こんにちは、しんざきです。
好きなブックはガルーダブックで、苦手なカードはデスクラウドとジャイアントイールです。
パウダーイーターブックも握ってみたいんだけど、今回ゲームスピードがかなり速くって、パウダーイーター育てて増やすとか悠長なことやってる暇全然ないっぽい。領地をふわふわ毛玉でいっぱいにしたいのに……!!
この記事では、大きく二つのことを書きたいと思っています。以下の通りです。
「カルドセプトビギンズが、カルドセプトの楽しい要素をほとんどカバーしていて大変に面白いので、まだセプターではない皆さんに広めたい、あわよくばカルドセプト沼に沈んでもらいたい」
「桜玉吉とサイバー佐藤とちょりそのぶがカルドセプト(サターン版の初代)で遊んでる日記が、最終更新から約25年経った現在でも読めるという奇跡と、そのあまりの面白さについてみんなに伝えたい(ただし未完)」
上の二つは、全くの無関係ではないとはいえそれぞれ別の話なのですが、私の頭の中では分かちがたい二つの事案として複雑に絡み合っているので、この記事では開き直って一緒に書いてしまいます。ご容赦ください。
まずは、まだカルドセプト沼にハマっていない方用に、「カルドセプトって何?」というところから始めましょう。
ボードゲームとカードゲームのいいとこどり、「カルドセプト」
カルドセプトビギンズ、およびカルドセプトシリーズは、ひとことで言うと「ボードゲームとトレーディングカードゲームを魔合体させたゲーム」です。
ゲームの基本的な流れは「モノポリー」に近いです。
プレイヤーたちは、すごろくを模したマップ上でサイコロを振ってフィールドを巡り、特定のチェックポイント(城や砦)を通る度に「魔力(お金のようなもの)」を入手します。
空きマスにクリーチャーを配置することで「自分の領地」にして、その領地に止まったプレイヤーから、通行料として「魔力」を徴収します。
この「魔力」の合計が一定値以上になればそのプレイヤーの勝ち。
自分の領地は魔力を注ぎ込むことでレベルを上げることができ、レベルが高い領地ほど通行料が上がります。
特定の色の領地をそろえている(「連鎖」と呼びます)と更に通行料が跳ね上がるので、「素早く特定エリアの領地をそろえてレベルを上げて、対戦相手から高額の通行料をもぎとる」というのは、カルドセプトの基本戦略の一つとなります。]
一方、「カルドセプト」はトレーディングカードゲーム(以下TCG)でもあり、カードバトルの要素があります。
上でさらっと「クリーチャー」と書きましたが、「カルドセプトビギンズ」では、各プレイヤーはゲーム開始前に40枚の「ブック」をそれぞれ用意することになります。
このブックに、様々な能力をもった「クリーチャー」やアイテム、スペルなどが含まれており、プレイヤーはこのブックを駆使して領地の争奪戦を行うのです。
この「ブック」とすごろく要素の組み合わせ、それによる戦略性と読み合い・駆け引き、そしてそれに伴う「思考すれば思考するほど面白くなる」試行錯誤の楽しさこそが、「カルドセプト」の面白さの根幹と言ってしまっていいでしょう。
「考えれば考えるほど報われる」カルドセプトにおける試行錯誤の魔的な楽しさ
ブックとは何かというと、すなわち「戦略を具現化したもの」です。
プレイヤーは、「どうやったら勝てるだろう?」「こんな戦い方がしたい」とあれこれ思い悩みながら、手持ちカードからブックを組み上げます。
クリーチャーは、領地を占領するための駒であると同時に、相手の領地に止まった時、相手の領地を奪うための攻撃手段でもあります。
そして、クリーチャーにも色んな能力をもった奴らがいます。
攻撃力が高く、相手から領地を奪うことに長けているクリーチャー。
防御力が高く、相手の攻撃から領地を守ることに長けているクリーチャー。
コストが安くて、少ない魔力でも大量展開することに長けているクリーチャー。
空いている領地にワープができるクリーチャー。
遠距離攻撃ができるクリーチャー。
一定の条件下で相手を即死させるクリーチャー。
物理攻撃を反射・無効化するクリーチャー。
戦闘時に使える「アイテム」や、様々な効果をもった「スペル」なども含めて、あれこれ悩みながらブックをいじくっている時間は、カルドセプトを遊ぶ上で最も濃厚な楽しさが詰まった時間と言っていいでしょう。
新しいカードを手に入れて、「これとこれを組み合わせると強いのでは!?」といった発見を経て実際に試すのは、カルドセプトプレイヤー、通称「セプター」にとって至高の時間でもあります。
