忘年会で、「給料が上がらない」とボヤいていたサラリーマンがいた。

そこに、フリーランスをやっている別の知人が割って入る。

 

「給料上げてくれ、って経営者とか上司に言った?」

サラリーマンはキョトンとしている。

「いや、そんなこと言うわけないですよ。」

 

確かに、おかしなことである。給料が上がらないとボヤいているのに、給料を上げてくれ、と会社に言わないのである。

フリーランスの方は更に聞く。

「なんで会社に言わないんですか?」

「なんでって……、そんな話聞いたことないですよ。」

「……。」

「昇給って、評価の結果を基に、毎年給料上がるタイミングで会社が決めるものじゃないですか。」

「……昇給って、勝ち取るものだとおもうけど……。」

 

彼を始めとした「古き良きクラシカルな大企業」に勤めている人間は、多かれ少なかれ、同じように考えているのかもしれない。実際、今回様々な人に聞いてわかったのだが「会社に給与交渉をしたことがない」という人は結構多いのだ。

 

さらに、別の知人に「給与交渉したことがある?」と聞くと、

「昇給を要求すると、社長や上司から「アイツはカネのために働いている」と言われて評判が下がるのが怖いから、そういうことは言わないようにしておく。」

とも言っていた。

 

これはこれで面白い反応だ。

「給与を上げてくれ」というと逆に評価が下がるという状況は、経営者にとっては非常に都合は良い。そう言う意味では彼は、「最高のサラリーマン」なのかもしれない。

 

*****

 

高度経済成長時代は、黙っていても給与はどんどん上がった。

今は全く異なる。

良くて横ばい、社会保障などの負担が増えていることを考えれば、実質はマイナスである。

「給料を上げろ」と会社に交渉しなければ、会社の利益は増えても、サラリーマンはますます、苦しくなっていくのだ。

 

ところが、彼らに「「給料上げろ」って会社にきちんと言ったほうがいいよ」と言っても、彼らは聞く耳を持たない。

「会社に迷惑がかかる」

「お金の亡者みたいに見られたくない」

「皆我慢しているから」

「お金が全てではない」

と、綺麗な事を言う。

だが、裏では「給料が上がらない」とボヤいているのだ。

 

確かに「給料を上げてくれ」と言わない人が、「給料が上がらない」とボヤいても、あのフリーランスの方同様、私はあまり同情する気になれない。昇給とは、自ら勝ち取るものだ。

給与の交渉をしない人が、給料のことでボヤくのは

・他力本願で主体性がない

・成果を出せていない

のどちらかだろう。

もうこの時代、「もしかしたら会社が給料を上げてくれるかもしれない」との甘い期待はやめたほうがいい。

 

だから仮に、自分が会社に対して一定以上のはたらきをしていると思えば、堂々と昇給の交渉をすれば良い。

その上で、わずかしか給与が上がらなかったり、評価が下がったり、「特別扱いはできない」と突っぱねられたら、さっさと転職活動をすればよいのだ。

あなたの実績と能力ならば、きっと引く手あまただろう。きっと給料も上がるに違いない。

 

また、余談だが、フリーランスや会社経営も全く同じである。

自分たちが「価値あること」をしていると思えば、買い叩いてくるクライアントはさっさと切って、次にいこう。余計な時間をつかって評価の低い仕事をするよりも、もっと自分たちを評価してくれる会社は世の中にたくさんあるのだ。

それが「自由競争」というものである。

 

 

【お知らせ】

Books&Appsの広告・広報サービスについて

 

安達裕哉Facebookアカウント (安達の最新記事をフォローできます)

・編集部がつぶやくBooks&AppsTwitterアカウント

・すべての最新記事をチェックできるBooks&Appsフェイスブックページ

・ブログが本になりました。

(Silke Gerstenkorn)