、妻に連れられて専門外来に来たとか、誓約書を書かせる、とか。体験談とかでも、離婚したとかいう話はあっても、独身中年が一人でギャンブルにはまるという話がないのである。これは、ギャンブル依存症が露見するのには家庭の存在が大きいということで、おれのような一人ではまりこんでいるやつも多いんじゃないのか。で、これの答えはノーだ。おれに家庭はないし、離れて暮らす家族に不幸をもたらしたこともない。幸せにしたこともないが。
3.ギャンブルのために評判が悪くなることがありましたか?
→もとから悪くなるような評判もない。職場ではおれが競馬好きなのは知れているが、べつにそれだけだ。もっとも、年間で賭けている額を知られたらドン引きされるだろうが。
4.ギャンブルをした後で自責の念を感じることはありますか?
→ない。
5.借金を払うためのお金を工面するためや、お金に困っているときに何とかしようとしてギャンブルをすることがありましたか?
→ない。というか、おれ、借金というものは怖くてできないし、したこともないんだわ。
6.ギャンブルのために意欲や能率が落ちることがありましたか?
→いや、そう言われてもよくわからん。なんの意欲や能率なのだろうか。競馬をすることによって、ほかのなにかをしていないというのなら、そうだが。
7.負けた後で、すぐにまたやって、負けを取り戻さなければと思うことはありましたか?
→おれの馬券に対するスタンスは「負けて当たり前」なので、「取り返そう」という思いは抱けない。たとえば、競馬にはメーンレースのあとに最終レースがあるが、「最終で取り返すぞ!」という一発逆転はあまり狙わない。多く賭けたりもしない。ただ、最終レースはよく考えるので当たる確率は高いような気はしている。ところで、競馬は基本的に一場12レースなので、「すぐにまたやって」というのもなんか当たらないような気がする。
9.一文無しになるまでギャンブルをすることがよくありましたか?
→ない。「よく」どころか一度もない。清水成駿という偉大なる競馬評論家が「右のポケットと左のポケットは別に」と書いていたと思うが、競馬の資金とほかの金はべつだ。さらにいえば、競馬の資金を使い切るという経験もしたことがない。おれは臆病なのだ。
10.ギャンブルの資金を作るために借金をすることがありましたか?
→ない。だから借金はしないって。
11.ギャンブルの資金をするために、自分や家族のものを売ることがありましたか?
→ない。つーか、本に書いてあった体験談などにも出てくるが、そこまでやるのか、という。
12.正常な支払いのために「ギャンブルの元手」を使うのを渋ることがありましたか?
→ない。ポケットは別だから。
13.ギャンブルのために家族の幸せをかえりみないようになることがありましたか?
→だから家庭もないし、ないって。
14.予定していたより長くギャンブルをしてしまうことがありましたか?
→中央競馬にしろ地方競馬にしろ、一日のレース数は決まっているので、「13レースやるぞ」といってもできない。なので、ない。あ、でも、たまに高知のファイナルレースとかの馬柱が目に入ったら、買ってしまうことはある。土日に行われる地方の重賞とかも。そんでもべつに大きく張ったりしないし、できない。
15.悩みやトラブルから逃げようとしてギャンブルをすることがありましたか?
→これについては慢性的にイエスだ。『サバイバル』に「基盤となる性格傾向」としてこのようにあった。
日常生活でフラストレーションや不安・緊張を抱えていたり、職業生活において自尊感情が低落した状態にあって空虚感や軽いうつ状態を抱くようになるため、熱中できる何かを求めるようになる
軽いうつ状態どころか、おれは手帳持ちの双極性障害2型であって、うつ状態が長い。ただ、抑うつ状態にあっても馬券は買う。馬券に救いを求めている。
16.ギャンブルの資金を工面するために法律に触れるようなことをしたとか、しようと考えることがありましたか?
→ない。つーか、生活費についてすらそんなこと考えたことない。空から金が降ってこないかとは思う。
17.ギャンブルのために不眠になることはありましたか?
→超短期型睡眠薬処方されてるけど、ギャンブル関係ねえわ。
18.口論や失望や欲求不満のためにギャンブルをしたいという衝動にかられたことがありましたか?
→おれが馬券買うのは衝動とかじゃなくて、ルーティンなんだ。月に一度精神科に行って薬をもらうのと同じだ。金曜の夜になったら東スポ買って、土曜と日曜は馬券買って負ける。なんかあったら馬券買いたい! という思考回路はない。パチンコやりたいとかも思わない。やり方しらねえし。
19.良いことがあると2・3時間ギャンブルをして祝おうという欲求がおきることがありましたか?
→だからその、突発的なものはないんだ。土日の習慣なんだ。何時間というものでもない。一日8レースくらいって決まってるんだ。というか、ギャンブルで祝うってなんだ? つーか、そのギャンブルってなんだ? GAってアメリカ発祥だと思うが、パチンコはないだろうし、カジノ?
20.ギャンブルが原因で自殺しようと考えたことはありましたか?