そして、カルドセプトの最大の特徴の一つとして、「ゲーム中に相手の手札が見える」という点があります。
このゲーム、相手のターン中も同一画面で相手のプレイの様子が見えるので、相手がなんのカードを持っているのかも把握できるのです。
ここが、「手札の秘匿」を大前提としているTCGとの最大の違いと言ってもいいでしょう。
手札が見えると戦術がバレてしまってつまらないのでは?というとこれが全く違って、カルドセプトは「手札が見えるからこその駆け引き」を前提に設計されています。
「あ、相手がこのアイテムを持ってるから、今攻めると失敗するな」
「じゃあこっちの戦闘でアイテムを使わせてから侵略しよう」
だとか、
「このスペルを握ってるってことはこういう戦略をとりたいんだな」
「じゃあこっちはこのスペルで対抗しよう」
だとか。
最初のうちはカードの絵柄を見ても「このカード何だっけ?」となっていたのが、段々判別できるようになってくると、カルドセプトの楽しさは更に一段深みを増します。
ゲーム中の読み合いの要素、「考えれば考えるほど有利になる」要素が、これでもかと仕込まれているわけです。
そして、その「読み」と自分の戦略をうまく微調整しながら、勝利目指して領地を獲得して、連鎖を作って、レベルを上げて、侵略し、魔力を稼ぐ。
「自分が考えた戦略」がばっちりハマって、思った通りの勝ち方ができた時ほど幸せな瞬間はありません。
楽しく考えさせてくれて、しかもそれが報われるゲームほど面白いゲームはない。
ただし、カード引きとサイコロが強くゲームの行方を左右するゲームである以上、運要素はどうしても切り離せず、考えに考え抜いてどんなに優位に進めていても終盤のダイス目一発で逆転最下位になることはありますし、逆にどんなにミスを重ねても神引き一回で逆転勝利することもあります。
最善を尽くした上で、更に最後にランダムの神様が自分に微笑んでくれるかどうか。これもカルドセプトの重要な味わいの一つだと言えるでしょう。
まあ、ダイスの目が偏りまくっておなかが痛くなってくることもあるんですけど。
「カルドセプトビギンズ」についての感想
ところで、2026年7月、ちょうど先月にシリーズの最新作である「ビギンズ」が発売されました。
3DSの「カルドセプトリボルト」の発売が2016年の7月だったので、ちょうど10年ぶりの新作ということになります。
シリーズの中で、カルドセプトビギンズは「ビギンズ」の名前の通り、原点回帰を強く打ち出した作りになっています。
前作「リボルト」がかなり挑戦的でとがったバランス調整を行っていたので、それよりだいぶマイルドになった感はあります。
一通りシナリオをクリアして、対戦も触ってみている段階で、ざっくり感想を箇条書きしてみると、
・砦や城で配布される魔力量が多めで、勝負がつくまでのスピードはかなり速い
・戦闘バランスも、侵略優位だった「リボルト」よりだいぶマイルドになった
・かといって走りが強すぎたり侵略が無意味かというとそうでもないため、バランス取りはかなり入念にやられている気がする
・ただしパウダーイーターブック全然勝てない、強い人はどうやって勝ってるんだ?
・ブックの枚数が40枚になり、手札が安定しやすくなった
・地形変化のコストが下がって、土地事故も起こりにくくなった
・そのため、「ブック構築」の重要性、戦略性はより増していると思う
・オート周回がカード稼ぎやコイン稼ぎにとても便利
・倍速プレイも便利of便利
・カードのデザインがかなりシンプルになっており、最初カードが見分けにくいのではないかと危惧した(ガスクラウドとフェニックスとか)が段々慣れてきた
・ただし、ブック編集時のカードの検索性がいまいち悪い(能力別フィルターと逆順ソートが欲しい)
・相手の手札をいつでも確認できるわけではないが、持っている手札の種類だけは常に確認できるようになった(手札のマークで分かる)

・ヘルプがめちゃくちゃ充実しているので初心者は一度は読むべきだと思う
・総じて、「ビギンズ」の名前通り、始めてカルドセプトをやる人でも触りやすくなったのではないかと思える
・対戦の駆け引きがありえないほど面白いのだが、マッチングでエラーが起きることもちょくちょくあって(私の環境の問題かも知れないが)もったいない、アップデートに期待したい
・オフライン会でおすそわけ対戦するのが最高なのかも知れない
・以前から「カルドセプト」シリーズのストーリーは(リボルトを除いて)割とシンプルだが、今回も「原点回帰」と言うにふさわしい王道のストーリー展開
・キャラクターの絵柄もシンプルだが、取り敢えずイシャラはとても可愛い。

