人類で初めて、世界最高峰であるエベレストに登頂成功した、エドモンド・ヒラリーは、「人生は登山」と語ったという。

この言葉について、ある経営者の方がコメントしていたことをたまに思い出す。

 

経営者 「人生は登山だそうだよ。エベレストに初めて登頂成功した人が言っていたらしい。」

私 「そうなんですか。なんで登山なのですか?」

経営者 「普通に解釈すると、人生は上り坂ばかりで、困難な道を行く、というイメージだよね。」

私 「そうですね。」

経営者 「でも、私はちょっと違った解釈をしている。山を登る人が、登山、イコール苦難というのはちょっと違うんじゃないか、と思ったんだ。」

私 「どういうことでしょう?」

経営者 「山登りをする人が、一番うれしい瞬間はいつだと思う?」

私 「頂上についた時…でしょうか?」

経営者 「うん、頂上についた時も嬉しいんだけど、もっと嬉しい瞬間があるんだ。」

私 「…?」

経営者 「わからないですか?」

私 「はい、あまり登山をしないもので…」

経営者 「私だけなのかもしれないので、すべての人に当てはまるかわからないけど、見通しの悪い道を必死に登っていると、急に開けたところに出る時がある。あと、登っているときは基本的に足元を見ているんで、顔を上げると、不意に周りの風景が良く見える時がある。」

私 「ああ、確かにありそうですね」

経営者 「そう、その時に突然わかるんだ、「もう、こんなに登ってきたんだ」ってね。」

私 「なるほど」

経営者 「すごいと思わないかい?一歩一歩必死に登ってきただけなのに、気づいてみるとものすごい高いところに来ている。これが、登山の嬉しい瞬間だと個人的には思う。」

私 「なんとなくわかります」

経営者 「だろう?でも、これって人生も同じじゃないかと思うんだ。毎日必死に働いて、その日その日を一歩一歩登っていく。そして、顔を上げると、いつの間にか「それなりのこと」を成し遂げている。」

私 「おお」

経営者 「だから、最初から頂上ばかりを見ないで、まずは一歩一歩着実に何かをしていくこと。これが人生の秘訣じゃないかと思うんだ。頂上を見るのは、最初だけ。一回見たら、後は足元を見て、一歩一歩踏みしめて登っていくだけだ。焦る必要なんて無い。」

 

私は、その言葉のほんとうの意味を当時はよく理解できなかった。

今となれば、少しわかった気もする。