→ない。自殺を考えようと思ったことは何度でもあったが、「馬券が外れた、死のう」と思ったことは一度もない。一年間の負けを見て死のうと思ったこともない。
……という感じで、大きめにとっても4つじゃねえのか。
ほかにも判断基準はいくつかあるが、もっと数が少ないのが「LOST」というスクリーニングだ。日本で作られた。『やってみたくなる』で紹介されていた。
Limitless ギャンブルをするときには予算や時間の制限を決めない、決めても守れない
→制限を決めているかと言われれば、決めてはいない。決めようとしたこともない。時間については、競馬のレース数という制限がある。しかし、「時間」という要素が出てくるあたり、なんかやっぱりパチンコ、パチスロが前提なのかな。『サバイバル』にも相談の9割以上がそれだとあった。法的には賭博じゃないのに。ちなみに、おれはパチンコ・パチスロは一度もやったことがない。やり方を教えてくれる人がいなかったので。まあしかし、一年間の賭け金を見て自分でドン引きするくらいなのでリミットはないといえる。
Once again ギャンブルに勝ったときに『次のギャンブルに使おう』と考える
→まず、勝てない。そして、ごく稀にある程度勝つと、普段は買えないスコッチなど買って、すぐにものに替えようとする。今日の負けは今日の負けで、次とはつながらない。
Secret ギャンブルをしたことを誰かに隠す
→べつに隠そうという気もないが、たとえばブログや職場でいちいち「土日で21,800円負けました」といちいち言わないのが「隠す」ということなら隠しているだろう。
Take money back ギャンブルに負けたときすぐに取り返したいと思う
→そりゃあすべてのレースに勝てればいいと思うが、次のレースが取り返せるようなものかどうかはわからない。少頭数で圧倒的な一番人気馬がいるようなときは。というか、負けることが前提で、年間で75%の回収率を目指すレベルなので、いちいちそんなこと考えてられません。
でも、おれは馬券依存症なんだろう
と、がんばって、自分の依存症を否認してみたが、どうだろうか。やっぱり、馬券買いすぎなのである。低所得者のくせに。なので、おれは少し馬券を買うのを控えようと思う気持ちもある。
が、買い控えたところでどうなるのか。馬券を買わない分で幸せにできる家庭もない、極言してしまえば、買いたいものもない。あれもほしい、これもほしいが、馬券を買いたい。そして、おれが馬券を買わずに全額を投資信託に突っ込んでいたところで、老後に必要な何千万円を貯めることもできない。
というわけで、生活が破綻しない範囲で競馬趣味やってるならそれでいいじゃねえかという最大の否認が発動するのだが。でも、まあ金も好きだ。とすると、どうするか。『サバイバル』には、「より無害な依存」への置き換えを提唱している。それはどんなものか。
1.快楽的なこと
2.ハマることのできること
3.一人でできるkと
4.他人に対して害を及ぼさないこと
5.お金があまりかからないこと
これについては『やってみたくなる』でも「報酬的な活動を増やしていく」という言葉で語られている。「ギャンブル以外の活動=いいね」という新たな神経回路を太くしていくことだ。
これについて、いまのおれには大きな「より無害な依存」が生じつつある。ちょこざっぷへ通うことである。競馬以外、あまりにもやることがない(やることがないというのも、ギャンブル依存の大きな原因の一つ)土日に、ちょこざっぷに通うようになった。身体を動かし、痩せたり、筋肉が増すのは快楽だ。だれとの約束も必要がないから一人でできるし、人の迷惑にもならないし、料金も馬券代に比べたらなんてこともない。
そして、土日にちょっと遅めに起きてちょこざっぷ行くと、中央競馬の第9レースに間に合わないことが多い。第10レースも買えないことがある(あ、中央競馬のメーンレースは基本的に第11レースです)。
べつにどうとも思わない。その分、買うレースが減る=賭け金が減る。これである。むろん、おれはnetkeibaの「お気に入り馬」が122頭いて、それらが出走するレースは前日に買うのだが、ここ一ヶ月とちょっと、確実に賭け金は減った。
もし、ギャンブル依存症に困っている人がいたら、「より無害な依存」への置き換えをおすすめしたい。身体を鍛えるのもいいだろう。とはいえ、昔、ダイエットとジョギングにはまりすぎて摂食障害になったおれが言っても説得力はないかもしれないが……。
いや、最後にチャールズ・ブコウスキーのすばらしいアドバイスを引用しておこう。『ブコウスキー・ノート』より。
まあ、いいさ、数えてみると、これまでナニは二千五百回しかしていないが、競馬のレースは一万二千五百回も観ている計算になる。だから競馬に関してなにか一言いってくれっていわれたら、こういうね。「水彩画をはじめなさい」
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

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投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
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3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
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・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
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・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
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お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)
【著者プロフィール】
著者名:黄金頭
横浜市中区在住、そして勤務の低賃金DTP労働者。『関内関外日記』というブログをいくらか長く書いている。
趣味は競馬、好きな球団はカープ。名前の由来はすばらしいサラブレッドから。
双極性障害II型。
ブログ:関内関外日記
Twitter:黄金頭
Photo by :Taylor Sondgeroth