・素の言葉使いが案外ずさんな王女様好き
・カルドセプト大体王女様が仲間になる説(あと大体クトゥルフっぽい勢力が出てくる)
・ただし、「シンプルな絵柄かな?」と油断させておいて、「凶悪な獣にまたがったビキニ姿の美女」とかいう性癖の主張激強なキャラを突如ぶち込んできたりもするので油断できない

・15章だけはステージ設計した人強めにおなか壊して欲しい
というような形になります。
しんざきは昔から風ブック使いなのですが、今回もシンプルにガルーダは強力な一方、先制が思ったほど強くないので、どういう構築にしようかなーとまだ試行錯誤しているところです。
あとパウダーイーター置いてる隙がマジでない。
全体的にめちゃめちゃ楽しめているんですが、ただマッチング関係についてはもうちょっとどうにかして欲しい点で、このゲームの一番楽しいところなのに初心者さんがそれを楽しみ辛いとなると超もったいないので、アップデートでなんとかならないかなーと。
とにかく、「カルドセプトの重要な部分」を全て保持したまま極めて遊びやすくなっている、という点については衆目一致しているところかと思いますので、まだ「カルドセプト」に触ったことがない人にこそビギンズを遊んで欲しい、と考えるばかりです。
ところで「幽玄対戦日記」を読んでください
すいません、ここから話が脱線します。
桜玉吉、という漫画家さんがいます。かつて「ファミコン通信」の誌上で、ゲーム漫画「しあわせのかたち」を連載。
一時期体調を崩して活動を休止されたりもしていたんですが、現在も「日々我人間」などを不定期に連載されています。
「しあわせのかたち」は、連載当初はファミコンのゲームをネタにした脱力系ギャグ漫画だったんですが、途中から「ドラクエII」のキャラを元ネタとする「三人組(おまえ・こいつ・べるの)」を主役にしたファンタジー漫画になり、更にそのあと、桜玉吉先生自身の日常を描いた日記漫画になりました。
当時ファミ通を読んでいた人なら誰もが知っている筈の独特の作風の漫画を描かれる方で、今でも熱烈な、というか玉吉先生の体調を心配しまくるファンが多いことで、一部界隈では著名です。
玉吉さん、もう御年65歳くらいなんですよね……ご体調心配過ぎる……。
そんな桜玉吉さんがサターン版の初代「カルドセプト」を遊んだ日記がweb上で読めること、皆さんご存知でしょうか?
この日記自体は、「しあわせのかたち」にも登場していた「サイバー佐藤」氏の視点で描かれたもので、同じく「しあわせのかたち」で玉吉先生のアシスタントとして描写されていた「ちょりそのぶ」氏も登場して、三人で「カルドセプト」を遊びながら虚々実々の盤外戦が繰り広げられる内容なんですが、これがもうめっちゃめちゃ面白いんですよ。
大人同士の全力の意地の張り合いと、騙し合い。
「勝つために何をして、何を考えるか」という描写、これぞまさにカルドセプト。
「ああ、俺もこういうカルドセプトとの出会いをしたかった」と思うくらい楽しそう。
ただし未完。
未完(重要なことなので二回書きました)。
めちゃめちゃ続きが気になるところで終わってるんです。
玉吉先生が当初ちょりそのぶ氏にけちょんけちょんにされて、その後の駆け引きも面白いんですが、何より玉吉先生が提案したという「特殊ルール」、その内容が明かされる直前で終わっているのが本当にモヤる……。
令和の奇跡か何かで連載再開されたりしないでしょうか。
この日記、最後に更新されたのが2002年、もう25年近く前の話でして、これが未だにインターネット上で読めるのも一つの奇跡なのかも知れないと今回改めて思ったので、未完でモヤる体験まで含めて皆さんにお裾分けしたいと思い、今回書かせていただきました。よろしくお願いします。
なにはともあれ、カルドセプトビギンズは大変面白いですし、何より対人戦がとても最高なので、皆さんにも是非経験して欲しいと思いつつ、マッチング周りについてはアップデートでの改善を願うところ大なわけです。
今日書きたいことはそれくらいです。
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(2026/8/3更新)
【著者プロフィール】
著者名:しんざき
SE、ケーナ奏者、キャベツ太郎ソムリエ。三児の父。
レトロゲームブログ「不倒城」を2004年に開設。以下、レトロゲーム、漫画、駄菓子、育児、ダライアス外伝などについて書き綴る日々を送る。好きな敵ボスはシャコ。
ブログ:不倒城
photo:Michael Pointner




