組織で仕事をしていると、とかく忘れがちなのが、「手を動かす」ことの重要性だ。
もっと具体的に言えば、プログラムを作ったり、文を書いたり、金属を削りだしたり、家を建てたり、なんでもいい。そういった手を動かして、何かを作る行為だ。
これと対極にあるのが、人に指示する、外注に頼むといった行為だ。
人に指示して作らせるのもいい、組織にはあなたの言うことを聞く人がたくさんいるのかもしれないし、お金を出せば外部の人がやってくれるのかもしれない。
でも、「自分で手を動かして作ったもの」と、「人に頼んで作ってもらったもの」には、仕様が全く同じだとしても、明らかな差がある。
同じように、会議で決まったことを「自分で実行して、実現したこと」と、「他の人がやったことをチェックしただけのこと」にも、明らかな差がある。
それは、外見的にはわからない。表面的には同じである。
違うのは、「人の思い入れ」である。
人が作ったものは、いかによく出来ていたとしても、「自分のかわいい子供」ではない。注文通りできた、「商品」あるいは、「成果物」である。
自分が作ったものは違う。人がなんと言おうとそれは、「自分の子供」であり、思い入れがある「作品」なのだ。
そして、「作品」には、魂が宿る。その人の念がこもる。
組織で働いていると、「作品」を作る機会がどんどん減ってくる。上の立場になれば、自分で手を動かさずとも、誰かがやってくれる。
人が多ければ、自分が動かずとも、人がやったことを批評しているだけでも、給料はもらえる。
でも、何十年と「作品」を作ったことのない人は、人のやったことに対して、だんだん鈍感になる。感受性が低くなる。
「人の苦労」が徐々にわからなくなる。
「批判されること」に対して、耐性が低くなる。
そういう人を、何人も見た。そして、私も組織の中でそうなっていた。
それではいけない、と思う。
人は、「作品」を作り続けるべきだ。どんな小さいものであっても。
「作品」を作る時、人は誰でもクリエイターとなり、幸せを感じることができるのだ。
【安達が東京都主催のイベントに登壇します】
ティネクト代表・安達裕哉が、“成長企業がなぜ投資を避けないのか”をテーマに東京都中小企業サイバーセキュリティ啓発事業のイベントに登壇します。借金=仕入れという視点、そしてセキュリティやDXを“利益を生む投資”とする考え方が学べます。

こんな方におすすめ
・無借金経営を続けているが、事業成長が鈍化している
・DXやサイバーセキュリティに本腰を入れたい経営者
・「投資」が経営にどう役立つかを体系的に学びたい
<2025年7月14日実施予定>
投資と会社の成長を考えよう|成長企業が“投資”を避けない理由とは
借金はコストではなく、未来への仕入れ—— 「直接利益を生まない」とされがちな分野にも、真の成長要素が潜んでいます。【セミナー内容】
1. 投資しなければ成長できない
・借金(金利)は無意味なコストではなく、仕入れである
2. 無借金経営は安全ではなく危険 機会損失と同義
・商売の基本は、「見返りのある経営資源に投資」すること
・1%の金利でお金を仕入れ、5%の利益を上げるのが成長戦略の基本
・金利を無意味なコストと考えるのは「直接利益を生まない」と誤解されているため
・同様の理由で、DXやサイバーセキュリティは後回しにされる
3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
・直接利益を生まないと誤解されがちだが、売上に貢献する要素は多数(例:広告、ブランディング)
・大企業・行政との取引には「セキュリティ対策」が必須
・リスク管理の観点からも、「保険」よりも遥かにコストパフォーマンスが良い
・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう
【登壇者紹介】
安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00
参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。
お申込み・詳細
お申し込みはこちら東京都令和7年度中小企業サイバーセキュリティ啓発事業「経営者向け特別セミナー兼事業説明会フォーム」よりお申込みください
(2025/6/2更新)