8e0db9690b4151a5dfbe4658f929cdba_sつい先日ご訪問した会社の方から、面白い質問を頂いた。

「安達さんなら、どっちを選びますか?一つは、給料は安いけど、定時で帰れる。自分の好きな目標を設定できる仕事。もう一つは、給料が高いけど、労働時間が長く、目標は上から与えられる。特に好きでもないが嫌いでもない仕事。」

 

中々判断に迷う質問である。

「給料が安いって、どの程度ですか?と聞くと、40歳で、年収400万円位を想定してください。」と仰る。なるほど。まあ特にメチャメチャ安いわけでもない。平均といったところだろう。

「ちなみに、高い方はどのくらいでしょう?」と聞くと、「40歳で年収800万としておきましょう」と言う。なるほど、確かに良い給料だ。

 

 

難しい問題である。中々すぐには選択できない。

困った私は、相手の皆さんに質問した。

 

「皆さんは、どちらを選択されましたか?」と聞くと、その場にいた方々は真っ二つに分かれた。

「給料が良い、ということが非常に重要です」という方もいれば、

「定時で帰って、プライベートの時間を大事にしたい。」という方もいる。

 

私は不思議に思って、もうひとつ質問をした。

「なぜこんな質問をするのですか?」

すると、その場にいた責任者の方がこう言う。

「我々は、両者が同じ職場で働けるかどうか、議論をしているのです。」

と言う。

なるほど、そういう目的だったのか。

 

私は聞いた。

「で、行けそうなんですか?両立。」

責任者の方は言った。

「多様な働き方を認めましょう、ということでこの制度を検討ました。だが、やはり難しいと思います。」

「なぜですか?」

「成果の切り分けや難易度設定が難しいからです。例えば年収800万を貰う人が成果を出したとしても、その成果は1人で出したものか、と言われると判断に困る。仕事の成果は多くの人が頑張った結果なのです。まあ、個人商店のような営業だけの会社ならできるかもしれませんが。」

…言われてみれば、そうなのかもしれない。

「ですから、会社としては、自分でたてた目標と、会社が与えるノルマの両方を持ってもらって、賞与で差をつけることにしました。」

「なるほど、うまくいくといいですね。」

 

 

家に戻り、私は質問に答えていなかったことを思い出した。

私なら、どちらを選ぶだろうか?

 

あの会社にもし在籍したとしたら、おそらく自分は「定時で帰って、夜は副業をして年収600万を目指す」だろう。(会社には言えないが)

会社で好きなことをして、家でも好きなことで稼げる。それが一番楽しそうだ。収入を1箇所に依存したくない、というのもある。

……まあ、多分そんなにうまくいくことは無いけれど。

 

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3. サイバーセキュリティは「利益を生む投資」である
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・経営者のマインドセットとして、投資=成長のための手段
・サイバーセキュリティ対策は攻守ともに利益を生む手段と考えよう

【登壇者紹介】

安達 裕哉(あだち・ゆうや)
ティネクト株式会社 代表取締役/ワークワンダース株式会社 代表取締役CEO
Deloitteにてコンサルティング業務に従事後、監査法人トーマツの中小企業向けコンサル部門立ち上げに参画。大阪・東京支社長を経て、2013年にティネクト株式会社を設立。
ビジネスメディア「Books&Apps」運営。2023年には生成AIコンサルティングの「ワークワンダース株式会社」も設立。
著書『頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)は累計82万部突破。2023年・2024年と2年連続で“日本一売れたビジネス書”に(トーハン/日販調べ)。
日時:
2025/7/14(月) 16:30-18:00

参加費:無料
Zoomビデオ会議(ログイン不要)を介してストリーミング配信となります。


お申込み・詳細
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(2025/6/2更新)

 

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